近所の天使さんに昇天させられそうです〜!!! 作: 転がる睡魔
小鳥のさえずりで起こされる穏やかな朝を迎えるそんなことはない。
俺を叩き起すのは、スマホのアラームの音だ。
前日の体の怠けさは起きたらすっかりと姿を消していた。
天使さんの謎の神々しい光の正体はなんだったんだろう。
謎が深まるばかりだ。
喉の乾きを潤すため勢いよく水を体に流し込んだ。
こんな近くに、水道っていうオアシスがあるのは非常に便利だ。
というか時間が有り余っている。
花火大会は6時からだしどうしたものか。
とりあえず朝の優雅な時間を……。
と思ったら
「 お邪魔しますよ誠くん〜 」
チャイムっていうものを知らないのかね。
まぁ可愛いからよし。
「 体調は大丈夫そうですか〜? 」
「 元気になりました。昨日はありがとうございました。 」
そう言うと良かったです〜と口角をキュッとあげた。
気になることが、1点。
天使さんの頭上の輪っかが透けている昨日までは、ハッキリ見えていたはずなのに……。
「 昨日深夜俺の家来ましたか ?なんか神々しい光を貴方と共に見た気がするんですけど…… 」
天使さんは首をかしげ言った。
「 それは夢ではないですかね〜 ?もしかして私の会いたい気持ちが飛んで行っちゃったかもしれないですね〜 」
そんな可愛らしいセリフを言われると勘違いしてしまいそうになる。
「 あ !まだ全然時間ありますよね〜 ! 何しましょうか〜 」
「最近涼しくなりましたし、散歩でもどうでしょうか ? 」
ありですありですと食い気味に天使さんが応えた。
「 まだ何も身支度が終えてないのでちょっとお待ちを 」
口の中に歯ブラシを咥えたまま動こうとすると、天使さんからお叱り言葉が飛んできた。
ボサボサの髪をまぁ見栄えよく見える程度に櫛で整えた。
まぁこれで外出てもいいだろう準備満タン。
涼しくなったと言えど湿ったジメジメした空気が俺らを苦しめる。
蝉の音が今回の散歩のBGMだ。
天使さんが指を指しながら
「 あ !!見てくださいよ〜 !!あそこにアメンボが !! 」
「 あ !!あそこには赤トンボが〜 !!! 」
そうやって無邪気にはしゃぎ回る子供のような姿に既視感を覚えた。
あの子に似てるな外見は一切似ていないが、重なるものがあった。
コロコロ丸っこい石を蹴飛ばし擬似サッカーまでもした。
そうやって2人で遊び尽くした。
時計の針が4時を指していた。
天使さんは、用事があると言って家に帰って行った。
隣が、寂しい空席になってしまった。
そこら辺で道草を食いながら目的地へ足を進めた。
目的地へ到着〜。
長い長い散歩だった。
待ち合わせ場所に着くと浴衣を身に纏った天使さんがそこにいた。
「 これ見てくださいよ〜柄可愛くないですか〜 ? 」
向日葵があしらわれた綺麗な柄のものだった。
萌え袖気味なのも可愛いらしい。
「 大家さんに着付けしてもらったんですよ〜シュパパッとやってくれたんですよ〜 」
「 大家さん器用でなんでも出来ちゃいますもんね憧れます 」
「 てことで一緒に楽しみましょう〜 !!花火まで時間があるのでまず屋台から 」
周りの迷惑にならないよう小さくエイエイオーをした。
思ったより、小規模な屋台の集まりだった。
定番のたこ焼き、りんご飴などはあるが店数が少なめだ。
周りを見渡すと恋人らしき男女が居たりと子供連れの人が見えた。
笑い声が所々響いてる。
祭りの中は、寂しい夜ではなかった。
天使さんがキラキラとした視線をこちらに向ける。
「 誠くん !!!かき氷 !!!しかもシロップ全種類かけ放題 !!!」
鼻息を荒くして興奮状態だ。
「 2人で食べちゃいますかかき氷 ! 」
天使さんはシロップを全部制覇する勢いだった。
1番濃い液体をかけたせいか、他のシロップの姿が見えない。
俺はツートンにした。
ブルーハワイとレモン夏らしい組み合わせだ。
天使さんは掃除機のような勢いでかき氷をかきこんだ。
アイス頭痛がきたのか頭に手をやり耐えていた。
「 さ !そろそろ始まる時間ですよ〜 !!行きましょうか〜 」
そうやって手を引かれたが、人の荒波に揉まれて離れ離れになってしまった。
天使さんの姿が見えない。
周りには、人、人、人……。
人口密度が高すぎやしませんかね。
「 やっと見つけた苦労したわ貴方…… 」
手首を掴まれた。
逃げられないようにガッシリと。
この人は天使さんじゃない誰だ……。
だけど、天使さんと同じあの光の輪を持っている。
「 あぁ誰だって顔をしてるわね急にごめんなさいね私は、貴方とよく関わってるあの子との同期よ 」
「 あの子の知り合いでしたか俺に何の用事が…… 」
「 麻衣 !!!!その子に近づかないで!!!!」
声の持ち主は天使さんだった。
いつもと姿が違っていた。
背中に羽が生えていたのだ。
「 貴方その羽もしかしてその人間に力を使ったの ? 」
天使さんの羽は完全に真っ白ではなかった。
一部が黒色のインクが染みているような羽をしていた。
「 ねぇ貴方そのままじゃ堕天してしまうわよ ?もうあそこには帰れなくなってしまうわよ 」
状況が呑み込めなかった。
俺はただただ、ポツンと置物ように突っ立っていた。
「 それでいいの〜!!大切な友達が死んでしまうなんて助けずにいられないでしょ!!!貴方は見て見ぬふりをするの ?? 」
「 それは…… 」
一瞬麻衣が固まった。
「 でも天使の務めを果たさなきゃいけないのよ貴方ができないなら私がやるわその人間を渡しなさい 」
「それはできません麻衣ごめんなさいこれだけは絶対譲れない 」
天使さんは俺を抱えていった。
逆お姫様抱っこ状態だった。
麻衣は更に険しい表情になった。
「 もうその人間死んでるじゃないそんなに延命を重ねて…… 」
俺が ?死んでいる ?意味が分からなかった。
俺の肉体は健康そのものじゃないか。
天使さんは俯いたままだ。
「 ごめんなさい……麻衣…… 」
そう言って俺を抱えたまま天使さんは、飛び立った。
丁度花火が打ち上がった。
横顔の輪郭が花火の光を反射する。
まるで、映画のワンシーンだった。
2人で一緒に見る予定だった花火をこの形で見るとは思っていなかった。
天使さんは重く口を閉じたまま俺は天使さんに体を預けていた。
マンションに着くと、ソッと俺のことを下ろしてくれた。
せっかく着飾った浴衣は着崩れしてしまっていた。
「 ねぇ天使さん俺ってもう死んでるってどういうこと ? 」
疑問だらけだった。
困ったような顔をして天使さんは言った。
「 私は誠くんを助けるため下界してきました誠くん実は貴方は、車に轢かれて死にました 」
淡々と伝えられた。
「 それで、天使の勤務めは死んだ者を天に迎えること昇天させることかな〜 でも私は役目を放棄した 」
貴方が大切だったからか細い声が聞こえた。
「 もしかしてここ最近やけに体調不良を起こしたのは俺の体がズタボロ状態で何とか貴方のお陰で命を繋いできたってこと ? 」
天使さんはそうよと頷いた。
「 誠くん !!!今日はもう寝ましょ〜疲れちゃったでしょまた明日〜 」
そう言って天使さんは自分の部屋へ向かっていった。
今日はこれ以上聞けなさそうだ。
俺も自室へと歩いた。
ヘトヘトの体をお布団に投げ込む。
お布団はいつでも俺を受け入れてくれる。
天使さんの正体が本当に天使だったか。
解決できてスッキリだが、新たにモヤモヤが発生してしまった。
今晩は、眠れそうにないなそう思ったが体はもう睡眠モードらしい。
俺は深い眠りに着いた。
主人公朝の目覚めから入ることが多すぎなことに気づきました。
オーマイガーです。
また、ゆっくりまったり進めていこうの気持ちです。
今月中1、2話投稿できたらいいですね。