スイーツイーター ~お菓子の神機使い~   作:フロンサワー

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ネタにはしるよ!


十五品目 俺の神機、食えた

 

ーー神機保管所

 

「あっ、アマト君!待ってたよ」

 

神機保管所にリッカと、エレベーターから降りたアマトの姿があった。

 

「リッカさん、神機は直りましたか?」

 

リンクバーストの五段階強化によりGEチョコとGEキャンディーは溶け、GEケーキは焼き焦げるという惨状だった。

 

なのでリッカ達整備班に神機を修理してもらったのだ。そして、今日は神機が修理されて任務に出る日だ。

 

「バッチリだよ。新しい機能もつけたしね!」

 

リッカが自信満々に答える。

 

赤い機械が開いた先には元通りのアマトのお菓子神機があった。新しい機能とはどのような物なのだろうか?

 

「それはどんな…………」

 

アマトが期待を込めて訊ねる。リッカはそれを満面の笑みで答えた。

 

「うん!食べれるようにしといたよ」

 

暫く静寂が訪れる。

 

「…………………………………………は?今なんて?」

 

自分の耳がおかしくなったのだろう。そう思いもう一度聞き直す。

 

「お菓子神機だからね、やっぱり食べれなきゃ!」

 

しかし、幻聴では無かったようだ。

 

「リッカさん、正気に戻ってください…………!」

 

アマトは冷や汗ダラダラだ。お菓子神機だからってそこまで再現する必要はないだろう。

 

「アラガミを捕食すれば食べた部分は修復されるから、心配しなくていいよ」

 

未だに事態の整理がついていないアマトに更に追い討ちをかけてきた。

 

「………いや、そういう問題じゃないです!そもそも何で修復されるんですか!?」

 

聞きたいことは山程有るが、リッカの発言の中の疑問に思った点を聞く。

 

「アラガミの血肉を神機内で分解してお菓子に変えるんだよ。味もアラガミによって違うと思うよ」

 

予想以上にとんでもない返答が帰ってきた。要はアラガミの血肉をお菓子に変えているという機能だ。

 

「なんだそれ」

 

流石は天才であるサカキ博士を筆頭とする技術班だ。こんなことをやらかせるのはこの極東支部くらいだろう。

 

「一体何の為に…………!!」

 

今思いつく限りではサカキ博士の悪ふざけ位だ。

 

「勿論意味無くやった訳じゃないよ。神機を食べることによって怪我や体力を回復できるのよ!」

 

どう?すごいでしょ?と言わんばかりのドヤ顔だ。しかし、もうアマトにはどうでも良かった。お菓子神機に適合した時点で色々諦めがついてる。

 

「……怪我したヤツに食わせてみるか」

 

次の任務の負傷者に毒味をしてもらう事に決めた。

 

 

 

ーーエントランス

 

「本日付で復帰しました。桐永アマトです」

 

第一部隊の面々の前でアマトが敬礼をする。右足も自由に動かせるようになり、体は全快していた。

 

「アマト~~!!お前が休んでる間、めちゃめちゃ大変だったんたぞ!!」

 

リンドウに加え、新型二人の欠員で、残ったゴッドイーターだけで任務を切り盛りしていたせいだ。相当大変だったのだろう。

 

「ふん……やっと来たか………」

 

ソーマも顔には出さないがアマトが復帰したことを喜んでいる。

 

「アマト君………怪我は大丈夫なの?」

 

サクヤが心配そうに聞く。

 

「はい、大丈夫です。」

 

「そう……早速だけどクアドリガの任務に出てもらうわ。ごめんなさいね、病み上がりなのに………」

 

申し訳なさそうに言う。病み上がりのアマトにさえクアドリガの任務が回るほど人手が不足していた。

 

そんな中、アマトは疲れきった顔をしていた。

 

「心配すんなって!俺達がフォローしてやるからさ!」

 

コウタがアマトを安心させようと話し掛ける。それもそのはずだ、アマトにとっては初めてのクアドリガ戦だ。コウタもアマトが不安だと思っていたのだろう。

 

「…………ああ……」

 

しかし、疲れた理由はこの後嫌と言うほど味わうことになる。

 

 

 

ーー嘆きの平原

 

ビルの影でクアドリガの様子を探る。

 

戦車のような巨大なアラガミ、クアドリガ。ヴァジュラ以上の凶悪な巨体を誇る化物だ。

 

骨のような骨格を持ち、旧時代の兵器を連想される武装をしているアラガミだ。

 

「うわっ、すげぇサイズだな」

 

アマトがクアドリガを見て呟く。

 

「お前余裕だな~。俺なんか初めて見たとき腰抜かしちゃったぜ」

 

本来ならコウタの反応が正しいだろう。

 

「ふん……精々死なないようにな」

 

彼なりの気遣いの言葉をかけ、イーブルワンを構える。

 

「ソーマ……相変わらずだな(笑)」

 

しかし、アマトには届かない。ソーマが青筋をたてる。

 

互いに取っ組み合いを始める。開始直後にアマトの顔面がソーマの拳でめり込んだ。

 

「何て言うか………久々にアマト君と任務に行くと和むわね」

 

そんなやり取りを見て、サクヤも苦笑している。

 

「まあ、誉め言葉として受け取っておきましょう」

 

鼻血を垂らしながら、ガシャン!という音が響かせ神機をGEケーキに変型させる。

 

「じゃあ、いくわよ……作戦開始!」

 

サクヤの号令と共にアマトとコウタがビルの影から飛び出し、銃口をクアドリガに向ける。

 

「グオォォォオオォォ!!!」

 

しかし、相手の方が一瞬早かった。ミサイルポットが開き、沢山のミサイルが三人を狙う。

 

「いや、ミサイルって本当にアラガミかよ!」

 

ひたすら走る、ただ走る。走り抜けた地面は爆散していた。

 

「うおおぉぉおおぉぉ!!」

 

アマトが叫びながら走る。ここで怪我をするわけにはいかない。コウタや他の奴等に毒味をさせることが出来なくなる。

 

「うわ、すげぇ!」

 

アマトの動きは病み上がりとは思えないほどに俊敏なものだった。普通なら喰らうはずの爆発も避けまくる。

 

しかし、そう言ってるコウタ達も余裕という訳ではない。

 

「あだっ!!」

 

「コウタ君!大丈夫!?」

 

コウタがダメージをくらう。ここでもう彼の命運は尽きた。

 

「!!!」

 

アマトが大きく目を見開く。急ターンをして右、左と爆風を避けながらクアドリガに向かう。

 

「撃ち抜け!!」

 

走りながらGEケーキで銃弾を放つ。それは全てクアドリガの骸骨のような部分に吸い込まれた。

 

「グガァァァ!?」

 

クアドリガがダメージで怯む。

 

「ぬあぁあ!!」

 

神機をGEチョコに変えてクアドリガの装甲を斬りつける。

 

「凄い迫力ね…………」

 

サクヤはそう言いながらレーザーでミサイルポットを狙う。

 

「よーし!負けてらんないぜ!!」

 

コウタの銃弾もクアドリガの骸骨の所を撃ち抜く。

 

「消えろッ…………!!」

 

ソーマもアマトと一緒に装甲を破壊しに掛かる。イーブルワンの超重量級の一撃とGEチョコの鋭い斬撃が装甲を砕く。

 

「ギュアァアアァ!!」

 

クアドリガがバックステップと同時にミサイルを放つ。

 

「チッ…………!」

 

ソーマは装甲を展開する。しかし、アマトは前方向にステップしてクアドリガに接近した。

 

地面を蹴りクアドリガの目前にアマトが現れる。同時にGEチョコをクアドリガに突き刺す。

 

「ギュガガガァア!!!!」

 

「うわ!危ねぇ!!」

 

コウタが咄嗟に銃口をミサイルポットに逸らす。

 

クアドリガが必死に振りほどこうと暴れまわるが

 

「やれ、ソーマ!」

 

アマトの声と共に、崩れた装甲にイーブルワンの凶刃が食い込む。

 

「グ……ガァァ…………!?」

 

ダメージで動きが止まった時

 

「ッあぁ!!」

 

GEチョコを無理矢理引き抜いた。更に、空中で神機を変型させる。

 

落下と同時に剥き出しとなった装甲に銃口を向ける。

 

ドンドンドォン!!

 

銃弾がクアドリガの内部を抉る。そして、その攻撃を最後にクアドリガは倒れた。

 

 

 

「アマト君……凄い動きね………」

 

「ああ!どうしたんだよ!?」

 

アマトは今クアドリガを捕食している。そんなアマトの動きを二人とも称賛する。

 

「いえ、何でもないです」

 

その問い掛けにアマトがやりきったという表情で答える。

 

アマトの神機が捕食を終える。それを見た後…………

 

「それよりコウタ………怪我しただろ?ほら…………食えよ」

 

コウタの処刑が始まった。自分の神機を差し出す。

 

「「「……………………………………………………は?」」」

 

ソーマですら絶句している。

 

「アマト!おかしくなったのか!?」

 

コウタがアマトの肩を揺らしながら正気を疑う。実際、武士だったら自分の刀を差し出して、『召し上がるのでござる』と言ってるみたいなものだ。

 

「おかしくなってない。新しい機能だから、新しい機能だから」

 

揺らされながら虚ろな目でアマトが答える。

 

「しかも食ってどうなるんだよ!?」

 

悲しいほど尤もな疑問だ。

 

「体力回復、試しに食ってみろってマジで」

 

GEチョコの刃渡りの背の部分をパキリ、と音をたてて取る。流石に刃の部分は取れないらしい。

 

「ア、アマト君!?」

 

その手にはGEチョコの一部分が握られていた。更に片手はコウタの肩を掴んで離さない。

 

「いやいやいやいや!ムリムリムリムリ!!」

 

コウタが必死で抵抗する。

 

「回復なら私がするわ!ほら、回復錠よ!コウタ君!!」

 

サクヤがコウタの援護に回るが……

 

「回復錠の値段もバカにできないですよ。ほら、食え」

 

アマトが容赦なくコウタの口に突っ込む。この時はアマトが悪魔に見えたという。

 

「むごっ!!?」

 

どんどんコウタの顔が青ざめていき…………

 

「オイルの味がするッ!!!!」

 

そう叫んで倒れた。

 

「…………逆に、ダメージじゃね?でも怪我が治ってるな」

 

悪びれもせずアマトは冷静に現状を分析していた。

 

「……お前、悪魔か」

 

ソーマのポツリと呟いた言葉が重く響いた。





毎日更新はもう無理です
すみません…………
でも頑張ったよ、俺…………
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