スイーツイーター ~お菓子の神機使い~   作:フロンサワー

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寒い………早く過ぎろ、冬!!


二十品目 アマトと、ソーマ

ーー新人区画

 

Sideアマト

 

テレビから派手な爆発音が何度も聞こえる。そのテレビの周りにはダンボールが山積みで重なっていた。この散らかった部屋は勿論コウタの部屋だ。まったく、いつ片付けるのか……

 

『いくぞ!オサムー!!』

 

『こい!ジョニー!!』

 

コウタがやたらと勧めてきたので、マシュマロを食いながら二人でバガラリーを見ている。俺はソファーに座り、コウタは床で横になっている状態だ。

 

「なあ、アマト」

 

「どうした、コウタ」

 

あ、ジョニー倒した。山場で話しかけてくんなよ。

 

「いつまで俺の部屋にいんの?」

 

いつまでか………そういえば考えてなかったな。うん……そうだな…………

 

「…………永遠?」

 

ガバリッ!とコウタが起き上がる。

 

「いやもう帰れよ!!部屋が甘ったるい匂いで充満してんだよ!」

 

なんやかんやでコウタの部屋に来て一週間くらいになる。その間にお菓子を作ったり食ったりしたせいだ。

 

「嫌だ、絶対帰らんぞ………!」

 

迷惑をかけてもここにいる理由は唯一つ。支部長の野郎がリンドウさんの部屋に変えやがったせいだ。『配慮する、と言っただけで了承したわけではない』というふざけた理由で強制的に引っ越しされた。

 

しかし、配慮したからといってその部屋にこびりついた匂いが落ちるわけではない。タバコの匂いとビールの匂いが体を蝕んでいく。あそこに居れば俺の命に関わる……!

 

「ホント帰ってくれ!」

 

「嫌だ!!」

 

「帰れ!!」

 

「帰らん!!」

 

「ツバキさん呼ぶぞ!!」

 

「…………帰る」

 

チクショウ……ツバキさんの名前を出すなんて反則だろ。仕方なく俺はコウタの部屋を後にした。

 

『バタンッ!』

 

力強くドアを閉められる。そんなに甘い匂いがストレスだったのか……

 

さて、これからどうする……

 

 

 

 

 

ーー鎮魂の寺院

 

Sideアマト

 

コンゴウ堕天種の討伐の任務を承けた俺、コウタ、ソーマの三人は鎮魂の寺院にいる……と言いたい所だが、ソーマが来ていない。集合時間過ぎたのになにやってんだ。

 

「そういやお前の部屋どうなったんだ?」

 

「リフォームした。もうタバコとビールの匂いはしないぜ」

 

支部長に直談判してなんとかリフォームさせる位の費用と人員を得ることができた。特大キッチンも付けることができたし、粘った甲斐があった。

 

「ふーん……そうだ!新築(?)祝いも兼ねてリーダー就任祝いでもしようぜ!」

 

「あー……そうだな。お菓子でも用意しとくか。プリンのレーションとか」

 

「うげ!あれはやめてくれ!あのザラッとした甘さが気持ち悪いんだよ………」

 

何を言っている、あのザラッとした甘さが逆に良いんだろ。

 

「お前、甘味は正義だぞ」

 

「いや、わけわかんねーよ!」

 

キシッ……キシッ……と後ろから雪が踏み固められる音がした。ここの寺院だと小さい音も良く鳴り響く。

 

「………ソーマ、やっときたか」

 

毎回遅れるのは本当にどうにかしてほしい。

 

「今度の週末にさ、アマトのリーダー就任祝いをやるんだけど、どう?」

 

「断る……」

 

俺達の横を通り過ぎてとっとと任務にいこうとするソーマ。いや、遅れたのはお前のせいだからな?

 

「えー、そう言わずにさー」

 

コウタの肩に手を置き首を振る。まったく、ソーマの事を分かっていない。

 

「しょうがないだろ、コウタ……ソーマはボッチでこういうのは恥ずかしいからな」

 

「あ、そっか!」

 

「だろ?」

 

「お前ら本気で潰すぞ!」

 

 

「さっさと行くぞ……」

 

「「………はい」」

 

ソーマの左ストレートをくらった頬を擦りながらコンゴウ堕天種を探す。最近殴られてばかりだな………

 

「俺、力加減って大切だと思うんだよな………」

 

コウタが若干目に涙を溜めながら辺りを警戒している。

 

「そうだな…………」

 

まあ……怪我しないくらいの加減はできてるみたいだが凄く痛い。

 

「おい……黙れ」

 

ソーマが急に足を止めて神機を構える。コンゴウを発見したらしいがよくわからない。

 

「…………いるな……」

 

目を凝らしながらよく前方を見てみると餌を食べているコンゴウ堕天種がいた。白くて分かりにくいんだよ。

 

「コウタ……当てれるか?」

 

神機をGEケーキに変えてコンゴウ堕天種に銃口を向ける。ここから弾丸を当てるのは普通のゴッドイーターでもこの距離から当てるのは難しい。それを見つけたソーマの視力は凄まじいな……

 

「モチロン!いけるぜ!」

 

ここから当てれるのか……いつの間にやら頼もしくなったな。

 

「よし……いくぞ…………」

 

『ドンドンドン!!!』

 

二つの銃口が火を吹くと同時に、一直線に弾丸が空を切る。

 

「ギギィ!!?」

 

弾丸は全てコンゴウに直撃した……が、流石堕天種だ。皮膚が堅くてダメージがあまり通らない。

 

「ソーマ、近づいて一気に叩くぞ」

 

「チッ……わかってる!!」

 

神機をGEチョコに変えてコンゴウの元へ駆け抜ける。コンゴウも近づいてくる俺達を迎え撃とうと氷弾を放つ。

 

しかし、この距離で狙いを定めることもできず、俺達を外して後ろの地面の雪を舞い散らすだけだった。そんな牽制程度の攻撃で俺達の足は止まらない。

 

とうとう刃が届く範囲まで近づく。コンゴウは俺達に距離をとらせようと左腕を横に薙ぐ。それを俺はかがんで回避し、ソーマはコンゴウ以上の高さまで跳んで回避する。

 

「おお!!」

 

「フッ!!」

 

俺は神機を振り上げて右腕を斬り飛ばし、ソーマは神機を落下の重力に任せて振り降ろし左腕を斬り落とす。

 

『ギュガアァアア!!?』

 

切り口から血を噴き出しながら後ろに倒れようとする。だがそれで終わるはずがない。まだコウタの追撃がある。

 

「いいぞ!コウタ!」

 

「狙い撃つぜ!!」

 

『ドォンドォンドン!!』

 

「「!!?」」

 

なんだ………寒気が!?いま何かを敵に回した気がする………?が、わけの解らない掛け声とは裏腹にしっかりと弾丸がコンゴウに直撃する。まあ、当てればそれで良いんだが………

 

銃撃のダメージでうつ伏せに倒れ、起き上がる体力すらも削られたコンゴウ。その首筋に俺とソーマで神機を突き刺す。

 

「ギュ………ガアァ…………!!」

 

コンゴウが力尽きたのを確認して神機を引き抜く。

 

「ふー………今日も生き残れたな!」

 

「そうだな。さて……捕食するか」

 

神機をプレデターフォルムにしてコンゴウ堕天種を捕食する。

 

「コンゴウ堕天種か……はじめて捕食したな」

 

「ふーん、そうなんだ」

 

「………神機の味が気になるな」

 

「…………は?」

 

捕食し終えたので、神機をGEチョコに変えパキリッ!と手でとる。さて………どんな味がするのやら。

 

「………(モグモグモグモグ)」

 

「なあ、どうなんだ!?」

 

こ、これは!!

 

「ホワイトチョコの味がするッ!」

 

「白いからか!?」

 

意外な新事実に気づくことができ…………ん、ソーマはどこいった?

 

 

 

 

 

ーー鎮魂の寺院(院内)

 

Sideソーマ

 

「誰だ……姿を見せろ!!」

 

前から俺にまとわりつく奴がいるのは気づいていた。尻尾を掴ませなかったがそれも今日で終わりだ。

 

「そこにいるのは分かってる……!」

 

周りを見渡すが未だに姿を見せない。

 

『…………ガシャッ』

 

反応した!後ろか!!

 

「ちょ!ちょっと待った!!オレだって!!」

 

…………チッ、こいつらだったか。向けていた神機を降ろす。

 

「なんだ………」

 

「なんだじゃねーよ!帰投時間が過ぎても戻ってこないから探しに来たんだぞ!」

 

もうそんな時間だったか。今回も見つける事ができなかった………クソ!

 

「余計なお世話だ……オレはオレの好きにさせてもらう」

 

「誰かを………探していたのか?」

 

アマトか……こいつも何かの視線に気づいているのか………?そういえば神機を狙う視線を感じるって言ってたな。

 

「え?どういうこと?」

 

分かってないのはこいつだけか……

 

「お前らには関係無い。さっさとアナグラに戻れ」

 

そう、コイツらには関係無い………

 

「何だよソレ!!帰れないのはお前のせいなんだぞ!!」

 

煩い………!俺と、化け物なんかと関わるな!

 

「二度は言わない、消えろ………!」

 

「………ッ!!好きにしろよ!俺は先に帰るからな!!」

 

そうだ、それで良い。オレに関わる奴は全員死んじまうからな………

 

「お前もさっさと戻れ」

 

あと残ってるのはアマトだけだ。

 

「その前に、ソーマ……これ持っとけ。腹が減ってたら出てくるかもしれない」

 

アマトが自分の神機を手で掴み、パキッ!と取って俺に渡す。コイツは本当に何がしたいんだ…………!

 

「ホワイトチョコ味だぞ」

 

「…………は?」




諸君は桐永アマトを画像で見たいか…………?
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