スイーツイーター ~お菓子の神機使い~   作:フロンサワー

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スペシャルデザート五品目 仁義なき、ロワイヤル

 

『第一回!! アナグラ対向、バトルロワイヤーーーール!!! 実況は私、竹田ヒバリがお送りします!』

『解説は私、ペイラー・サカキと』

『楠リッカがお送りしまーす』

 

 割れんばかりの拍手と歓声。

 サカキ博士の思い付きで開催された、アナグラ対向バトルロワイヤル。

 正方形の足場の周りには、青い水で満たされている。因みに、肩まで浸かるほど深い。

 何処にこんな場所があるかって? 細かいことはきにするな。

 

『ルールは簡単! 頭の紙風船を割るか、リング外へ押し出せば失格となります!! 勿論、ハンマー以外の攻撃と凶器の使用は禁止です!!』

 

 頭の上には紙風船がつけられている。これを、手持ちのピコピコハンマーで割れば、割られた人間は失格だ。

 なんでこんな酔狂な物に参加してるかというと、勝った暁には賞金の10,000FCをゲットできるからだ。頑張るぜ。

 

『全国甘党代表!! スイーツイーターと言えばこの男!! 桐永アマト選手でーす!!』

「甘党の皆、応援してくれ」

 

 ヒバリさんの実況が入る。なんか、プロレスみたいだな。

 

『ロシアからやって来たツンデレ戦士! アリサ・イリーニチナ・アミエーラ選手でーす!!』

「ちょっ!? 何ですかその説明!」

『いや…… 原稿を書いたのはサカキ博士ですので……』

『的を射てるだろ?』

「ドン引きです!!」

 

 ヒバリさんの隣にいるサカキ博士が、どや顔でサムズアップする。まあ、的を射てるのは認めよう。

 

『孤独な一匹狼もどき!! 肌の黒さは日焼けじゃない! ソーマ・シックザール選手でーす!』

「サカキぶっ殺す……!」

 

 おおう……。

 ソーマの目に本気の殺意が滲んでいる。

 

『バガラリーの意思を継ぐ者! 子供たちのヒーローとなれるか!? 藤木コウタ選手でーす!』

「よっしゃ! 頑張るぜ!!」

 

 何でイサムの衣装なん? 水に落ちたらダメになるかもしれないんだぞ。

 

『新婚ホヤホヤの旦那さん! 尻に敷かれるのは何時なのか!? 雨宮リンドウ選手でーす!!』

「ハハハ…… マジで何時なんだろうな……」

 

 うわ、目が死んでる。さては、既に心当たりがあるな。

 

『雨宮家を支えるしっかり者! かかあ天下もすぐそこだ! 橘サクヤ選手でーす!』

「あらあら、かかあ天下なんてそんな……」

 

 白々しい!

 

『目指すは二つの結婚指環! ストーカースレスレ隊長! 大森タツミ選手でーす!』

「ストーカーじゃねえ!!」

 

 なんか博士…… 腹黒くね? いつもより三割増しで心を抉ってるんだが。

 

『堅物! ブレンダン・バーデル選手でーす!!』

「おい! 俺だけ雑じゃないか!? おい!!」

 

 これは酷い。書くことがないからってあんまりだろ。

 

『皆の恐怖の対象!! 誤射王国から君臨なさった! 誤射姫こと、台場カノン選手でーす!!』

「誤射しないよう頑張ります!」

 

 カノンさん。この場じゃ誤射のしようがないんですけど。

 

『ヤンチャ坊主よ、大志を抱け!! 小川シュン選手でーす!!』

「俺はガキじゃねえぞ!!」

 

 うん。的を射てるな。

 

『所詮この世は金と知恵! カレル・シュナイダー選手でーす!!』

「あとは見た目な」

 

 ちょ…… テンション下がるわ!

 

『ボンボン生まれの御曹子! 妹に華麗な所を見せれるか!? エリック・デア・フォーゲルヴァイデ選手でーす!!』

「フフン、華麗に決めてやるさ!!」

 

 シスコんを治さない限り、妹の評価はどうやっても上がらないと思うんだけども。

 

『謎に包まれたクールビューティー!! 胸はなんとかならないのか!? ジーナ・ディキンソン選手でーす!!』

「……博士。カノンみたいに誤射したらご免なさいね」

 

 わー、黒いオーラが湧き出てるぞー

 

『防御を固める草食系男子! それじゃあ彼女ができないぞ!! フェデリコ・カルーゾ選手でーす!!』

「……………………カハッ!!!??」

 

 血を吐いた!? 早速、一人リタイアしそうなんですけど!!

 

『全てを粉砕する馬鹿力! スイーツイーターの骨をも砕いた若き女傑!! アネット・ケーニッヒ選手でーす!!』

「あ、あれは唯の事故ですよ!!」

 

 …………脇腹が、疼くな。

 

『神に仕えるなんちゃって神父! マトモに試合をしてくれるのか!? グレイ・ヴァンガード神父でーす!』

「ブラックゾーンさえ触れなきゃいいですよね! 頑張ります」

 

 反則する気マンマンだな!?

 

『以上で選手の紹介は終わりです。これから、熾烈な戦いの幕を開けます! 試合のゴングが……』

 

 コーーーーン!

 

『鳴り響いた!!』

 

 一斉にピコピコハンマーを構える。

 しかし、誰も動かない。いや、動けないと言った方が正しいか。もしも下手に隙を見せたら、集団で潰しにかかられるからな。

 担架に運ばれたフェデリコは見なかったことにしよう。

 

「すみません。誰か手を組みませんか? まあ、所詮? 二人になるまでの仮初めの同盟ですけどね!!」

「「「信用できないです」」」←全員

「なんと」

 

 いつ裏切るか分かったもんじゃない。それこそ、序盤から裏切るか事さえあり得る。爆弾抱えながら戦うようなもんだ。

 つーか、グレイさん。驚いた顔してるけど、当然の成り行きだからな。

 

「アマトーー!! がんばれーー!!!」

 

 お、エリナからの声援だ。でもな、幾らシスコンの兄でも、そっちを応援してやった方が……

 

「アマト君覚悟!!」

「のわっ!?」

 

 エリックめ、躊躇なく攻撃してきやがった。

 予想外の攻撃だったが、思いっきりその場から飛び退いて何とか避けることができた。

 バランスを崩したエリック。案の定、みんなに囲まれて袋叩きにされている。ピコピコピコピコうるさいな。

 

「うわっ!? ちょ、痛い!! やめっ………」ピコッ☆ ピコッ☆ ピコッ☆ ピコッ☆

 

 暫くして皆が離れていく。残ったのは、うつ伏せたまま紙風船を割られたエリックだけだった。気を失ってるな、あれ。

 沢山のたんこぶができてるが、当たり処が悪かったのだろうか?

 あれだな。華麗なんて幻想だったな。

 

「へへ、先ずは『ピコン!』…………は?」

 

 あ、ありのままに起こったことを今話すぜ……!

 ニヤニヤしていたシュンさんの頭に、ピコピコハンマーが飛んできた。美しい軌道を描いたピコピコハンマーは、シュンさんの頭にある紙風船を的確に叩き割った。

 ハンマーの飛んできた方向を見ると……

 

「誰も、脱落した人のハンマーを使っちゃいけないと言ってませんよね?」

 

 グレイ神父ェ……

 いい笑顔を浮かべてますね。

 

『これはルール的に有りなのでしょうか!?』

『うーん…… 面白いからありで!』

「ちくしょうなんでだーーーー!!!」

 

 哀れシュンさん。そういや、一番の被害者は地味にシュンさんだった気がする。

 

「馬鹿め。油断するからだ」

「あっ!?」

 

 ルール違反ではないと知るやいなや、カレルさんはシュンさんのピコピコハンマーをぶん取って投げやがった!!

 この方向…… 狙いはアネットか!!

 

「ひゃあ!?」ヒュン!!

『バゴーーーーン!!!』ピコッ☆

「「「 」」」←全員

 

 あ、ありのままに(ry

 カレルさんが投げたピコピコハンマーがアネットに飛んでいった。それに反応したアネットが自分のピコピコハンマーを降り下ろしたら……

 

「粉々になった……だと!?」

 

 見事に、粉砕。それっぽい破片が風に吹かれて飛んでいった。因みに、地面も陥没してる有り様です。

 うん、笑えないわ。そういや、アネットの神機ってハンマーだったな。本職だから威力が並外れてるのか?

 いやその前に、あれってピコピコハンマーなんだろ? 普通に兵器として通用するじゃん……!

 

「ピコピコハンマーの威力じゃないよな!!?」

 

 誰もが固まって動けない中、ブレンダンさんが皆の気持ちを代弁した。お疲れ様です。

 その言葉で我に返った俺たちは、バトルロワイヤルだというのに奇しくも同じ気持ちだった。

 

「総員、死にたくなかったらアネットを狙え!!!」

「「「了解!!!」」」←全員

「ええーー!!??」

 

 リンドウさんのガチ指令に全員が従った。ピコピコハンマーを構えてアネットへと突撃する。

 そりゃそうだ。誰だって死にたくないもの。

 

「ち、違いますよ!? 咄嗟に手がでただけなんです!!」

「余計怖いわ!!」ピコッ☆

「きゃっ!?」

「よくやったアマト!!」

 

 スパーーン! と、頭の紙風船を割ってやった。

 よかった。これで俺たちの命は保証された。こんな悪ふざけ行事で命を懸けるなんてやってられるか!!

 

「ううー…… 新しい洋服、買いたかったのになー……」

 

 アネットが退場した。これからは、アイツの半径二メートルに立ち入るときは気を付けよう。

 

『そういえば、随分と丈夫なピコピコハンマーですね』

『そうだね。リッカ君と私が手掛けた自信作だから、そう簡単に壊れないよ』

『うんうん。作製にとっても苦労したからね。しかも、安全面もしっかり気を遣ってるし』

『……アネット選手はそれを粉々に砕きましたが?』

『……うん。相当な馬鹿力としか言いようがないかな』

 

 ……新型コワイヨー。あ、俺も新型か。

 

『あーっと! そんな話をしてる間に、再び硬直状態に入りましたー!!』

 

 リングの端っこで、互いに睨みをきかせる。いや、カノンさんだけは相変わらずキョドってるな。

 さて、ここからどうするか……

 

「………コウタ君、アマト君。これ、見えますか?」

 

 グレイさんが話しかけてきた。さては、またなにか卑怯な手を………

 

「「…………!?」」

 

 ば、馬鹿な!! グレイ神父…… 何故あんたがそんなものを……!!

 

「バガラリー超特別レアフィギュア……!!??」

「今は無き伝説のお菓子…… きこりの切●株!!!??」

 

 アラガミのいない、遥か昔に繰り広げられた、決して終焉を迎えることはない不毛な争い『キノコタケノコ戦争』の第三勢力……

 決して表舞台には立たず中立を保ち、幻とさえ言われたあの『きこ●の切り株』なのか!?

 まさか、この時代に御目にかかれるなんて。一度食ってみたかったんだよ! グレイ神父は何処から仕入れたんだ!?

 

「そら!! 神からの餞別です!!!」

 

 切り株と、バガラリーが宙を舞う。そのまま、俺たちの頭の上を通りすぎていった。

 ピコピコハンマーを放り投げ、勢いよく地面を蹴った。

 

「「そぉい!!!」」

『あーっと! アマト選手、コウタ選手! 本能に抗えずに場外に押し出されたーーー!!』

 

 バシャーーンッ!! と、全身が水に叩きつけられる。

 賞金を逃してしまったが、後悔はない。この『き●りの切り株』を手にいれる為なら、脱落するなんて訳無い―――

 

「…………パチモンだこれ」

「…………中身がない」

 

 

 

 

★☆★☆★☆

 

 

 

 

 どうも。皆のイケメン外道神父、グレイ・ヴァンガードです。

 今、私はある計画の為に数多の強者とバトルロワイヤる試練を受けています。

 この計画の為なら、手段を選びません。要は、ブラックゾーンにさえ触れなきゃいいんです。何としても、賞金を手に入れなくては……

 

「「グレイの野郎……!!!」」

 

 観客席からアマト君とコウタ君が怨念の籠った目で私を見てきますが、何故なのでしょうか(笑)

 うーん、別に嘘などついていないのに……

 

「「アマトさん、仇は私が取ります……」」

 

 アリサさんとカノンさんがほぼ同時にそう呟きました。コウタ君の仇は取ってあげないんですね。

 次の瞬間、二人の間の空気が何とも言えぬ重々しいものへと変わりました。

 

「いやいや、アマトさんの仇は同じ第一班の私が取りますから、カノンさんは黙っててください」

「え……? でも、アマトさんと一番仲が良いのは私ですから……」

「「……」」

 

 二人とも急に黙ったと思ったら、手と手を合わせて取っ組み合いを始めました。ハンマーの存在忘れてますよー

 

「ぐぅ…… この………!」ギギギ…

「叩き落としてあげる……!!」ギギギ…

「「きゃあ!!??」」ドボーン!!

 

 あ、落ちましたね。まったく、人間の業とは罪深いものです。

 そうだ。後でアマト君に辛子入りクッキーを差し入れしてあげましょう。少しは、世にいるモテない男の苦しみを味わえばいいのです。

 

 

『これは急展開! カノン選手とアリサ選手も場外で脱落です!!』

 

 さてさて…… 私も含めてあと七人ですか。何か一掃できる手は……

 

『おや? グレイ神父が脱落者のピコピコハンマーを集め始めましたね』

『他の選手も様子を見てるね。まあ、彼じゃあ迂闊に手を出せないからね』

 

 ふむ。合わせて六本ですか。丁度良いですね。

 

『指と指の間に差し込んだ……? 何をするつもりなのでしょうか!?』

 

 それはですね…… こうするのですよッ!!

 

「amen(エ"ェェイ"ィメン"ッッ!)!!!!」

 

 腹の底から決まり文句を思いっきり叫びました。やっぱ、雰囲気が大事です。

 両腕をクロスさせ、勢いよく広げます。同時に、指に込めた力も緩めます。

 指に挟んだピコピコハンマーが、某神父の放つ銃剣の如く飛んでいきます。まさしく、銃ピコピコハンマー。

 本家には遠く及びませんが、初めての実戦(?)にしては及第点ですかね。練習した甲斐がありました。

 

「何singだよそれ!?」

「タツミ、殆ど言ってるぞ!!」

 

 流石は極東支部の隊員と言ったところでしょうか。近接の得物の扱いに長けている三人は、飛来するピコピコハンマーを難なく叩き落としました。因みに、リンドウ君は狙っていません。どうせ防がれるのが目に見えてますから。

 しかし、遠距離式の神機使い達にその動きは酷だったようです。頭の紙風船は小気味良い音を響かせて弾けました。

 

「あらあら、割られちゃったわね。貴方、どのくらいその技を練習したの?」

 

 うーん………そうですねぇ。いつ頃から練習してましたっけ。

 

「二年前からですよ、グレイ神父」

 

 そ、その声は!?

 

「よく神への祈祷を忘れて、子供みたいに練習に励んでましたよ…… ね?」

 

 観客席の最前線で、姿勢正しく座っているシスター・エクレアがいました。やべえ、まったく気がつかなかった……

 まさか、今回も帰ったら懺悔室で…… いや、今日はそこまで外道してない筈です! 神はまだ、私を見捨てていない! 多分!!

 

「おいおい…… ちゃんと仕事してんのかよ……」

「無論です」

 

 そりゃあ、やってますよ。

 血の滲むような鍛練の後、しっかりと神への祈りを捧げています。

 

「ごめんなさい、リンドウ。私、負けちゃったわ………」

「気にすんなよ、サクヤ。グレイさんは俺がぶっ倒す。たまには良いとこ見せねぇと、亭主の名が泣いちまうからな」キリッ!

「リンドウ……」ウットリ…

 

 なんか向こうでは勝手にいちゃついてますねー。まあ、新婚なんてこんなもんでしょう。

 

「………ッチ!!!!!!!!」

 

 邪気!!?

 客席の方から、禍々しいまでのオーラが……

 本部で悪魔払いをした時以来の感覚です。うう…… 寒気が。

 

『さあ、グレイ神父の妙技が冴え渡り、残る人数は四人となってしまいました!!』

『グレイの野郎にはとっとと脱落してほしいです』

『だっつらく!! だっつらく!!』

『あ…… 勝手にマイクを取らないでよ!』

 

 アマト君とコウタ君がリッカさんからマイクを奪って好き放題に色々と言ってました。

 脱落とは面白ですね。本部の教会に帰ったら、彼らに神罰が下るように祈っておきましょう。

 

『しかし、グレイ神父は手持ちのハンマーを全て投擲してしまった!! これは万事休すかあ!!??』

 

 ああ、そういえば。道理で手元が寂しいと思いました。

 

「チャンス!! ヒバリちゃん! 待ってろよ~~~~!!!!」

 

 タツミ君が突っ込んで来ました。実に欲望を晒け出してますね。

 しかし、得物がないだけでピンチとは、甘く見られたものです。

 

「ピコピコハンマー白羽取り!!」

「なあっ!!!??」

 

 ピコピコハンマーの黄色い柄を、両手でしっかりと挟みました。紙風船は割られることなく、ゆらゆらと風に吹かれています。

 紙風船だけを狙うのならば、太刀筋はいとも簡単に読みきれます。白羽取り程度なら、苦にもなりません。

 

「好きだーー!! ヒバリーーーー!!!」

 

 ピコピコハンマーを奪い取り、タツミ君の紙風船へと叩き込みました。散り際の魂の咆哮が響きます。

 

『あーっと!! あちらでも動きがありました!!』

『タツミさんはスルーなの?』

 

 しかし、当のヒバリさんは華麗なスルー。残酷な限りです。

 

「む、無念…………」

 

 目線を移すと、ブレンダン君の紙風船が割られていました。

 さて、一番厄介なのが動き出しましたか。それにしても、まさかあの二人が徒党を組むとは思いませんでしたよ。

 

「……ッチ。何でテメェと」

「そう言うなって。あの神父を何とかしねえと勝ち目ないだろ?」

「…………ふん」

 

 二人がピコピコハンマーを構えます。その姿からは、幾多もの修羅場を潜り抜けた力量を伺わせます。

 それに合わせて、私もピコピコハンマーを構えました。

 死神と極東支部エースが相手ですか。相手にとって不足はありません。来なさい。ベテランの力を見せて差し上げましょう!!

 

「………そう思ってた時期が、私にもありました」

 

 気がつけば、コーナーの角に追い詰められていました。リンドウ君とソーマ君の身体能力が予想以上でした。一人一人なら兎も角、二人で来られたらどうしようもないです。

 大体、同盟を組んで個人を狙うなんて外道ですよ、外道!

 

「「終わりだ、外道神父!」」

 

 ソーマ君のピコピコハンマーと、リンドウ君のピコピコハンマーが襲ってきたッ!!

 しかし、頭部にある紙風船が狙いなら、太刀筋を読むことなど容易いッ!!

 

「あ」

 

 でも、足場がありませんでした。体が水場へと倒れ込んでいきます。

 ソーマ君とリンドウ君のしてやったり顔を視界に捉えました。このままでは、終われない…… このままでは!

 

「………道連れじゃああああああああ!!!!」

「「は?」」

 

 二人の腕を掴んでやりました。死なば諸ともです。そのまま、三人分の水飛沫が派手に飛び散りました。

 

『あーっと、道連れです!! 三人とも脱落してしまいました!! この場合、賞金はどうなるのでしょうか!?』

『うーん…… まあ、金額が金額だし、任務の報酬に回していいんじゃないかな?』

『わかりました!』

 

 

 

 ―――こうして、不毛すぎる戦いは幕を閉じたのであった。

 

 

 

 





もう収集がつかないという。
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