スイーツイーター ~お菓子の神機使い~   作:フロンサワー

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 信じらんねぇ…… ほぼ1日で仕上げちまった。
 これは確実にバーストモードですね。


六十一品目 怠け者と、ロミオ先輩

 極東支部にアリサさんも加わり、任務は更に楽になった。

 ぱねぇよ、アリサさん。あんな立ち回り、努力を重ねたエリートにしか許されない。

 昔はコウタさんと同じ部隊だったらしく、コウタさんとの連携も半端なかった。大抵の相手ならあの2人でぶっ殺せるのでは?

 今のアリサさんが所属している部隊は、クレイドルという独立支援部隊らしい。隊長のアマト先輩に代わって、色々と仕事やら勉強をしているとか。

 そもそも、アマト先輩はお菓子を作るかアラガミをぶっ殺すしか能が無いらしい。自分がしっかりしないと、とアリサさんが張り切っていた。苦労人だなぁ……。

 いつも通り任務をこなし、時々アリサさんの任務を手伝い、全ては順風満帆に進んでいる筈だった。

 僕、ロミオ先輩、ナナ、ギルさんの四人は任務を終え、極東支部の廊下を歩いている。だけど、ロミオ先輩以外の表情は暗い。

 

「いや〜、余裕余裕! 俺らブラッドに敵うアラガミなんて、全世界を探したっていないな!!」

「先輩…… なんか、無理してない?」

「ぜ〜んぜん!」

 

 ロミオ先輩はそう言うが、今回の任務は酷いもんだった。

 原因はロミオ先輩だ。アイテムやら何やらを駆使して戦うロミオ先輩は跡形もなく、ゴリ押しでアラガミに特攻していた。

 正直言って、かなり任務の障害になっている。ロミオ先輩の支援が無いから尚更だ。

 

「寝言は寝て言え……。さっきのミッション、全然なってねえぞ」

 

 苛立ちMAXのギルさんがロミオ先輩を睨みつける。恐いっ!

 だけど、ロミオ先輩は無理矢理な笑顔を崩さなかった。

 

「固いこと言うなよ〜、ギルちゃん。頼れる後輩もいるし、な? もっと余裕を持ちなさいよ」

 

 ブチリ、とギルさんの血管が切れた。

 

「後輩に抜かれまくってやる気を無くしたか? だったらいっそ、やめちまえ!!」

 

 僕は常時ヤル気が無いですけど。

 というか、神機使いやめれるの? やめれるもんなら、今すぐにでも―――

 

「やる気がないだと……?」

 

 ポツリ、とロミオ先輩が呟いた。

 本当にいつもと様子が違う。ロミオ先輩のこんなに冷たい声、初めて聞いた……。

 

「取り消せ…… 取り消せよ!」

「何言って…… がぁ!!??」

 

 ロミオ先輩の拳がギルさんの頬を捉えた。不意を突かれたのか、そのまま地面に倒れこんだ。

 どどど、どうしよう!!?? いくら副隊長( )の僕でも、この状況は何とかしないとマズイでしょ!!??

 

「ナナナナナナナナ、どうしよよよよよ」

「レイジ、一旦深呼吸しよう!」

 

 床に倒れたギルさんを見下ろしながら、ロミオ先輩は口を開いた。

 

「お前に分かるかよ! あってない様な自分にしかできない事を探す俺の気持ちなんか!! 俺には、お前やシエルのように経験はない……。ナナみたいに開き直れる大物でもない……。ましてや、ジュリウスみたいに化物みたいな強さもない!!」

 

 ……あれ!? ちょっ、僕がいないんですけど!!

 

「ロミオ先輩、僕は!?」

「あっ、レ、レイジ……? えっと、あの……………………… ほら、あれだ………………………………………………………… あっ、囮―――」

「ゔぅん!! 血の力……… ゔぅん!! 最初に目覚め………ゔぅん!!!」

「そ、そうそう!! 血の力に最初に目覚めじゃん!!」

 

 ロミオ先輩が慌てて言う。僕がヒント出してなきゃ忘れたままだったんじゃね? 囮って言いかけたし。

 まあ、正直? 僕の血の力はあまりパッとしないですけどね。戦場じゃ完全に空気だし。周りに血の力を目覚めさせると言われても、皆は自力で目覚めさせそうだし。所詮、遅いか早いかの違いなんだよなぁ……。

 

「ロミオ先輩はまだいいよ〜……。だってさ、私の血の力なんて女神ちゃんより下なんだよ? まだまだどんな能力か分からないロミオ先輩の方が希望があると思うんだけどなあはははははは!!」

「うぅ………」

 

 ロミオ先輩がたじろぐ。ぶっちゃけ、ロミオ先輩はそんなに焦る必要は無いと思うんだけど。

 

「極東支部の皆さんだって、戦場で周りに気配りができる奴だって褒めていましたよ? そんな、自分が役立たずみたいな言い方……」

 

 僕の言葉の途中で、ロミオ先輩はどこかへ走り去ってしまった。

 引き止められなかった、か。副隊長は辛いよ……。

 

 

 

 

★☆★☆★☆★

 

 

 

 

 僕は今、サテライト拠点周辺に出没したアラガミをぶっ殺すため、ヘリに乗っている。メンバーは僕、ギルさん、ナナの3人だ。

 いつもならいる筈のロミオ先輩の席を見て、自然とため息が出た。

 ロミオ先輩が極東支部を飛び出してから随分と数日がたった。ロミオ先輩、神機すら持っていないんだよなぁ。しかも、赤い雨だってザーザー降りだったし。ホント、無事ならいいけど……。

 一応、ギルさんが休暇届を出しておいた。だけど、休暇が終わったらもう誤魔化しきれないぞ。

 正直、ロミオ先輩がいないとブラッドが暗い。ナナが更に明るく振舞っているけど、やっぱりロミオ先輩の抜けた穴は埋められない。

 ジュリウスさんに事の経緯を連絡すると、凄く心配してた。

 なんやかんや言って、あの2人が一番付き合いが長いからなぁ。ロミオ先輩、周りとジュリウスさんの間に確執ができないよう、色々と頑張ってたみたいだし。ロミオ先輩のフォロー力は、その当時に培われていたのかも……。

 

「レイジ、ぼーっとしてんな!」

「スンマセン!!」

『コワイヨー……』

 

 ギルさんに怒られてしまった。

 ロミオ先輩、どこにいるんだ。この近くにいればいいんだけど。

 

「……ん? あれ、ロミオ先輩!!?」

 

 ナナがそう叫んだ。

 僕とギルさんは、慌ててヘリの下に目を向けた。

 そこには、必死で手を振るロミオ先輩の姿があった。パイロットのおじさんに頼み、ヘリを地面に降ろさせてもらった。

 

「ロミオ先輩……」

 

 ロミオ先輩の表情に迷いはなく、むしろ吹っ切れたような表情だった。

 

「心配かけて、ごめん……。自分勝手なのは分かってるけどさ、もう一度ブラッドにいさせてくれないか…… いや、いさせてください! お願いします!!」

 

 ロミオ先輩が頭を下げる。いさせて下さいも何も、ロミオ先輩がブラッドに長くいたのに……。

 

「馬鹿言ってねえで、さっさと行くぞ」

「え?」

「ロミオ先輩の神機、いつもヘリに積み込んでましたから。今まで休んだ分、バリバリ頼っちゃいますよ」

「そーゆーこと! ロミオ先輩が帰ってくるの、皆待ってるよ!」

『アエテウレシイ! アエテウレシイ!!』

 

 ロミオ先輩の目には、涙が溜まっていた。

 

「ありがとう、みんな……!」

 

 

 

 

★☆★☆★☆

 

 

 

 

 討伐対象はガルム一匹とその他大勢だったけど、今の僕らの敵ではなかった。

 ロミオ先輩が覚醒したおかげである。絶妙なポイントにトラップを設置したり、誰かが躱し切れない攻撃が来そうになったらスタングレネードを投げたり、それはもう凄かった。

 滞りなくアラガミを討伐し終え、どうにかひと段落した。

 

「どうしよ……。俺、黙って抜け出しちゃったよ……」

 

 ロミオ先輩が頭を抱えていた。まあ、その辺なら問題ない。ねえ、ギルさん?

 

「休暇届を出しておいた。これで貸し一つだ」

 

 ギルさんはロミオの頭にコツンと拳を当てた。

 

「良い動きだった。この調子で頼むぞ」

「そうっすね。まさにあれだ、フォローの鬼だ」

『オーガ、オーガ!』

「えっ、えぇ〜………」

 

 めちゃくちゃ嫌そうな顔をされた。いいじゃん、フォローの鬼! カッコイイじゃん!!

 

「そういえばさ、ロミオ先輩ってどこにいたの?」

「ん? ああ、外で暮らしてた爺ちゃんと婆ちゃんに泊めてもらってたんだ。皆にも後で紹介するよ」

「いいですね! なんなら明日にでも行きましょう、仕事を忘れて!」

「お前は休みたいだけだろ!」

 

 

 

 

 




 僕が一番書きたい話でした。レイジは女神三姉妹がいてこそです。本人の能力はパッとしないです。流石は雑草。
 あと、ロミオ先輩が初期段階でしっかりしてるのは、100%レイジが副隊長(笑)なのが原因です。しっかりするのを強いられてるんだ!

〜ブラッドの一コマ〜

レイジ「えっと、討伐対象のアラガミは…… えっと、ロミオ先輩ヘルプ!」
レイジ「無理無理この数は無理ロミオ先輩ヘルプ!」
レイジ「ゴキブリだぁぁぁぁ!!!?? ロミオ先輩ヘルプ!」
レイジ「皆とはぐれた……… ここどこだよ!! ロミオ先輩ヘルプ!」
レイジ「報告書が終わらない…… ロミオ先輩ヘルプ!」

 感想、バンバンくれたってええんよ?

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