お待たせしました。
来た、遂に来た!!!! 極東支部に着任してから、久し振りの休日だ!!!
長かった…… ここまで長かったよ! 今日だけは時間を気にせずゴロゴロできるぞ!! ロミオ先輩とコウタさんは任務に出掛けてるから、その間はずっとゲームしてよっと!!
スキップしながらアナグラの廊下を歩いていると、前方からヒバリさんが歩いてきた。
「おはようございます、ヒバリさん!」
「はい、おはようございます。そうだ、ラケル博士がお呼びでしたよ」
………………………………は?
★☆★☆★☆
「はぁ…… 何故極東支部に残ってるブラッドが貴方だけなのか不思議でなりません」
「……」
僕は今、ラケル博士の車椅子を押しながらアナグラの廊下を歩いている。向かうはサカキ博士の部屋だ。そこまで案内するためだけに僕が呼ばれたって訳だ。労働委員会に訴えるぞ。
サカキ博士にどんな用があるのか気になったけど、貴方に話すだけ時間の無駄ですって言われたから不明だ。
無言のままひたすら歩く。どうして休日だってのに、苦手な上司と一緒にいなきゃならないんだ……。
というか、さっきから溜め息連発で腹が立つんですけど。猛スピードで壁に激突させようかな。
本当にやろうかと悩んでいたら、いつの間にかサカキ博士の部屋の前に着いてた。
「ここでいいです。その薄汚れた手を離してください」
「薄汚っ!!??」
ラケル博士はとっととサカキ博士の部屋に入っていった。
もう嫌だ。女神三姉妹に癒されたい。
「ん? 見ない顔だな」
声がしたので振り向くと、肌が黒いお兄さんがいた。怖そう!!
「ブラッドの副隊長、無動レイジです!! 極東支部職員の皆様には重ね重ねお世話になっております!!」
とりあえず、全力で低姿勢だ!!
「……サカキ博士に用か?」
「いえ、電波お…… ラケル博士の付き添いであります!!」
「電波……?」
噂をすればなんとやら、ラケル博士が部屋から出てきた。
「貴方、シックザール前支部長の?」
「……ああ。あのバカ親父の息子、ソーマ・シックザールだ」
そこからよく分かんない話が続いたので、思考を停止した。月とか、壊れてるとか、訳わかんないです。ただ一つ言えるとしたら、2人とも冗談のセンスが欠片もないってことか。
気づいたら、ラケル博士はさっさとエレベーターまで進んでいた。僕は用無しですか、そうですか。
「お前はどことなく、俺のダチと同じ神機で苦労している雰囲気がする。頑張って強く生きろよ」
「ソーマさん!!!」
訂正、めっちゃ良い人だった。
★☆★☆★☆
ようやくラケル博士から解放されるかと思ったら、今度は手紙を届けろだそうだ。職権乱用で訴えるぞ、マジで。
送り主はクジョウ博士だ。内容が気になったけど、勝手に見たらクジョウ博士のプライバシーの侵害だしなあ……。
クジョウ博士がいるらしいフライアをウロウロしていると、そう時間もかからずにクジョウ博士と会えた。
「おや、レイジ君じゃないか!」
「久し振りです、クジョウ博士! 研究は順調ですか!?」
「勿論だよ!! 自律制御システムの完成まであと一歩なんだ!! 近いうちに、合同任務の話がくると思うよ!!」
「うおおおおお、マジですか!!! やったぜ!!!」
手放しで喜んでいる僕の傍ら、クジョウ博士は遠い目をしていた。どうしたんだ……?
「君みたいに喜んでくれる神機使いは他にいないよ……。みんな、自分の仕事が奪わらると思っているのか、否定的な目で私を見るんだ……」
「そ、そんな!? クジョウ博士は僕らの負担を減らそうとしてくれてるのに!! あんまりです!!」
「……いや、大丈夫だよレイジ君。君のように、たった1人でもこの研究に夢や希望を託している人がいれば、私は頑張れるんだ!」
「クジョウ博士……」
立派すぎて涙が出そうだ。
もうね、世界の偉人伝に載せるべきだと思うよクジョウ博士は。
「あっ、そうだ。ラケル博士から手紙を預かってるんですよ」
「ラララララララケル博士から!!??」
クジョウ博士はそれはもう嬉しそうに手紙を受け取った。おぅふ…… この反応はどう考えても……。
「……クジョウ博士、ラケル博士には気をつけてくださいよ? あの人、何を考えているか分かりませんし」
「心配しなくても大丈夫だよ! 彼女は優秀な科学者だからね!!」
う〜む、心配だ……。
★☆★☆★☆
程なくして、クジョウ博士の言った通り神機兵との合同任務がやってきた。しかも、正式だよ正式。任務内容はサテライト拠点の防衛だ。赤い雲が確認されているから、近寄るアラガミをぶっ殺せだそうだ。ちなみに、神機兵は避難民の誘導を中心に動くらしい。まあ、実戦って訳にもいかないよね。
一歩一歩、ゴッドイーターという呪われた職業から解放される日が近づいていると感じた。どんな暗闇でも希望はあるんだね!!
「よし、今日も気合い入れて頑張ろうヴァルキュリアちゃん!!」
『れいじ、ねつあるの!? おねんねしよう!!』
「はっはっは、風邪をひきたくてもひけないから大丈夫だよ!!」
襲いかかってくる小型アラガミを片っ端から殺しまくる。おら、こいや!! 今日の僕はテンションMAXだぞ!!
って、赤い雲だ!! こりゃまずい、さっさと退散だ!!
極東支部に向かって走っていると、完全に起動停止した神機兵をチラホラと見かけた。えっ、どったの!?
『どうしたのかなー? がんばってー! じんきへいくーん!!』
「」ピクン…
『おひるねしてるんじゃないの?』
極東支部に戻ると、ジュリウスさん、ギルさん、ロミオ先輩の3人がいた。
「レイジ、無事だったか!」
「ジュリウスさん! 神機兵が止まってたんですけど、どうしたんですか!?」
「原因は不明だ。だが、今はそれを考えている余裕はない。ロミオ、名簿の照合を急げ!!」
「いえっさー!!」
名簿をめくるロミオ先輩。しかし、その表情は次第に雲っていった。
「いない……。北の集落の人たち、爺ちゃんたちがいない!!」
「なんですと!?」
『たいへん!!』
あの優しかった爺ちゃんたちか!
間髪入れず、通信が入ってきた。
『誰か、誰か聞こえるか!?』
「聞こえてるぞ、どうした!!」
『増援を頼む! 白いアラガミが現れて…… あべしっ!?』
悲鳴と共に通信が途切れた。
白いアラガミ…… まさか……。
「あばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばば」
「ゴメン、みんな! 俺ちょっと行ってくる」
「ロミオ!」
ロミオ先輩は防護服を着て赤い雨の中を駆け抜けていった。
いくらあの時より強くなったとしても、1人であのわんわんおと闘うのは危険だ!
「2人ともここに残れ! 俺がいく」
ジュリウスさんも防護服を着て、ロミオ先輩の後を追った。
危険な目に遭わなきゃいいけど……。
レイジ「レイジwwwバーストwww! 僕が爆発すんのwwwねえ、僕が爆発すんのwww?」