スイーツイーター ~お菓子の神機使い~   作:フロンサワー

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エリナ、可愛いよエリナ
なぜ名前が裕福そうな少女なんだ?


七品目 単独任務と、裕福そうな少女

新人区間の自販機に、いつも飲んでいる『極甘ジュース』を右手にベンチに腰を掛けているアマトがいた。そんな彼に話しかける者が一人。

 

「よっ!アマト」

 

「よお、コウタ」

 

コウタである。最近ここに座っていれば高確率で会うのだが

 

「うまそうだなー、奢ってくれよー」

 

というのが目的だったりする。

 

「ん、『極甘ジュース』」

 

右手のジュースを差し出す。コウタはまだ個性的な味ということも知らなかったので

 

「おっ、サンキュー!」

 

一口だけ飲んだのだが

 

「ブフォア!!??」

 

あまりにも凶悪な甘さにジュースを全部ぶちまける。

 

「甘ッッッ!!」

 

ゴロゴロと床をのたうち回るコウタの傍ら、アマトが冷たい目で右手をつき出す。

 

「弁償」

 

コウタは金を渡すことしかできなかった。

 

自分の分とアマトの分、二本の缶ジュースを買ったコウタは、結局アマトと一緒にジュースを飲んでいた。

 

「知ってるか?また新型のヤツが来るんだってよ」

 

今アナグラでも一番の話題である、二人目の新型神機使いについてだった。

 

「あー、聞いた聞いた。ロシアから来るんだっけ」

 

「女の子が来るといいな!」

 

コウタが興奮しながら目を耀かす。それをアマトは呆れて見ていた。

 

「…………そればっかだな、コウタ」

 

しかし、コウタは心外そうに言葉を続ける。

 

「いやいやいや、実際ここの支部の美少女ばっかだろ?ずっと考えちゃうって!」

 

「そんなもんか?」

 

「そんなもんだって」

 

そんな他愛もないやり取りをしている中、アマトが腕時計に視線を向ける。

 

「つーか、お前今日の任務のこと聞いた?」

 

「ん?もうそんな時間か……アマト、一緒に行こうぜ」

 

「ああ、ボチボチ行くとするか」

 

そして二人はエレベーターに乗り込んだ。

 

暫く揺れてから、エレベーターの扉が開く。

 

「おーい!エリナ~~!!」

 

エントランスに着いたとたん、エリックの大声がそこら中に響いていた。

 

「どうした?エリック」

 

普段から華麗さを意識しているエリックとは思えない狼狽っぷりである。

 

「大変なんだ!エリナがいなくなったんだ!!」

 

「ああ…………あの妹の」

 

「エリックさんにも妹が居るんですか?」

 

同じ妹がいる身のコウタが話に食いつく。

 

「ああ~~!エリナ、どこにいったんだい!?」

 

とうとうorz状態になってしまった。周りの目がかなり冷たい。アマトの目もかなり冷たい。しかし、コウタだけは同情的な目だった。

 

「エリック先輩!」

 

コウタがエリックの肩を掴む。

 

「手伝いますよ!俺にも妹がいるからその気持ちは痛いほど分かります!」

 

「コウタ君……ありがとう!落ち込んでる場合じゃない!早く探そう!」

 

「はい!!」

 

まるで熱血ドラマのワンシーンのようだったが

 

「………シスコン共め」

 

アマトの心には響かなかったようである。

 

コウタとエリックは放っておき、受付嬢のヒバリに今回の任務を聞く。

 

「ヒバリさん、今日の任務は何ですか?」

 

「はい……アマトさんは……贖罪の町での単独任務ですね。ターゲットはシユウ一体です」

 

リンドウやソーマと一緒に何回か相手をしたお陰で行動パターンは大体覚えている。アマトに倒せない相手ではない。

 

「……分かりました」

 

そうだとしても、他の新人のゴッドイーターと比べると単独任務の依頼が断然早い。アマトのこれまでの戦闘が評価された結果だった。

 

「初めての単独任務ですよね。十分気を付けてください」

 

ヒバリが心配そうに声をかける。初の単独任務というものは誰でも緊張する。長年任務を受け渡すだけあり、そのような新人を何人も見てきた。例に漏れず、アマトの声も僅かに固いことにも気づいていた。

 

「はい、ありがとうございます」

 

『こんなことで緊張してられないな』と、更に強くなる覚悟を決めるアマトであった。

 

 

 

贖罪の町、他の場所と比べてもハイヴから最も近い場所である。

 

瓦礫が散乱し、廃墟が虚しく立ち並ぶ。その中をアマト一人が神機を構えながら歩いていた。

 

五感をフル稼働させ辺りを警戒しているのが分かる。

 

コンコンコン……

 

「!!」

 

音に反応し振り返る。

 

アマトの後ろに小石が転がっていた。何かいると確信するが、アラガミも気配を掴ませない。

 

(何処から来る……?)

 

神経を削り、最大限に周りを警戒する。

 

その時、肌で空気が歪む感覚を覚えた。

 

「!」

 

アマトが左側にステップして回避する。地面でエネルギー弾のようなものが直撃し、クレーターが出来る。

 

「クオォオァァ!!!」

 

上を見上げると廃墟のビルの頂上に、武人を彷彿させる格好で腕を組み、片足だけで立つシユウがいた。

 

「……そこか」

 

ガシャン!

 

板チョコの刀身から、GEケーキの銃身に変わる。

 

その様子を見て、シユウは動揺せずにゆっくり腕をとき

 

「((∩('~`)」

 

手のような大きな鋼鉄の翼と一緒に動かして挑発する。このシユウもアマトの神機を見て格下に感じたようだ。

 

アマトは無言で銃口を向ける。

 

「上等だ!墜ちろ!」

 

哀しい叫びと共に、GEケーキから何発もの銃弾が放たれる。

 

同時に、シユウは片足の膝を曲げビルから跳躍する。

 

銃弾がビルに直撃し音をたてて外装が崩れ落ちる。

 

飛び降りたシユウは落下と共に掌のような鋼鉄の翼を合わせ、エネルギー弾が作る。

 

「クキュア!!」

 

どんどん膨らんでいき、シユウの全長はある巨大なエネルギー弾が放たれるが

 

「させるか……!」

 

銃口をシユウから気弾に移す。ドンッと重厚な音が響き、銃弾が空を切る。

 

銃弾と気弾がぶつかり合い、衝撃波が生まれる。吹き飛ばされた外装のコンクリートの破片がアマトを襲う。

 

「っ………!」

 

ブレードフォルムに変形し、GEキャンディーを展開して破片を防ぐ。

 

粗方防ぎきったと判断したアマトは、素早く神機を構え直す。視線を前に向けると…

 

ストンッ

 

崩れたビルの一角に、シユウが片足のみで地面に着地する。

 

「アァアアアァ!」

 

雄叫びをあげたと同時にシユウが走り出す。地面が抉れる程の脚力だ。

 

「来い……!!」

 

巨大な鋼鉄の翼がアマトを切り裂こうと振り下ろされるが

 

「うおぉ!!」

 

それに応じて板チョコの刃を振り下ろし、シユウの翼と鍔迫り合う。

 

ガキィン!とGEチョコの刀身からは想像もつかない甲高い音が響き渡る。

 

アマトが強引にシユウの翼を吹き飛ばすが、片方の翼で再び切り裂き、またそれを防ぐ。という要領で二合、三合、四合と互いに斬り結ぶ。

 

しかし、ここで戦況が動き出す。

 

アマトはシユウの翼を神機で受け止めず体を捻り、紙一重で攻撃をかわす。

 

完全に虚をつかれた行動により、掌のような翼が地面を叩く。それによりシユウはバランスを崩す。

 

「砕けろ!」

 

地面に叩きつけられた翼に目掛け、振りかぶった神機をおもいっきり斬りつける。

 

バキィィィン!!

 

「キュアアア!!?」

 

シユウの翼の所々が金属のように粉々になり砕け散る。

 

深追いは危険と判断したアマトは既に後退している。その判断が功を奏した。

 

「ガアアァアァァ!!!」

 

シユウの体から蒸気のようなものが立ち昇り、体は赤く染まっていく。

 

怒りによる活性化である。

 

オラクル細胞の活性により、攻撃力、俊敏さ、防御力が数段跳ね上がる。

 

アマトは頬にある一筋の汗を拭う。『ここからが正念場だ』と気合いを入れ直す。

 

しかし、シユウは後ろに大きく飛び、掌のようなような翼を両方突きだす。

 

「まずッ!」

 

その一連の動作は最も厄介な攻撃のパターンだった。

 

シユウの両の掌に、サッカーボールと同じ大きさのエネルギー弾を作る。

 

同時にアマトは真横に走り出す。その直後に、エネルギー弾が地面を小さく抉った。

 

「くっそ!」

 

更に、それは一つだけではなく何発も放たれる。アマトが駆け抜けた後の地面は既に蜂の巣状態だった。

 

「!!」

 

アマトは直感的にシユウの方向を見る。そこにはスピードも威力も違う巨大なエネルギー弾がアマトに迫っていた。

 

ズゴオォォオン!!

 

大きな地響きと共に土埃が辺りに舞い散り、辺り一面が覆われた。シユウからの距離だとアマトの状態が分からない程である。

 

しかし、2つの弾丸が土埃を切り裂く。

 

避ける暇もなくシユウに着弾する。それと同時に弾丸が爆発する。

 

「ギュアアァア!?」

 

爆発の衝撃により鋼鉄の肉体を持つシユウも流石にのけぞる。

 

土埃が晴れた先には、GEケーキの神機を構えるアマトがいた。

 

無傷のアマトを見て、このままでは敗北することを悟ったシユウは、体力を回復させようと撤退を始める。

 

「逃がすか!」

 

追いかけながらもGEケーキから何発もの銃弾を放つが、どれもシユウの横を通り過ぎる。

 

シユウはビルの横を曲がり、視界から外れる。

 

「くそ……!」

 

神機をGEチョコの刃に変形させてシユウを追う。しかし

 

「キャアアアァ!!!」

 

本来有り得ない、有ってはならない悲鳴が響く。

 

(子供か!?)

 

間に合え……と願いつつ、全力で悲鳴がした場所へ駆け抜けた。

 

 

 

ただ命を懸けて戦っている兄、エリックの役に立ちたかった。

 

回収されていない前時代の遺物を持ち帰り、兄を喜ばせる。そのためにアラガミが出没する危険地帯に立ち寄ったのだ。

 

ある程度のリスクは覚悟していたはずだった。

 

「あ……ああ………」

 

轟音が鳴り響く。近くでゴッドイーターがアラガミと戦っているということだ。

 

突然の出来事に茫然と立ち尽くすことしかできなかった。

 

爆音が止み正気に戻る。

 

(に、逃げなきゃ!)

 

再び銃声と雄叫びが響き渡る。

 

しかし、逃げるには既に遅すぎた。ビルの角からシユウが現れる。

 

「キャアアアァ!!!」

 

アラガミが迫っている恐怖が足がすくませ、思うように動けない。その場に座り込んでしまう。

 

それを見たシユウが捕食しようと迫る。シユウの翼がエリナを狙い振り下ろされる。

 

エリナは涙を溜め、思わず目を瞑る。

 

ズシャアアァァア!!

 

何かが引き裂かれた音がしたがエリナに怪我はない。不思議に思いながら目を開けると

 

「嘘………」

 

「ガハッ………」

 

血を吐きながらエリナに向き合う少年がいた。自分のせいで傷つけてしまったという事実に衝撃を受ける。

 

「っ……目ぇ瞑れ!」

 

少年がコートの懐から何かを地面に投げつける。

 

「!?」

 

反射的に目を瞑る。キイィィィンと耳をつく甲高い音と共に、目を瞑っているにも関わらず視界が明るくなる程の光が炸裂する。

 

「ギュアァアア!?」

 

「スタングレネードだ……!」

 

その光をモロにくらったシユウは、大きな翼で顔を被う。

 

「逃げるぞ……!」

 

腰に手を回され抱えられる。

 

「キャア!?」

 

急に体を触られ、小さく悲鳴をあげる。

 

視力を回復したシユウの目に映ったものは、辺りに散らばる血溜まりのみだった。

 

 

 

とある廃屋のビル、アナグラに通信しているアマトと、壁に寄り掛かりながら座るエリナがいた。

 

「ヒバリさんですか?…………はい、救援要請です。一般人、というよりエリックの妹が……………はい、お願いします。」

 

ブツリッと通信を切る。

 

「お兄ちゃんを知ってるの?」

 

驚いた顔でアマトを見ている。

 

「ああ、エリックが写真を見せて自慢してたよ。可愛い妹だってな」

 

それを聞いたエリナは顔を赤くしていた。少し恥ずかしいらしい。

 

「もー!なにやってんのよお兄ちゃん!」

 

「俺もそう思う」

 

ドカリ、とエリナに背を向けて座る。

 

「応急処置、手伝ってくれないか?」

 

「……ええ」

 

そう言うと血だらけのコートと上着を脱いで背中の怪我を晒す。

 

「酷い……」

 

鋭い刃物で斬りつけたような傷口だった。その怪我の原因が自分だということに罪悪感を感じる。

 

「………ごめんなさい」

 

そう言いながら血を拭き取り、傷口に消毒液を付け包帯を巻く。

 

「ありがとな。まあ、気にするなよ」

 

再び血にまみれた上着を着てコートを羽織る。

 

「俺は桐永アマト、お前は?」

 

「エリナよ………」

 

「なあ、どうしてあんなところにいたんだ?」

 

「……あなたには関係無いわ」

 

不貞腐れた態度で返答する。何故ここに来たかアマトが少し考える。

 

「エリックの為か?」

 

コクリと小さく頷く。

 

「エリックが凄い心配してたぞ」

 

真剣な声色で語りかける。

 

「…………」

 

エリナは沈黙することしかできなかった。

 

「あんまり心配させるなよ」

 

「……分かってるわよ」

 

暫く沈黙が続くと、突然アマトがコートの懐に手をいれる。取り出したものはやはりチョコレートやクッキーだった。

 

「食べるか?」

 

お菓子を詰め合わせた袋を向ける。

 

「要らないわ、そんな『ぐうぅぅー』……」

 

「おお、タイミング良いな」

 

二人でお菓子を分け合い、口に運んでいく。

 

「おいしい!」

 

味のレベルの高さに思わず声をあげてしまう。裕福な生活をしていたがこんなに美味しいお菓子は初めてだ。

 

「手作りだからな」

 

得意気にアマトが笑う。

 

「手作り!?」

 

クッキーを食べるなか、ふとアマトの神機が目にはいる。

 

「そういえばあの神機は何なの?」

 

今までシリアスな空気が続いてつっこめなかったが、とうとう聞くことができた。

 

「あー……最新鋭の神機なんだがな………」

 

「最新鋭なのにお菓子なの?」

 

「こっちが聞きたいくらいだ」

 

「フフ、へんなの!」

 

楽しい、そう思えるほど穏やかな空気が流れていたが

 

ズドォオオォオン!!!

 

「!!」

 

「キャア!?」

 

あまりの衝撃にビルが揺れる。アマトが壁に立て掛けた神機を取る。

 

(救援は……間に合わないか)

 

「行ってくる」

 

しかし、エリナの顔は宇宙人でも見たかのようなものだった。

 

「そんな怪我と神機で戦うなんて無茶よ!!」

 

エリナからすれば本気でアマトを心配しての忠告だろう。しかし、アマトは少し複雑な気持ちだ。

 

「怪我はともかく神機は関係無いだろ…………」

 

「大丈夫なの!?」

 

「大丈夫だ。まだ手詰まりってわけじゃない」

 

負傷した今ではかなり危険な策だ。しかし、やらなければ勝機は無い。

 

「もし、シユウが来たらこいつを投げろ。ちゃんと目を瞑れよ」

 

「…………分かったわ」

 

自分がシユウに殺される最悪のケースを想定して、無駄かもしれないが一応スタングレネードを渡す。

 

「ここから絶対動くなよ」

 

そう言うと、アマトは窓から飛び降りていった。

 

 

 

シユウがアマト達を探し出そうと闇雲に辺りを攻撃していた。

 

「よう」

 

シユウが後ろを振り返る。そこには神機を構えるアマトがいた。

 

標的を見つけたシユウはアマトに襲い掛かる。

 

その中、アマトはふぅ、と息をはく。

 

今アマトは自分の命だけでなくエリナの命も背負っている。

 

恐怖は感じていないが、自分以外の命を背負うという責任感に押しつぶれそうだった。

 

「成功させるしかないよな」

 

自分に言い聞かせるように呟き、極限まで集中力を高める。

 

「来い…………!」

 

神機をプレデターフォルムに変型させる。

 

シユウの鋼鉄の翼がアマトに振り下ろされると同時に禍々しい神機を放つ。

 

「っ!!」

 

背中が痛み動きが鈍る。しかし、シユウが攻撃を止めるはずもない。

 

(この距離!いけるか!?)

 

そのとき

 

「アマト!目を瞑って!!」

 

カッ!

 

何処からか投げられたスタングレネードがシユウの視力を奪う。そんなことが出来る者は一人しかいない。

 

(エリナか……!)

 

ダメージは無いが突然の横槍に攻撃が止まる。

 

グシャアァァ!!

 

アマトの神機がシユウの上半身に噛ぶりつき、血肉を喰らう。

 

「うおおぉおお!!!」

 

バーストモード。

 

アラガミのオラクル細胞を喰らうことによって飛躍的に身体能力をあげる一種の切り札のようなものである。

 

「グギャァアアァア!!?」

 

断末魔が響く。その一振り、たった一振りでいとも簡単にシユウを引き裂いた。血を吹き出しながら力無く後ろに倒れる。

 

「ッ!………ハァ…………ハァ」

 

思わずその場で膝をつく。

 

「アマト!!」

 

エリナが駆け寄る。

 

「アマト!大丈夫!?」

 

「ありがとよ、助かった………」

 

エリナに感謝の言葉をかける。実際エリナの助けがなければどうなっていたか分からない。

 

エリナも役に立てたと嬉しそうだったが

 

「でもな、俺は『絶対動くな』っていったんだぜ………?」

 

「えっ?」

 

何時もと同じ平坦な声だったがどこか怒りを含んでいた。

 

ガシッとエリナの小さな肩を掴む。アマトの顔は怒りで大きく目が見開いていた。

 

「『絶対動くな』って言ったろ……!?態々戦場に出てくるな!俺の為に命を懸けるな!!」

 

普段のアマトからは想像もできたい大音声である。

 

それを聞いたエリナは………

 

「………ごめんなさい…………アマトに怪我をさせたまま、何も出来ない自分が………嫌で嫌で、許せなくて…………!」

 

涙を流しながらも自分の思いをアマトにぶつける。

 

「………」

 

何も言わずにエリナを抱きしめる。

 

「………ごめんなさい……ごめんなさい…………」

 

そうして、彼の初めての単独任務は終わった。

 

 

 

「エリナーーー!!大丈夫かーーーい!!!」

 

シスコン全開でエリナに抱きつくエリック。

 

「ちょ………やめてよ!お兄ちゃん!!」

 

最初に逃げ込んだビルでリンドウと無理矢理ついてきたエリックと落ち合った。

 

「ごくろうさん、アマト。とんだ単独任務だったな」

 

「………全くですよ、リンドウさん」

 

血だらけのコートを見て聞く。

 

「怪我は大丈夫なのか?」

 

「名誉の負傷ってやつですよ」

 

リンドウがチラリ、とエリナを一瞥する。

 

「まあ、なんにしろ、ちゃんと守れたみたいだな。良くやったよ、お前」

 

「ありがとうございます………」

 

しかし、直ぐに顔を緩める。

 

「さて、無事救出したし、帰ったら一杯呑むとしますか!」

 

「そうですねー」

 

リンドウが無類の酒好きと同じように、アマトも無類のお菓子好きだ。その気持ちは良く分かる。

 

「アマト!!」

 

「「?」」

 

急な大声に二人は思わず振り返る。

 

エリナが少し頬を赤くしながらアマトの名前を呼んでいた。

 

「私、アマトを守れるくらい強いゴッドイーターになるから、その時まで待っててね!!」

 

それを聞いたリンドウは

 

「モテる男は違うね~、アマト」

 

全力でアマトをからかっていた。

 

「どどどど、どういうことだい!!?アマト君!!??」

 

エリックは少し心配なくらい取り乱していた。しかし、そんなことは気にせずに一言。

 

「ああ……楽しみにしてる」

 

「うん!」

 

その後、しつこくエリックに問い詰められるアマトであった。

 

 




GE2にも出てきますね。
華麗な活躍を期待!
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