ヒーローな君のことが大大大大大好きな100人以上の彼女 作:トラ-Tora
第3話 入学してすぐに
出久「…時間の流れが、早い様な…」
高校近くの神社であった、神様に会い運命の人がいると伝えられ、そしてその人数が100人という事実を知った出来事から、もう早10ヶ月程…入学受験には無事合格し、今日の中学校の卒業式を終えてからその考えが思い浮かんでいた。
出久「…帰ろう」
親しい友人がいない僕は、卒業式が終わって帰ってもいい中、周りで楽しそうに思い出を話したり、涙ぐみながらお互いに慰め合う様に話したりするクラスメイト達に気付かれない様に、僕は1人で教室を出た。外できっと卒業式を見ていた涙目のお母さんが待っているから、と足早に廊下を歩こうとしたら、
???「デク!!」
後ろから、聞き慣れた声で呼ばれた。僕がヒーローを諦めたあの日以降、話す事が無くなっていた幼馴染_
出久「かっちゃん…?」
爆豪勝己は悪い意味では無いけど何時もの様に怒っているのか、それとも信じられないという様な顔をしながら、廊下に出て来て僕を睨んでくる。
勝己「…雄英、受けなかったのか…?」
出久「…うん…僕、ヒーローになるの、諦めたんだ」
僕は、今日この日まで口を交わさなかったから言えなかった、幼馴染の彼だからこそ良く知っている、僕の夢がもう終わった事を伝えると、かっちゃんはより一層顔を険しくした。
勝己「…なんでだ…?」
出久「…やっと現実に向き合えた、というか…僕じゃ無理なんだ…て、気付けたから、かな…」
もう諦めた夢について話すのに少し息苦しさを感じながらも、僕の身近な憧れには伝えないと、と思いながら話し続けている間、かっちゃんは顔を俯かせつつ歯を食いしばる様に僕の話を黙って聞いてくれる…正直、気不味さというか、何時爆発しても可笑しく無い様な空気を感じてしまう。
出久「か、かっちゃんは雄英、受かったんだよね?」
だから、僕は何とか場を和ませようとかっちゃんの話題に変えようと、急に逸らす感じになるけど話を続ける。
出久「今年からオールマイトが教師になるなんて驚いちゃった!授業じゃどんな感じなんだろうとか、何時も日本中飛び回っているのに何時教育免許を取得したのかとか、色々気になって_」
勝己「それが何だよ…ッ」
またブツブツしそうになった所で、かっちゃんの怒気が含まれた呟きで止まれた…
勝己「テメェが出来ねぇこと知りてぇこと、俺に言って何かあるのか…ッ!?」
出久「いっいや、そういう訳じゃ_」
勝己「じゃぁもう互いに何も無いなッ!!」
かっちゃんはそう言いながら、踵を返して教室の扉の前前で歩いた。
勝己「…テメェの顔を見るのも、今日までだ」
出久「え…ま、待ってかっちゃん!学校は違うけど、家はそのままで_」
勝己「もう俺に関わんなって言ってんだよッ!!さっさと失せろやッ!!」
かっちゃんはそう言い捨てて、教室の中に戻って行ってしまった…僕は、教室の中に戻る気が起きないまま、僕はお母さんと一緒に帰るために、廊下を1人で歩いた…
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勝己「チッ…」
勝己は教室に戻り、自分の席で群がり待つ取り巻き達に気付かれない位の舌打ちをしながら、席に座って取り巻き達の話を聞く。
_心の底から感じる喪失感と、決して無くならないと思える敗北感を、悟られない様にしながら_
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4月、僕は桜が舞い散る道を歩き、高校の入学式に出席する。雄英は一般入試で入れる人数が1クラス19人が2クラスの計38人、倍率300倍の狭き門だけど、この高校は1学年240人と多い。その分、競う相手が多かったから簡単では無かった…雄英の普通科だけでも、受ければ良かったかな…
出久「…ううん、ちゃんと将来を考えてここに来たいって考えたんだ…式の後は各クラスで校則説明があるから、1年4組は…」
式が終わってすぐそんな考えを変えようと、僕はプリントに書かれていた今日の行事と、学校の見取り図を見ながら僕が通うクラスへ歩く…ただ、見るのに夢中になって余所見をしてしまっていた所為で、
出久「あァッ!?」
???「あァンッ!?」
???「痛ッ!?」
僕は誰かとぶつかってしまい、ぶつかった人達と一緒に倒れてしまった…
出久「痛たた、ッ、すいません!」
僕はすぐ体を起こしてぶつかってしまった人達に、顔を向けながらすぐ謝る。
「いったいわねぇ、」「いえぇ、」「ちゃんと前」「こちらこそ」「見て歩きなさいよね…!」「すみません…」
僕がぶつかってしまった2人、肩辺りまであるピンク髪で花形の髪飾りをしている女の子と、長い金髪をツインテールの様におさげにしている女の子が同時に喋り、正直聞き取るのが難しい中2人と目が合った…その瞬間_
ビビーン!!!
全身に今まで感じた事が無い衝撃が走った…
???「………?」
???「…ッ、何よ今の…?」
目の前にいる2人も同じ事が起こった様だった…もしかして、この2人がこ神様の言っていた…運命の、人…
出久「…ッ、じゃなくて…!」
僕はすぐ立ち上がり2人に近付き、それぞれに手を差し伸べる。
出久「大丈夫?2人共…」
???「「ハッ…!?/へッ…ッ!?」」
自分なりに恋愛を勉強してなお、未だに女の子慣れしていないとはいえ、こういう時はしっかりしないと…ただ、2人は少し辿々しくどうしたら良いか分からない様な感じになっている…どうしよう…
???「えっと_」
???「あぁ〜…ッ」
金髪の女の子が何か話そうとした瞬間、隣のピンク髪の女の子が突然倒れた。
出久「どっどうしたのッ!?」
???「すみません、足を挫いてしまったみたいで…保健室まで、肩を貸して貰えますか…?」
出久「えっあ、ごっごめんなさい!大丈夫ですか!?」
僕は一瞬、女の子に触ってしまうのはどうか、と考えてしまったがすぐにピンク髪の女の子の前に膝を床に着け、謝りながら肩を貸そうと動く。
出久「たっ立てれない感じですか?」
???「あぁいえ、大した程では無いので、お手をお借りするだけでも_」
出久「じゃ、じゃあ…て、手を…//」
女の子に手を差し伸べると、ピンク髪の女の子は僕の手に自身の手を乗せてくれた…女の子に慣れていない所為で、どの位の力で立ち上がらせるべきか、力を入れる時握ってしまってもいいのか、とグルグルと考えが回ってだんだん恥ずかしく思えてくる…
_その間、ピンク髪の女の子は_
???(見ず知らずの人の為に、膝を着いて手を差し伸べる姿はまるで王子様、それでいて繊細なガラス細工を壊さない様にという、とても優しい紳士の様な手つき、それなのに人と触れ合うのが恥ずかしいと思わせる初々しさ…なんて、なんて素敵な方…!!)
_恋故に、盲目になっていた_
僕はピンク髪の女の子が辛く無い様に、どう立ち上がらせるかをまだ考えていると、
???「べっ…べべべ…別にあんたの肩が借りたくて足を挫いた訳じゃ、無いんだからね!!」
隣の女の子が何か呟いたと思うと、床を手で叩き付けながら急な自己申告をしてくれた…
出久「きっ君も、足を!?」
?「そうよ。挫いたけど何か文句ある!?」
出久「なっ無いよ!じゃ、どっどうすれば…」
2人を立ち上がらせるにはどうすれば良いか、さらに考えていると金髪の女の子が徐々に怒りを募らせてしまったのか、
???「あぁもう!男なら、堂々と肩貸す位遣って退けなさいよ!!」
出久「はっはい!!」
僕がずっとオドオドしていたから怒られてしまった。僕は2人の間に入る様にしてしゃがみ込む。
出久「じゃ、じゃあ、肩に_」
???「では遠慮無く♪」
???「遅いのよ…!」
出久「あわわわ…//」
肩に掴まって、と言うより先に2人は腕を肩に回していた。僕は必死に、肩にある女の子の手の柔らかさや、髪が揺れるとフワッと香る良い匂いなど、そんなことを考えない様にとすぐ、それでいてゆっくりと2人が立ち上がり易い様に徐々に立ち上がる。
出久「ま、まままずはほっほほほほほ_」
???「緊張し過ぎじゃない!?」
???「一先ず、教室まで連れて行ってくれませんか?」
出久「ほ、保健室には行かなくて_」
???「だ、大丈夫だから、さっさと連れて行きなさいよ…!」
出久「は、はいぃ…//」
僕は2人の女の子に密着されながら、1年の教室が並ぶ場所まで歩いて向かう…少し歩いていて、何か歩きに違和感が無いから本当に2人は怪我しているのか、と思ったけど失礼だと思うし、本当に怪我で苦しいなら助けないとと考えて心の中にしまって歩く…