片田舎の剣聖と白銀の英雄   作:北ノ覇王

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数十年振りの手合わせ

ベリルの構えは隙が無い様に見せているが、意図的に隙を作り、敵に攻めさせ後の先を取る戦法を使う。それはベリルの観察眼がズバ抜けて良いから使える。並の使い手なら直ぐに崩されてしまうだろうな。

 

「その誘いにあえて乗ってやる」

「…っ!」

 

初撃は互いの木剣がぶつかり合った。受け流そうとするベリルに対して、ビャクエンの一撃は凄まじく重い。

 

「…重っ」

「戦場では敵は律儀に待ってくれないぜ」

 

その言葉を皮切りに、縦横無尽の斬撃を繰り出すビャクエンに、ベリルは受けるしか出来ない。かろうじて捌けているが、急所に始まり手や足などを狙ってくるため、判断ミスが命取りだ。

 

「俺の剣のタイミングを測っているな」

「…!?」

 

ビャクエンの攻撃が剣をすり抜けて掠った、ベリルは驚きを隠せていない。

 

「だから言ったろ…次行くぜ?」

 

ベリルは攻めに転じることが出来ず、剣が掠り、捌ききれずに打たれていく。既に攻め続けているビャクエンよりも疲弊し、打ち身や切り傷が増えていく

 

「ベリル」

「はあっ…はあっ…なんだい」

「自分と同等以上の相手に、待っているだけじゃジリ貧だ…昔のお前なら…どうしたかな」

 

ベリルには伝わっただろうか…まぁ良い、分かるまで叩いてやれば

 

「…はああああああああ!!」

「!?」

 

雄叫び…いや、あの面構えは…面白い

 

「ビャクエン、本気で行くぞ!」

「良いとも」

 

先程よりも速い無数の斬撃を全て弾き落とし、反撃までしてきた。もうこの動きに対応してくるとは

 

「ふふふ…やはりお前はそうでなくてはな」

「ハア…ハア…ハア…体が着いてかないけど」

 

「「楽しい!!」」

 

互いの木剣が粉々に砕け散ったのを合図に、手合わせは終了した。

 

「ハアハアハア…ふひ~!」

「なんだ、だらしない奴だな」

「親父以外で本気出したの久しぶりなんだ…許してくれ」

 

地面に倒れ込むベリルに対し、ビャクエンは汗は流れているが涼しげに笑っている。

 

「しかし、ブラックランクって凄いな…ビャクエン」

「お前の弟子に、スレナって子がいたろ。あの子はブラックランクになっているぞ」

「えぇぇ!?」

 

コイツ、弟子の活躍も知らんのか

 

「俺も何度か手解きをしてやったしな。お前と違って真っ当な兄貴分をやってるぞ」

 

「そ、そうなの?」

「街でスレナに会っても分からなそうだな…お前」

 

ベリルは物凄く鈍いというか、古い思想だ…苦労するな、スレナ…アリューシアよ

 

俺と同じく冒険者として活躍するスレナ、レベリオ騎士団の最年少で団長に就任したアリューシア。ベリルを慕う教え子は多いが、この2人ほどベリルに対する想いが強い

 

「ベリル」

「ん?なんだい?」

「楽しみにしている」

 

お前と交わした約束の為にもな

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