西暦2199年、地球は危機に瀕していた。
地球を攻撃するエイリアン文明であるガミラスの大軍に地球人は追い詰められていたが、地球人は降伏しなかった。ガミラス側で地球を攻撃し続けるザルツ人旅団は地球を屈服させるのは困難だと判断して焦ったが、地球の不服従の礎は抵抗の精神ではなかった。
ガミラス戦終盤 国連宇宙軍・極東管区 会議室
「芹沢極東守、ガミラス軍の陽動作戦の成功とイスカンダル星の使者の到着は誠にめでたい。して、宇宙戦艦大和を船出させる首尾は」
「順調です。順調ですから武士の格好と口調を真似して喋るのをやめてください。それにそんな官位は存在しません」
「われら国連加盟国も似たような船を送って大和の助けになりたかったでおじゃる。もうほとんど残ってないのが残念でおじゃる」
「電力消費が激しすぎますから船団を編成するのは不可能です。平安貴族になるのもやめていただきさい」
国連宇宙軍の極東管区軍務局長を務める芹沢虎徹は国連各国の代表との会議の最中であるにも関わらず混乱を隠せずにいた。各国代表が一人残らず日本史の中から飛び出して来たかのような時代錯誤な口調で会話しているのである。
「我が国のサグラダ・ファミリアもガミラスと戦う間には完成させられないっていうのか!?」
「ヨーロッパ代表、それについては建て直しになるでしょう。ガミラスが落としてきている遊星爆弾で地上はボロボロなんですから」
「おお、天は我が国を見放したか!」
「その天から攻撃されているのですよ」
全てこの調子である。芹沢は頭を抱えたが、大和……正式な表記としては「ヤマト」を地球から出航させる計画さえ達成できれば道が開けるという希望はあった。しかしこの後に状況は大きく変わる。
ガミラス戦終結後 地球
ヤマトは地球に帰還した。ザルツ人旅団を蹴散らしてガミラス軍本隊との戦いに勝利し、イスカンダル星で地球を回復させる手段であるコスモリバースを手に入れて帰還した。
しかし地球に到達したヤマト乗組員はとてつもない驚愕に襲われることになる。
地球はヤマト帰還を唯一の希望とする中で日本文化をアイデンティティとする事実上の統一国家に変貌していたのである。
艦長代理としてヤマトの帰還を指揮した古代進は芹沢に説明を求めたが、自体を把握できていない帰ってきた答えは少なかった。政府への不信を強めたヤマト乗組員はコスモリバースを引き渡した直後に地球から出奔し、地球は残された資源と従来の技術水準でガミラスと対峙せざるを得なくなり、西暦2200年には国際連合加盟国を統一した上で惑星大・日本帝国と号する新国家の建国が宣言される。