竜牧場へようこそ!   作:かりん2022

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写真コンテスト

空を飛ぶ進化を促すには闇蝙蝠の翼がいいらしい。

その話が流布されると、あらゆる洞窟が探索された。

 

その辺の子供ですら、蝙蝠をいそいそと取ってきて我が竜に持ってくる熱狂である。

飛行レースに参加できることが大事なのだ。

 

この世にダンジョンがなければ、闇蝙蝠は絶滅していたかもしれない。

神の恵みダンジョンに感謝である。

スタンピードで出てきた魔物以外は繁殖しないので今度スタンピードさせなきゃ。

 

もちろんダンジョンもリポップ直後に狩られるぐらい人多すぎ。

同じダンジョンにでるモンスターのドロップはダブつきまくり、とにかく今の自分とは違う何者かになりたい豚竜達がそのドロップを食べまくる。

同系統の魔物でハズレと呼ばれていた闇蝶々ばかり食べていた竜が優美でひらひらな翼に進化してザワザワザワ。

 

一方街の広場では豚竜に乗って、小学生くらいの子が訓練! 訓練!

なお、大会では竜に乗れるなら3歳でもウェルカム。参加費無料!

 

繁殖が解禁になり、豚竜を脱せた竜達は大人気だった。

また、属性竜を一族ごとに分かれて作ろうぜ! などなど夢広がリング。

お妃様はプリンスちゃんと氷属性を極める所存。

ランドルフの所は水属性特化になりそう。ミレアスは火龍にも未練がありそうだが、炎は使いがたい。何はともあれ、竜の好きなようにしたらいいとランドルフは思う。

竜は賢いし、それぞれ夢があるのだ。その夢に向かって頑張っていけばいいと思う。

ちなみにアオは大人気で、アオの子のクリスは足が太く翼も大きく、人を乗せて飛べるようになりそうだった。この子ならば飛行レースに十分出られると、もう竜達が一丸となって餌の制限をしてる。妃殿下とプリンスちゃんも様子を監督しにきている。すごくピリピリしている。あれは人間は口出しできない……。

 

帝国の上流階級では、生まれた子供に竜をプレゼントするのがしきたりになる風潮が芽生える兆し。産めよ増やせよ地に満ちよ。

 

竜ブームが過ぎる国もあるが、帝国は加熱! 加熱! 加熱である。

 

さすが、神々の加護の存在が明らかになって子供や家畜に加護を与える事が当然となっても存在しないと知られても神殿街の中央で燦然と竜神神殿が輝くだけはある。なんなら一番参拝客も多い。

 

ソル、ラック、アートも無事結婚できた。

ソルは夫婦揃って行商人として旅立ってしまい、アートはミレアスを見習い騎士団へ。ラックはこの牧場を継ぎたい、という事で進路も定まった。

ただ、ひとまずは3人とも大会に集中したいとのこと。一生に一度参加できるかどうかの大会なのでそれはそうだろう。

それぞれ、大会まで旅立つこととなってしまった。

 

人竜一体となってそれぞれの道を爆走している為、ランドルフはそれをサポートする事しかできない。

 

みんながみんな夢に一直線だからこそ、それをサポートする人間は必要となる。

そんな折、ルイがやってきた。競技の打ち合わせに来たらしい。

 

「みんな頑張ってるねぇ。みんな飽きちゃって鶏の育成に力を入れる所が出たりしてるけど、帝国はやっぱり一番熱心だね」

「ああ、帝国は国教が竜だしな」

「神様達も盛り上がってるよ。クリスは評判いいね。子孫は優勝できないけど、クリスは優勝しそうって言われてる。早熟って奴?」

「そうだろうな。でも空を飛べて人を乗せられて氷のブレスを吐ければ、とりあえず十分だろう」

「そうだね。1000年未来でも十分運用に足るかな。山火事も消せるし、猛暑に対応できる。冷夏の時はどうなんだって言っても、火龍でもどうにもできないわけだし、一番使い勝手良くなるんじゃないかな」

「うん。何より本竜達が頑張っているからな」

「自分達であれほど努力するとは僕も思わなかったかな」

 

 そうして、競技の詳細を見る。

 

「我が竜を見よ?」

「竜の写真コンテストだよ。期間限定で誰でも竜の写真……絵姿を撮れる魔法を授けるんだ。商品もあるよ。我が竜を見よってコンテスト名だけど、自分の竜でなくてもいい。最大10枚まで取れて、いいのが撮れれば1人三つまで賞品も貰えるよ。幾つの写真が評価されても、もらえる品は三つまで。キリがないからね。写真は締切に自動で回収されて、大会まで展示される。締切は大会の一年前。僕らも評価期間が必要だからね。人気投票もあるよ!」

 

 ルイがやってみてくれる。両手で四角を作って、パシャリ! と唱えると、その手にランドルフの肩にいる小竜の絵姿が現れて、親指の爪部分に光って消えた。

 なるほど、両手指の爪に合わせて10枚というわけらしい。

 

「楽しそうですね」

「楽しんでくれたら嬉しい。君もサポートだけじゃなくて、楽しみなよ」

「これなら平和に楽しめそうです」

 

 ランドルフは、早速各国に魔法の詳細を送った。

 

「なーとちゃん、こっち向いてー! ぱちゃり!」

 

 預けられた1歳の孫が口紅を塗りたくった豚竜をパシャリ。この呪文はお子様でも参加できるよう、多少間違っていても発動する。

 今、帝国人は上は天に召される直前のお年寄りから、下は一才のお子様まで、総カメラマンと化していた。

 

 竜が可愛い仕草をしたとみたら、あらゆる角度からパシャパシャパシャ!

 

 写真を自慢する人がいて、写真の入れ替えを真剣に悩む人がいる。

 

 妃殿下はプリンスちゃんの写真を入賞させようと宮廷画家100人にプリンスちゃんを撮らせている。

 

 写真魔法を軍事利用しようとするものもいたが、それはそれ、これはこれ。

 

 帝国ではもっぱら竜のベストプリティーショットを撮ることに血道を上げられていた。

 撮られて喜ぶ竜がいて、写真を消されて悲しむ竜がいる。

 

 鱗を磨くブラシが飛ぶように売れた。

 竜に美容で負けてなるものかと、女性用の美容道具も売れた。

 

 締切がきたら美容ブーム終わり? ノンノン、大会では美を競う品目もある。

 写真はあくまで余興である。

 

 プリンスちゃんはビューティー種目で優勝目指して頑張って訓練していた。

 

 締切が来て、人々はこぞって写真をチェックチェック!

 

 プリンスちゃんは写真がいっぱいありすぎて票が分散し、賞を取るのが大変そうである。これには妃殿下もぐぬぬと作戦ミスを悟る。

 

 1人が持てるポイントはなんと百ポイント。これで自分以外の撮った写真に最大十ポイント注ぎ込める。安心の検索機能付き。

 

 百ポイントは持たせすぎでしょーと苦笑いする他国人。一万ポイントくらい欲しいと帝国人。

 

 でも実際、いろんな竜の写真は愛好家にはたまらない。

 

 これだけ竜に溢れていてもまだ竜を得られない一般人が写真を楽しくみて回っている間に、ついに大会の開催時期がやってきた。

 

 竜を持っている人々は、スペシャル努力してやってきた。

 大会は100年に一度。

 泣いても笑ってもこれっきり、正真正銘一生に一度の大会が来たのである。

 

 それほど竜に血道を上げておらず、ブームも過ぎつつあった他国も、さすがにこの大会は熱狂した。

 

 まずは旧竜のデモンストレーションである。

 5年間の研鑽が今試される。

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