紅に吠える傭兵   作:青野

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短いっ!



決意

 

 

 

 

 

 

「おっ、箒か。もう、大丈夫なのか?」

「ああ、誰かさんが助けてくれたおかげでな」

 

 箒はリボンを燃やしてしまったのでポニーテールからストレートに変わっていた。

 

「燃えちゃったな」

「ああ・・・」

 

 彼女は少し寂しそうに言う。それ程、大切なものだったのだろう。

 

「まぁ、これも俺のせいだ。代わりのリボンでも今度買ってくるよ」

「い、いや。そこまでしなくてもいいぞ」

「いいよ、別に。明日は休日だしな。俺も街を見に行きたいし」

「・・・そ、そうか。なら、頼もうかな・・・だが、里穂は街は初めてなのだろ?大丈夫なのか?」

「で、電車の乗り方ぐらいは大丈夫だぞ!?」

 

 うわっ、篠ノ之束と一緒にいた時は全然外に出なかったからなぁ。電車ぐらい大丈夫だと思うんだが、流石に街中は何処に何があるかなんて分からないな。

 と、思っていると箒はしょうがいないとばかりに、

 

「なら、私も明日はついて行こう。丁度、私も明日はなんの予定も入っていないからな」

「いいのか?俺よりも一夏と行きたいんじゃないのか?」

「バカを言うな。パートナーは私だ。今回の優勝記念として二人で街に行くのもいいと思っている」

「・・・?つまり、箒は優勝して遊びに行こうと?」

 

 何を当たり前のことを言っているんだ?と、そのような顔で箒は俺を見る。

 なるほど。

 

「はぁ・・・お前はどんな状況でも変わらないな」

「ふふ、私にあれだけのことを言わせたんだ。そう簡単には優勝を逃させはしないさ」

「・・・・あれだけ?」

「ん?聴いていなかったのか?」

「いや、俺が気がついたのはミサイル撃った瞬間だし、その直前に会話でもしていたのか?」

「・・・・いやな、一夏と更識がムカついてな。私は里穂の為に戦う!って」

「俺の為に?」

「臆病で怖がりなお前の為にな」

「・・・・なら、俺も同じだな」

 

 その言葉に?マークを頭の上に出して箒は首を捻る。

何を言っているのだ?と。

 

「俺もさ、理由を探していたんだ。何の為に戦うのか、それにどれだけの価値を見出すことが出来るのか・・・」

「それが、見つかったんだな」

 

 箒は微笑みながらそう言う。その笑顔はあのウサ耳女と重なって見えるが、彼女と箒は全くの別人で決して同一人物なのではない。

 そして、俺は箒の為に戦う。彼女の背中を守ると。

 

「ああ、見つかったんだ。ここ数日間、隣で色々と励ましてくれた女の子の為に」

「・・・わ、私なのか?」

「お前以外に誰がいると言うのだ。俺はお前の背中に命をかけると決めたんだ」

「い、命だと!?わ、私に里穂がそこまでする必要はあるというのか!?」

「・・・・それを決めるのは俺だよ。さっ、時間もない。さっさと準備するぞ」

 

 俺は一足先に紅蓮の元へと歩き出す。箒は数秒俺の背中を見てからやっとこそ歩き出した。

 

 

 

(随分と、頼もしい背中になったな)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ほう、タッグマッチか・・・』

「どうです?乱入でもされますか?今なら問題ありませんよ?」

 

 財団はJにそう言った。

 

『N、調子はどうだ?』

『俺は問題ない』

「マギーには既に学園のシステムをハック出来る準備をしてもらっています。まぁ、最もあの学園ですからね。セキュリティも半端ではないでしょう」

『ふん、問題はない』

「織斑一夏と篠ノ之箒。そして、日下部里穂の抹殺。他にも候補者はいますが、取り敢えず今はその三人でいいでしょう。他にもロシアの代表などがいますが、今はほっておいても問題はなさそうですね・・・ですが、日下部里穂だけには気をつけてください」

『はっ、あんな小物』

「それが杞憂で終わればいいんですがね。無駄話が過ぎました。今度こそ、確実に」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おっ、ラウラか」

 

 残り一時間を切ろうとした時、俺はトイレに行く。その帰りに偶然にもラウラと遭遇した。

 

「見せてもらったぞ、先ほどの戦い」

「あんまりいいもんじゃないと思うけどな」

 

 そう言うとラウラは笑いながら言った。

 

「はっはっ、そんなことはない。だが、どうして突然あんなにも強くなった?のだ?」

「ああ・・・今にして思えば俺の独りよがりな考えでしかなかったんじゃないかなって思う。ラウラ、俺は箒のことが好きになったんだ」

「愛してる。という意味か?」

「そこまでは正直分からんのだ。誰かを愛するってことに・・・戦うことしか知らなかったからな。だが・・今は取り敢えず箒の為に戦いたいって思ったんだ」

 

 そうだ。この意志が揺らぐことはない。

 

「なるほど、誰かを守りたいという気持ちがお前を強くさせたんだな。箒は幸せ者だな。なら、頑張れ。お前ならやれる気がするよ。周りはどうかは知らんが、私や箒はお前のことを気に入っているんだ」

「そうか?そいつは光栄なことだ。だが、俺と一緒にいると多少なりと評判が悪くなるぞ?」

「ふっ、評判程度で気にしていては・・・到底、軍人などにはなれはしない。所詮はここの人間は軍人ではないのだ」

「それもそうだな。ありがとう、ラウラ」

「何、大したことではない。次の試合、あの学園最強の生徒会長だろ?気をつけろ、奴は何をするか分からんからな」

「・・・ふっ、何を言うんだラウラ。戦場じゃぁ、何が起こるかなんて分からないだろ?」

「・・そうだったな。私としたことが・・・だが、相手を知って前もって事前準備するのも大事なことだ」

「確かに。参考になったよ。ラウラ」

「ああ・・・次の試合、頑張れよ」

「やれることはやるさ」

 

 そう言ってラウラは何処かに行ってしまった。

 前もって事前準備をする。相手に有効な武器を作戦を準備するのは確かに大切なことだ。だが、戦場において予定通りという言葉は大した意味をもたない。

 流れというのは誰にも分からないものだ。

 

 俺は箒が待っているピットへと急ぎ走り出した。

 

 

 

 

 

 




次回は生徒会長戦になりますが・・・
どうなるでしょうね?

次回もよろしくお願いします。
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