紅に吠える傭兵   作:青野

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すみません、更新遅れてしまいました。


UNAC

 

「先日、学園を襲撃した輩が分かった」

 

 千冬は専用機持ちを集めてそう報告した。

 スクリーンにここ最近襲撃して来ている黒と赤の全身装甲のISと女性が乗ったあのISが映し出された。

 

「奴らの名は死神部隊。そしてその背後に財団と呼ばれる者が奴らを使役している。奴らの目的は一つ。全ての破壊だ」

「・・・そんなこと、あり得るのか?」

 

 と、誰かが言った。

 

「あり得る。実際、奴らはここ以外にも色々と襲撃されており、多くのISが撃破されている。そして、財団が使役しているのは死神部隊だけではない。多くの大量兵器が製造されており、これに対して財団の討伐をIS委員会が討伐した。財団はデカイ企業だと思って萎縮していたが、最近の学園に対する襲撃に老人どももやっと腰を動かしたという訳だ」

「それで、僕たちは何をすればいいんですか?」

「特別お前たちが何をする訳ではない。まぁ、予備戦力とでも言っておこう。既に束の協力もあって事態は動きつつある」

「束さんがっ!」

「先生、この話は里緒も?」

「ああ・・・お前らが心配しているように我々が動くことはあまりない。ただ、今後は不測の事態もあるということを知っておけ」

「「「「了解っ!」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『調子はどう?』

「ボチボチだ。問題ない」

『それじゃっ、ブリーフィングいくよ。財団の水上要塞アームズフォートはここより二十キロ地点にて日本海軍と交戦中。既に増援部隊として企業のUNACっていう無人機が出撃しているけど、多分こっちの方がつくのが速いよ』

「了解した」

 

 沿岸部分に俺は紅蓮を展開して待機していた。背中には既にVOBが装備されており、準備万全だ。

 今現在俺は財団の水上要塞アームズフォートを撃破しようという日本軍から束に対して協力要請が来ていた。俺は傭兵として雇われていることになっている。

 

『里穂君、気をつけて』

「ああ、分かってる。それじゃぁ・・・いってくる」

 

 まずVOBが軽く出力を上げてる。紅蓮は沿岸をゆっくりと離れて海上の上を飛ぶ。同時に俺は両手を前に移動させて足を後ろにする。

 

『システム超高速モードに移行します。VOB起動開始』

  

 ギィィィィィィィィィィィッ!

 一気に出力がMAXになり紅蓮は超高速に移る。まだ二回目なのであまり慣れないが気分がいいものではない。俺自身の体にもかなり負担がかかる。

 すると、通信範囲に入ったのか日本海軍の通信が入ってきた。

 

『こ、こちら日本海軍羽黒。速くしてくれ!追撃されている!』

 

 ハイパーセンサーで捉えた日本海軍はほぼ壊滅状態であり、残っている艦から通信が入ってきていた。

 

「もう直ぐだ。残り何隻だ?」

『ダメだ!ぐっ・・・エンジンをやられた!修理に時間がかかる!』

『むぅ、へぼっちぃなぁ・・』

「言っている場合か!束、このまま突撃する!」

『了解、気をつけてね!』

 

 アームズフォートに周辺に展開している護衛艦を搭載されているミサイルで叩くとVOBをパージしてアームズフォートの前に躍り出る。

 既に日本のIS部隊が奮闘しているが、アームズフォートに対してかなり苦戦していた。まずデカイと言っておこう。

 どのくらいになるかは分からないが、大きな弁当型の箱を二つ繋げたようなもので、名をギガベースというらしい。超遠距離砲に凄まじい火力を持ち合わせている。

 

『キャァァァァッ!』

『な、なんなの兵器・・・とんでもない火力』

「おい、こちらはまだフルエネルギーだ。今のうちに一旦引け」

『っ・・お、男?二人目の男性操縦が何故ここに?』

「戦場での無駄話は死に繋がるぞ。俺が奴の注意を引く。お前らは艦隊の援護をしろ。エンジンを直してさっさと離脱してもらわなきゃいらぬ巻き添えを食らうぞ?」

 

 と言うと一斉に反感が飛んで来た。

 

『男のくせに私たちに指示しないで!』

『そうよ!そうよ!』

『ま、まだ私たちはやれるわ!』

 

 ギャーギャーと叫んでくるのだが、こいつらは戦闘中だということを忘れているのか?そんな疑問を思いつつも奴らの話を聞いていると隊長らしき人物が口を開いた。

 

『お前らっ!いい加減にしろ!この男の言う通りだ。彼が注意を引きてくれるというのなら我々は我々の任務をこなすまでだ。それに今の我々では足でまといになるだけだ。すまない・・・あとは頼む』

「あいよ、いいさ。頑張って逃げ切ってくれ」

 

 それだけ言うと俺はアームズフォートに向かって突撃する。長方形のアームズフォートの火力は凄まじく、射程範囲に入った瞬間一斉に砲撃が開始される。

 

「っ!!」

 

 横に逃げながら持っているライフルとマシンガンで側面を攻撃するが全くダメージが入っていない。

 どうなっている。データより装甲が分厚のか?これじゃぁ、俺の攻撃が全然通じないぞ。

 今度は上空から垂直ミサイルが襲ってくる。上手く機体制御とブーストで避けるが横からの分厚い弾の雨に次々と被弾していく。

 くっ!弾幕が厚い。一旦距離を空けて。

 

『里穂君、苦戦しているみたいだね』

「そう思うなら手伝ってくれ。流石にIS一機でこいつは無理がありすぎる」

『まぁまぁ、そう言うと思ってさっきの艦に超兵器運んでおいたから。データそっちに送っておくね』

「分かった」

 

 と、目の前に兵器のデータが転送されて来た。

 

「えっと・・ヒュージーキャノン?」

 

 ふむふむ、威力、射程ともに十分な威力が期待出来そうだ。だが、エネルギー充填に時間を有することになる。その間をどうにかして稼がないと。

 

『そこのIS、お前は我が方の援軍か?』

 

 と、ナイスタイミングで企業側の大型ヘリから通信が入って来た。

 

「やっと援軍かよ。おせって!」

『日本海軍はまだ健在なのか?』

 

 そうこう言っているうちにこちらに多数のミサイルが接近して来る。真横に逸れながら直撃してくるミサイルをマシンガンとライフルで次々と撃墜していく。

 

「ああ!そうだよ!」

 

 爆風に煽られながらも肩からミサイルを撃って先ほどの垂直ミサイルのポットを破壊する。が、それすらもかき消すように砲台がこちらに向かって攻撃してくる。

 

「ぐぅ!速くしてくれ!」

『了解した。UNACを投下しろ』

 

 見れば二機の大型ヘリから四機の無人ISが投下された。

 

『U1、オペレーションを開始します』

 

動きは無人機だけにあって少々ギコチないが、それでも攻撃は拡散され、俺一人に集中されなくなりこちらとしても余裕が出来てきた。

 

「よし、そのまま時間稼ぎを頼む。羽黒、エンジンは直ったのか?」

『あ、ああ・・なんとかだ。そう言えば、篠ノ之束からあんた用にプレゼントのコンテナがあるらしいんだが』

「分かった。甲板に出してくれ」

 

 俺は羽黒の甲板に着陸すると出されたコンテナの扉を開ける。すると、中には強大なエネルギーキャノンがあった。

 

「こいつは・・・主任が使っていたのと・・いや、兎に角今はこいつを使おう」

 

 そう思って俺はライフルとマシンガンを戻して、ヒュージーキャノンを装備する。

 

『不明なユニットが接続されました』

 

 視界にエラーの文字が浮かんでくるが、すべてをそれを取り払い、エネルギーを充電する。

 

「っ・・やっぱり、マニュアルだよな」

 

 羽黒はアームズフォートより斜めの位置にいる。俺はそこの甲板からヒュージーキャノンをセットして狙いを定めた。

 眩い光が砲身をギラつかせる。

 

「はぁ・・・・はぁ・・・撃てる。撃てるぞ・・・・いっけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

 俺は力の限り引き金を引く。

 凄まじいノイズが俺の頭を掻き乱すのと同時に膨大なエネルギーの塊がアームズフォートの斜めから直撃し、爆音と爆風があたりを覆う 。艦はその撃った衝撃により大きく揺れる。

 

 そして、そこには財団が総力を合わせて作り上げた巨大兵器だったものが海に沈み始めていた。

 あれだけの攻撃を受けたのだからそれも当たり前だと言えよう。

 

「くっ・・か・・はぁ・・はぁ・・・キツいな。これは。だが、これでこちらの勝ちだ」

 

 勝利を確信してヒュージーキャノンを取り外すと企業から通信が入った。

 

『・・何だ、この動き』

 

 その声に束が答える。

 

『何?トラブル?』

 

 次は焦るように答える。

 

『どうしたんだ!?こいつら!』

 

 企業側のオペレーターが何を言っているのか分からないが、どうやら束には分かったようで直ぐに俺に警告をしてきた。

 

『里穂君!気をつけて、人形の動きがおかしい!』

 

 束まで何を言っているんだ。人形って・・・UNACのことか。あいつらがどうかしたっていうのか?

 

 見れば沈んでいくアームズフォートの周りで周辺警戒を行っていたUNACの動きが止まり始め、胸部にある緑の光がオレンジに変わりはじめる。

 

『ゆ、UNACがこちらの指示を受け付けん!何だこれは!?』

 

 すると、UNACは甲板にいる俺に向かってライフルを向けてくる。ロックオンの警告音が鳴った瞬間、俺は大きく上へと逃げていた。

 UNAC全四機がこちらに向かって攻撃を仕掛けてくる。

 

『里穂君、束さんでも制御不能みたい。撃破するしかないみたい。全部っ!』

「くっ、了解した!」

 

 向かってくる正面一機を蹴るとそいつの腹部に乗り、滑空しながらアームズフォートに乗っかっているUNACを射撃する。奴もこちらに向かって射撃してくるがボードのようにしているUNACを盾にして銃弾を防ぎ、そのままそいつに向かってUNACとUNACをぶつかり合わせる。

 

「っ!」

 

 後ろから来ていたUNACの一撃にライフルが破損する。が、直ぐに月光を展開して向かってくるUNACの胴を切断する。

 

「せいっ!」

 

 残りの一機とはお互い右旋回しながら撃ち合いになるが、無理やり体の向きを変えて瞬時加速で距離を詰めて月光で破壊する。

 全てのUNACは崩れ落ちながら海へと落下していく。

 

「はぁ・・・はぁ・・・ったく、どうなってやがる」

『ちょっとぉ?説明してほしいな。これは一体どういうこと?』 

 

 声からして分かるが今の束は物凄く不機嫌なのが伝わる。

 それに答えるように企業側のオペレーターが言う。

 

『我々にもわからん。ロジックパターンは、通常通りだったはずだ』

『へぇ、そんな話で納得しろって言うんだ?』

『現時点では説明しようがない。報酬は応分に支払う。それは約束しよう』

 

 確かに、原因不明であるなら仕方があるまいが、原因の特定には頑張ってもらいたい。

 

『ねぇ、そのUNACっていう兵器。何処の?』

『あ、ああ・・・装備自体は我々の会社のものを使用している』

『コアは?私からのアプローチに反応がないなんて・・・』

『コアは篠ノ之博士が開発したものではない。正確には財団、我々の敵から受けたものだ。考えてみればウイルスを仕掛けたのが財団だと思えば納得のいく話だ』

『ふぅん・・おもしろいことやってくれるね』

 

 束はそんな風に答えるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ちょっと突拍子もない話でしたね。
アームズフォート『ギガベース』を出してみました。が、特にそれっぽい戦闘もなしに終わっちゃいましたね。
どちらかというとUNACの話がメインになりました。
ホントはAC4編みたいなのを書きたかったんですが、箒とか出ないことになったので止めました。
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