紅に吠える傭兵   作:青野

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速く女の子とイチャイチャするのを書きたい・・・


魂の場所

 

 

 

「おお、箒。おはよう」

「一夏か。おはよう」

 

 寮を出るときに一緒になった一夏と箒は二人して歩き出す。

 いつも箒と一緒にいる里穂がいないのを疑問を思ったのか、

 

「う~ん、今日も里穂は休みか。何か、重い病気でもなっているのか?」

「いや、それほどという訳ではないんだが、少し体調がすぐれないらしくてな」

「そうか・・・速く元気になってくれるといいんだけどな。今日あたり、俺が見に行こうかな」

「そ、そんな必要はない!もうちょっとだ・・・もうちょっとで・・・」

「・・・?まぁ、箒がそういうのなら」

 

 事情を知っている箒としても里穂が束とともに戦場を駆け回っているなど言えなかった。言えば一夏なら自分も戦うなどと言い出すからだ。

 

 ただえさえあの財団討伐宣言から一夏はずっとソワソワしているのだから。

 

「兎に角、もう少しで里穂は治るらしいから、今はそっとしておいてやってくれないか」

「お、おう」

 

 箒はピタッと止まり、空を見上げた。

 

 ―――――私は里緒のことが好きだ。愛している。今ならハッキリそう言える。彼が悲しそうに、寂しそうにする時はいつもこの胸がキリキリと痛くなる。

 支えてあげたい・・・抱き締めてあげたい。

 

 私がそう勝手に思っているだけ、里緒が私のことをどう思っているかなんて分からない。

 

 この数カ月間で私は里緒のことを好きになってしまった。

 同時に一夏へ対する自分の気持ちに裏切りを感じてしまった。当然、どうしようもない負の感情に覆われてしまった。

 けど、それでも・・・私は・・・。

 

 待っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『今度は途中で止めたりしない。最後までよ』

 

 俺たちが工場地帯に到着するなり、待機していた敵のISが話しかけてきた。今度はどうも本気で俺たちを殺るつもりらしい。

 

『ねぇ・・君たちを一体何が駆り立てるっていうの?』

 

 束が訪ねた。

 彼女は言った。

 

『昔話をしてあげる。世界が破滅に向かっていた頃の話よ』

『神様は人間を救いたいと思っていた。だから、手を差し伸べた』

『でもそのたびに、人間の中から邪魔者が現れた。神様の作ろうとする秩序を、壊してしまう者』

『神様は困惑した。人間は救われることを望んでいないのかって』

 

 束は言った。

 

『あれこれ指図されたくない。それだけのことなんでしょ?』

『そうかもね。でも神様は人間を救ってあげたかった。だから先に邪魔者をみつけだして殺すことにした』

『そいつは『黒い鳥』って呼ばれたらしいわ。何もかもを黒く焼き尽くす、死を告げる鳥』

 

「あんたはそれになりたいっていうのか?」

 

『・・・本当はそうなのかもね。でも私は』

『私は、もう負けたくないだけ。何にも、何にも』

 

 

 

 

 

 

 

 

『始めましょう。殺すわ、あなたを』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次の瞬間、前方から青のISが飛んできた。

 どうやら武装は前回と同様であるが、前回よりも明らかに強い。機体の特性を活かして何本もある柱の上から攻撃してきたりなど非常に厄介な相手である。

 

 だが、

 

「フンッ!」

 

 ショートレンジミサイルを撃墜し、レーザーを避けて横移動しながらライフルとマシンガンの弾を集中する。

 

 そのまま奴が着地するのと同時に肩のミサイルを放った。奴はヒートマシンガンで撃墜するも、そのうちに何発かを正面から受ける。

 

『ぐっ!』

「はぁぁっ!」

 

 敵の上空に飛んで射撃を続け、着地と同時に月光を展開。そのまま瞬時加速で敵の背部から斬りかかる。

 

『っ!』

 

 なんとか後ろへと回避したのだが、それでも月光の斬撃は確実の奴を捉えており、ダメージはかなりのものである。

 

 敵は各部から炎を出しながら後退する。

 

 まさに虫の息。

 これ以上戦えるとは思えなかった。

 

『まだよ!まだ私は戦える!!』

 

 そう言って火を上げているヒートマシンガンをもった左手をパージした。

 こいつも左腕が義手なのか?

 

 奴に残った武器はレーザーライフルとショートレンジミサイル。ダメージもかなりものであり、俺に勝てるわけがなかった。

 それでも彼女は進むことをやめない。戦うことをやめない。

 

 俺がそうであるように、彼女もまた戦人だ。戦うことしか知らない。

 

 まるで俺たちの居場所は戦場にあるかのように。

 

 

 

『ここが!この戦場が、私の魂の場所よ!』

 

 

 

 彼女はそう言いながらレーザーライフルを構えて突撃して来る。

 それを見て俺は笑った。

 

「ああ・・・そうだよ。その通りだ!」

 

 この戦場こそが魂の場所。誰にも譲れない。確かな場所だ!

 

 俺は彼女のレーザーライフルを正面から受けつつも両手に月光を展開した。

 

『はぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!』

「やぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 

 二つの月光の光が青と黒の機体を覆った。ISは炎上しながら片膝を着く。

 

「・・・・あんたとは、いい戦友になれそうな気がしたんだがな」

『好きなように生きて、好きなように死ぬ。私は・・・私の好きな人たちの為に戦う・・・エゴイストだと言われようと、それが私のやり方』

 

 束がそう言った。

 

『傭兵、あなたは優しいのね・・・私は選ばれなかった。でも・・・さよなら、これで良かったのよ』

 

 ボロボロになったISは炎上し、そのまま爆発した。もはやパイロットはた助からないだろう。

 それでも、彼女は彼女なりの戦いをしたのだ。

 俺がどうこう言える話ではない。

 

『まぁ、こんなもんかね。彼女は死神の中でも遅かったし、強いとは言い切れない。終わってみれば呆気ない』

 

 財団か。

 

『唯一の男性パイロットが使う白式も、第四世代型の紅椿も、存外大したことないね。この戦いで僕らが殺した候補者の数は全部で五十一人。彼女が五十二人目か。もうめぼしい奴は残っていないと思うよ。君以外は』

 

 確かに、一夏たちだけじゃこいつなんて相手にならない。瞬殺もいいところだ。

 

『そして、ここでこれから君も死ぬ!』

『あんた・・・一体何がしたいの!』

『神様は間違えている。世界を破滅させるのは人間自身だ』

 

 人間が世界を壊す?

 

『この反応!里穂君!気をつけて、敵がたくさんいる!』

 

 見れば正面から浮遊している目玉がレーザービームを撃ってくる。直ぐに一旦引いて目玉を撃墜していく。

 先ほどの戦闘によっていくらか消耗してしまったが、戦えないことはない。このまま一気に押し切る!

 

「ふっ!」

 

 目玉をジャンプして蹴り、前方から近づいてきた全ての敵を蜂の巣にする。

 

 数分もすれば全ての敵を倒すことに成功した。

 

「っ・・・ふぅ・・ふぅ・・・・」

 

 なんとか増援を倒すことが出来たがこれ以上は厳しいな。

 すると、財団から通信が入ってくる。

 

『素晴らしい、まったく驚異的だ。何故、僕がUNACをばら撒いたのか。人間の可能性を知り、情報を集めるためだ』

 

 人間の可能性?

 

『僕は君の挑戦する。そして、抹殺する』

 

 俺はISを反転させて、着陸している大型ヘリに向かって歩き出した。

 

『人間に可能性など存在しない。それを証明してみせる!』

 

 束が言う。

 

『あんたは人間じゃないの?』

 

 財団は俺たちを嘲笑するかのように答えた。

 

 

 

『人間だよ?昔はね』

 

 

 

 

 

 




ようやく死神部隊、財団の終わりが見えてきました。
取り敢えず、死神部隊リーダー倒すところまでは書きます。
その後まではまだ今は考えていませんのでご了承ください。
次回もよろしくお願いします。
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