紅に吠える傭兵   作:青野

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乱入者

 

 

 

『こちらN。パーティーの準備は出来ているのか?もう少しで到着するぞ?』

「こちらM。いいわよ。結構時間かかっちゃったけど。けど、これを取り逃したら学園祭までは無理だから、ちゃんと情報収集やってよね」

『ふっ、そのくらい分かっている』

「なら、福音戦で奮闘したあのISの実力を測りますか」

『ああ・・・奴が候補者になりえるのか、どうか。悪いが、俺はDほど、甘くはないぞ?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『逃げずにここに来たことは素直に褒めましょう』

 

 セシリア・オルコットは俺がいる地表よりも二、三百メートル上の上空で待機していた。その手には大きなエネルギーライフルが握られている。

 全身から俺を叩きのめすようなそんな黒いオーラと、何処か男だと思って油断しているようにも感じる。

 一夏の時に学習したんじゃないのかよ。

 

 見ればアリーナの客席には多くの生徒、教師が見に来ていた。

 転校して直ぐの二人目の男とイギリス代表が決闘をしたのだ。そこにどういった経緯があれ、そんな問題児がどういう戦いをするのか。

 また、俺が叩きのめされるところ見たい、などという数多の視線が俺たちを見ていた。

 

「生憎、勝てる勝負に俺は逃げない主義でね」

『あら、それは私があなたより劣ると言いたいのですか?』

「どう汲み取ってもらおうと構わない」

 

 俺はオルコットに対してニカッと笑う。

 

『(さっきから何なんですのその自信ありげな目は。彼は確か何処か企業のテストパイロット。今までの経緯はその企業でずっと匿っていたということになっています。なら、必ずスナイパーの不得意とする接近戦を仕掛けてくるはず。甘いですわ、そう簡単にこのわたくし、セシリア・オルコットとブルーティアーズが近づけさせるとでも?)』

 

 見ればオルコットはニヤニヤしている。まるで、もう勝った気になっているようだ。

 

『(近づいてきた所を一気に・・・)』

 

 まぁ、あいつの考えそうなことはわかっているんだがな。

 どうせ、ワザと近づけさせて罠に嵌める気なのだろう。

 

『試合開始!』

 

 同時にオルコットが射撃開始。俺は前後左右に地表の上で回避しながらブルーティアーズを捉える。

 

『さぁ!踊りなさい!わたくしとブルーティアーズが奏でる円舞曲で!』

 

 容赦なく放たれてくるレーザーの雨を俺はヒョイヒョイと回避していく。

 

「っ!」

 

 一発正面に直撃を受ける。

 ガリッとエネルギーが削れる。

 

『おぉっほっほっほっ!大したことありませんわ!』

 

 ふぅ・・・なるほど。あくまで百発百中。正確無比。流石はスナイパーと言ったところか。

 

『さぁ!さぁ!』

 

 次にオルコットはブルーティアーズに搭載されている四基のビットをこちらに飛ばしてきた。そして、四方向からレーザー攻撃を仕掛けられてきた。

 

「っ!」

 

 当然その分回避するのが面倒だったりするので、ちょいちょい被弾していったりする。おかげか気づいた時にはシールドエネルギーが半分近く削られていた。

 ちっ、そろそろ仕掛けてみるか。ここまでの前座をオルコットに渡したんだ。ここからは俺のターンといこうか。

 やられっぱなしは主義じゃないんでね。

 そう思って武装を展開しようとした瞬間だった。

 

『上空に高熱源体を確認』

 

「っ!」

 

 次の瞬間、アリーナの上空が爆発。シールドを突き破って黒い物体が俺とオルコットの間に落ちてきた。

 シュゥゥゥ・・・・。

 まるで隕石でも落ちてきたかのような大きな衝撃と未知なるものへの異様な雰囲気が俺とオルコットを包んだ。

 

「オルコット、下がってろ」

『え、ええ・・・一体はあれは・・・』

「分からん。だが、見る感じにはあまり交友的には見えない」

『はい・・・確かにその通りですわね』

 

 すると、山田先生から通信が入ってきた。

 

『二人共!一度ピットに戻ってください!』

「だが・・・」

 

 目の前に各状況が入ってきた。どうやら、ピットへと通じるゲートは封鎖されておりアリーナの客席側も出入り口を封鎖し、他の生徒たちは閉じ込められていた。一応、緊急用の三重シールドで展開されているが、ISの全力攻撃を何度か受ければ破壊されてしまうだろう。

 幾ら憎まれ口を言われようと、死んでいいまでとは俺も思ってはいない。

 

 煙が晴れてそこにいるのだが何なのか理解出来た。

 

「あれは・・・」

 

 何処かで見たことがあると思ったが、あれは福音戦の時にいたあの黒いISだった。黒い

ボディに真紅のラインが入っており、多少なりとあの時のISとは形状変化していたが、あのISの仲間だと思って間違いはないだろう。

 全身フルアーマーに右手にはパルスマシンガン、左手にはショットガンを装備している。異様な殺気は俺たちに敵対していると言って間違いはないだろう。

 

「オルコット、分かっていると思うが・・・」

『ええ、分かっています。もう少しすればピットのゲートを一夏さんたちが突破してくれるはずです』

「ああ、そうだな。それまで、こいつが周囲に被害を及ばさないように注意を引けばいい」

『ですが、倒してしまっても構わないんでしょう?』

「ほう、面白いことを言うな。なら、全力でいくぞ!」

 

 と、黒いISが動き始めた。両手の武器を構えて俺たちにこう言った。

 

『恐れるな、死ぬ時間が来ただけだ』

 

 その言葉が合図になったのか、ISは一気に距離を詰めて襲ってきた。パルスマシンガンの牽制とショットガンによる近接攻撃。

 

「っ!」

 

 しかし、それを妨げるかのようにレーザー攻撃が黒いISを襲った。見ればオルコットが援護してくれていた。

 俺は直ぐにライフルとマシンガンを展開して応戦する。

 オルコットが上空から援護射撃、俺が地上で撃ちまくる。きちっとしたフォーメーションが出来ていたが、それでも奴を倒す決定力に欠けていた。

 

『さて、どうします?』

「と、言われてもな・・・」

 

 さてと。どうしたものか・・・。

 

『このままではジリ貧ですよ!』

 

 ISはターゲットを俺からオルコットに変更して攻撃を開始した。

 

「ちっ、お前らは何者なんだ!」

『ふん、そんなことはどうでもいい。我ら目的の為ならどんな犠牲でも払う』

 

 聞く耳持たずってやつか。

 

「舐めるなっ!」

 

 オルコットに向かっていったISの背中を思いっ切りジャンプキックを入れる。強烈な蹴りにISは態勢を崩す。その隙に集中砲火を浴びせるがそれでも黒いISは銃弾の雨を抜けて構わず弾幕を張ってきた。

 

「ちっ、渋いとい奴め」

 

 ていうか、そろそろ一夏たちが突破して助けてくれるのじゃないのか?割と時間経っている気がするんだがな。

 

「オルコット、一旦距離を―――――――」

『そう簡単には逃がさんぞ』

「っ!」

 

 ショットガンとパルスマシンガンの嵐。

 ていうか、さっきからなんだ。俺ばっかり狙いやがって。確かに、オルコットが遠くにいる限り俺を即座に排除するのが普通なのだが・・・・・どうにも、解せん。

 

「おい!お前ら一体何者なんだ!」

『ふん、それを聞いてどうする?お前に何か出来るのか?』

「はっ、出来ない訳じゃねぇよ!」

 

 ライフルの弾が尽きたいので、捨てて近接武器の刀を展開する。

 

『俺たちには目的がある。それにお前は選ばれたのだ』

 

 目的、俺が?選ばれた?

 

『他に織斑一夏、篠ノ之箒。この二人が候補としているな。どちらもここにいるのだろ?ならば・・・』

「・・・やらせねぇよ」

 

 刀でガキンッ!と奴のショットガンを弾いた。

 

「もう誰も・・・」

 

 例えどの時代を生きていようと、誰も死にたいなんて思わない。俺を含めて。だからこそ、俺はあの誘いを受けた。

 レジスタンスに入ろうと思ったのだ。

 

 今は立場は違えど、あの頃の思いと。なんらか変わりはない。

 

 

 

 

 




はい、出てきました死神部隊三番機N。
ACVDではセリフはかっこいいのに、ストーリーにはなんの絡みもなくて撃破されてしまいますねww
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