ソードアート・オンライン CHOSE the start Over   作:鉄血

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第十一話

朝───。

私達は転移門の前でザッシュさんを待っていた。

 

「ザッシュさん遅いですね・・・もう日の出なのに・・・」

 

「寝坊か?それとも怖くなって逃げたか・・・」

 

「ユーリ。それはザッシュさんに失礼だよ?」

 

「悪い悪い。けど、このままじゃ出発は出来ないぜ?」

 

そう。もうすぐ出発の時間になる。そんな状況かワイズマンさんは焦る雰囲気を隠さず、私達に言った。

 

「マズいですよ。早く行かなきゃ置いていかれる」

 

「でも四人パーティーで行くって言っちゃいましたから、ザッシュさんが来ないと参加出来ませんし・・・」

 

「あぁ・・・完全に遅刻だ・・・」

 

項垂れるワイズマンさんに私とユーリは互いに顔を見合わせて苦笑する。そしてワイズマンさんはハッとした様子で何か思いついたようだった。

 

「ユーリ、それにイオリさん。とりあえず僕が先に行ってディアベルさんに事情を話します。それで、本隊との合流地点を後で連絡するのはどうでしょう?」

 

その提案に私は頷いた。

 

「それがよさそうですね。じゃあ、私とユーリはザッシュさんを待ってます」

 

「よろしくお願いします!」

 

走り去っていくワイズマンさんを見送り、更に数十分───

 

「・・・来ねえな」

 

「・・・うん。ザッシュさんどうしちゃったんだろう?」

 

「やっぱり逃げたか・・・?それともただの寝坊か・・・」

 

確かあの時は寝坊で遅れた筈だ。だが、トラブルがあったというのも否定できない。

そんな心配をしつつ、もう少し待ってみると、こちらへと近付いてくる足音があった。

 

「あっ!いた!」

 

その足音の持ち主はザッシュだ。急いで来たのだろう。汗を流しながら頭を下げる。

 

「マジでごめん!寝坊した!」

 

「遅刻だ。もう本隊は先に行ってんぞ」

 

「マジで悪い・・・あれ?もう一人は?」

 

ワイズマンさんがいない事に気付いて、辺りを見渡すザッシュに、私は言った。

 

「ワイズマンさんには先に行ってもらっているんです・・・」

 

「あぁ・・・その、すんません・・・」

 

申し訳なさそうにする彼にユーリは立ち上がる。

 

「んじゃ、全員揃ったことだし行くとしますか。とりあえず、ワイズマンに連絡しておかないとな」

 

「そうだね」

 

私は頷きながらワイズマンさんにメッセージを送る。そして返信はすぐにきた。

 

「・・・・《迷宮区の内部で合流》とのことです。それじゃ早く行きましょう」

 

「おう!」

 

「ああ」

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

迷宮区に向かう道中はあっという間だった。

武器を強化したユーリと私の剣が遭遇したモンスターを一撃、もしくは二撃で倒していく姿を見て、ザッシュも驚いていた。

ここの懸念はサーユさん達がベータテスターだとバレて追われているとメッセージが来たことを私は記憶している。

だから昨日の夜、事前に私は手を打った。

 

『最近、他のプレイヤーからは私達ベータテスターの当たりが強いみたいだから、もしベータテスターという事がバレて逃げるときは私達が来るまで宿屋で隠れていてと』

 

向こうからもOKと返事が来たから、大丈夫だと思う。もう誰も死なせたりしない。サーユさんも。カルも。そしてユーリも。

もうすぐ迷宮区に入る。ここから先、ボスを攻略をするまで私達はメッセージを読むことは出来ない。

だからここから先は何も起こらない事を願うしかない。

 

「イオリ!ここから迷宮区だ。ザッシュも気を引き締めろよ?」

 

「へへっ!そう言うユーリも油断すんなよ?」

 

そう張り合う二人に私も頷いた。

 

「うん。一緒に生きて帰ろう」

 

上手くいく───そう、思っていた(・・・・・・・・)

 

 

甘く見ていた。私がユーリに対してユーリが私に対して信頼、信用しているように───

 

サーユさんは私達よりもクラークさんに絶対的信頼を置いていることを私は気付けなかった。

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