ソードアート・オンライン CHOSE the start Over   作:鉄血

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第ニ話

部屋のモンスターを粗方倒した私は、背中に大剣を背負い直しているユーリに近づいて、女性だとバレないように言った。

 

「いつかと同じだな。流石に今回は危なげない感じだったけど。オレもさっき来たばかりでな。ベータのフレンドリストが無事残ってて良かったよ。マップを見たら丁度あんたの名前が点灯したからこの辺りで待ってた」

 

そう言う私に彼は疑いもせず、辺りを見渡しながら言う。

 

「ほーう?イオリもそうなのか。しっかしイオリが居てくれて助かった。はじまりの街に転移するのかと思ったらこんな所に飛ばされるとは・・・今日はお互いに災難だったな」

 

「でも、お陰ですぐに再会できたし、運命(・・)ってやつかな?」

 

笑って誤魔化していると、ユーリがふと目を丸くする。

彼がメニューウィンドウを開くのを見て、私は言った。

 

「仲間からか?」

 

「ああ。はじまりの街の転移門広場で待ってるってさ」

 

そう言う彼に私は内心で安堵した。

良かった。ワイズマンさんやユーリさんも生きてる。

心の余裕というのだろう。彼等が生きているとまた話が出来ると思っただけで、心が軽くなっていく。

 

「よーし!なら、オレらも早いとこ皆に追いつこうぜ!カルとアルゴともそのうち会えるだろ!」

 

「おう。なら、早く出発しないとな・・・っと、そう言えばイオリはさっきログインしたのか?イオリのことだからもっと早くにログインしてるかと思っていたんだが」

 

「ホントはそうするつもりだったんだけど、リアルで予定が立て込んじまって・・・そのおかげでログインしたのが今だったんだよ」

 

「そうか・・・。だったら、さっきのイベントをイオリも体験してるよな?《使命》とか《地上人》とか言ってたやつ。ベータの時は無かっただろ?」

 

その言葉に私は───

 

知らない(・・・・)な。変なイベントだったし、そのうちわかるだろ。さ、とにかくここを出て街にいこう」

 

そう強く否定するような口調で答えた。

 

「お、おう・・・?そうだな」

 

そんな私に気圧されたかのように、ユーリは困惑の声を上げつつも、私達ははじまりの街へと歩み始めた。

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

はじまりの街への道のりは簡単なものだった。

あのデスゲームが発表された時から、ユーリとずっとコンビを組み続けた私にとって彼の連携に合わせる事は容易だった。

はじまりの街についた私達は、転移門広場まで歩きながら道中の出来事について談笑する。

 

「いやあ、イオリのおかげで助かったぜ。すぐにフォローに入ってくれたお蔭で戦いやすかった」

 

「もしかして俺達は息が合うのかもしれないな!」

 

「最強コンビ爆誕ってか?はは、そりゃあいい!」

 

そんな他愛のない会話をしていると、遠くで自分達を女性の呼ぶ声が聞こえてくる。

 

「おーい!こっちこっち!」

 

そう言いながらこちらへと走ってくる彼女の姿に私は思わず笑みが浮かんだ。

 

「サーユ!久しぶりだな!」

 

「イオリもユーリもひっさしっぶり〜!そっこー会えてよかったー!!」

 

「これだけ人が多いと見つけるのが大変かと思ってました。アバターが変わってなくて助かりましたよ」

 

そう言うワイズマンに私も言う。

 

「そう言うそっちも同じなんだな」

 

「僕ら、リアル寄せがポリシーなんです」

 

「へぇ・・・」

 

適当な相槌をうちつつ、私は次の言葉を口にしようとしたその時だった。

リンゴーン、リンゴーンという、鐘のような───あるいは警報音のような広場中に響きわたる。

沢山の人が《転移》し、広場に集められる。

 

「なになに!?いっぱい広場に集まってくるよ!?」

 

「これは一体・・・?」

 

サーユが慌てたように辺りを見渡すが、私は冷静だった。

とうとう始まる。

この美しい仮想世界がそのありようを永久に変える出来事に。

 

 

 

 

 

 

そう。この世界での死がリアルでも死ぬことになる───デスゲームに。

 

 

 

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