ソードアート・オンライン CHOSE the start Over   作:鉄血

5 / 5
第五話

「ユーリ!スイッチ!」

 

「おう、任せな!」

 

私が《ダイア・ウルフ》の攻撃を左手に握った盾でいなし、狼の隙が出来た瞬間をユーリが手にした両手剣による斬撃が狼の首を跳ね飛ばす。

HPバーがゼロになった瞬間、空中で不自然に停止し、パシャアッ!と青い光のポリゴン片となって爆散した。

加算される経験値、ドロップした素材アイテムに私は目もくれず、ユーリに近づいた。

「おつかれ様、ユーリ」

 

「おう、イオリもな。無事だったか?」

 

「うん。私は平気だよ」

 

そう答える私にユーリは剣を担ぐと、見えているホルンカの村に目を向けた。

 

「そうか。なら早く《ホルンカ》に入ろうぜ。ワイズマンが待ってる」

 

「うん、そうだね」

 

そんなやりとりをしながら私達は《ホルンカ》へと入ると、ワイズマンさんが宿屋の前で待っていた。

そんなワイズマンさんにユーリが手を上げる。

 

「よお、ワイズマン!そっちも無事だったみたいだな!」

 

「ええ。上手く合流出来て良かったです。貴方達も無事で何よりですよ」

 

安堵するワイズマンさんに私は笑った。

 

「ここまでベータテストと一緒だったし、なんとか」

 

「そうですね。きっと《森の秘薬》クエストも変わりないでしょう。だとしたら、クエストNPCは民家の前にいる《村のおかみさん》といった感じの女性です。ついてきてください」

 

私達はそうしてある一軒家の前まで向かい、そのおかみさんへ話しかけた。

 

「あの、何かお困りですか?」

 

幾つかある、NPCクエスト受諾フレーズが発生し、ゆっくりと顔を上げるおかみさんの頭上で、《?》が点滅した。

 

「旅の剣士さん、実は私の娘が・・・」

 

───娘が重病にかかってしまって市販の薬草を煎じて与えてもいっこうに治らず、治療するには西の森に生息する捕食植物の胚珠からとれる薬を飲ませるしかないが、その植物がとても危険なうえに花を咲かせている個体が滅多にいないので、自分の代わりに取ってきて欲しいというものだった。

 

クエストの内容も何も変わっていない。

私はすぐにお任せくださいと言ってから、三人でその場を後にした広場に戻った私達はすぐに《ネペント》についての情報を共有する。

 

「改めてクエストの内容を確認します。メインフィールドは《西の森》。出現率の低い《花付きのネペント》を倒すと、そのキーアイテム《リトル・ネペントの胚珠》がドロップします。ここまではいいですね?」

 

そう聞いてくるワイズマンさんに私達は頷いた。

 

「《リトル・ネペント》には先ほど言った《花付き》の他に《実付き》も存在します。《実付き》の実に攻撃をすると破裂して仲間を沢山呼ぶので倒すときは実を攻撃しないように気をつけてください」

 

「ちなみに・・・うっかり傷付けちまったらどれくらい仲間を呼んでくるんだ?」

 

「五十匹くらいだったかな?私の時はそれくらい集まってきた覚えがあるよ」

 

そう言う私にユーリはうげっとした顔をしながら言う。

 

「なら、実を傷つけないように気をつけねえと」

 

「でも、クリアすれば《アニールブレード》が貰えるはずなの。強化すれば二層までなら充分に戦える武器だよ」

 

「・・・《アニールブレード》?確か片手剣だろ?俺、ビタイチ片手剣スキルなんて上げてねえし。手に入れたらイオリにやるよ」

 

「まあ、そういうわけです。キーアイテムの奪い合いになる前に早く森へと向かいましょう。二人も準備ができたら行ってください。私も早速準備をしますので」

 

「わかりました。ワイズマンさんも気をつけて」

 

走り去っていくワイズマンさんの後ろ姿を見送った後、私はユーリを見た。

 

「だったら、俺達も準備をしなくちゃいけないな。イオリ、俺は先に防具を身にいくつもりだが、イオリはどうする?」

 

そう言う彼に私は言った。

 

「私は道具屋でポーションを買ってくるね」

 

「なら、俺のも頼む。金も幾らか渡しておくから頼むわ」

 

「分かった。三十分後にここで合流でいいかな?」

 

そう提案する私にユーリは頷いた。

 

「おう、分かった。じゃあ、三十分後にまたな」

 

そう言って歩いていく彼に───私は────

 

「・・・うん。また、三十分後に、ね」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

直葉「お兄ちゃーん、あの人に手を出されたー。」キリト「お前を〇す」(作者:狩宮 深紅)(原作:ソードアート・オンライン)

性懲りもなくまた書きに来ました。▼ちょっと重めで策士な直葉ちゃんのSSです。▼内容は…。まあ、タイトルの通りです。▼時系列は本編終了後を想定しています。


総合評価:3453/評価:6.46/連載:13話/更新日時:2026年04月05日(日) 02:00 小説情報

【急募】幼女アイズの幻覚見えてるんだけどどうしたらいい?【ロリコンではない】(作者:透明な器)(原作:ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか)

掲示板形式ではありません。▼幼女アイズの幻覚(だと思ってる)が見えてる少年が主人公のお話。


総合評価:6020/評価:7.86/連載:4話/更新日時:2026年04月24日(金) 12:41 小説情報

なんでも一つ願いが叶うらしい(ただしその条件は鬼畜とする)(作者:イーサン・W)(原作:ソードアート・オンライン)

▼気づいたらSAOの世界に迷い込んでしまった主人公。▼目の前に浮かぶウインドウ。そこに書かれた内容は──▼ミッション▼ ▼ ▼・多くのプレイヤーの救済▼ ▼・主要キャラの死亡回避▼ ▼・ラスボスの討伐▼ ▼・ゲームクリアをすること▼どうやら主人公はこのミッションをSAO内でクリアすることで、なんでも願いが叶うらしい。▼だけど鬼畜みたいな難易度だ!▼元の世界に…


総合評価:6033/評価:8.52/連載:9話/更新日時:2026年05月04日(月) 00:06 小説情報

助けた女の子に「…責任を取りなさい」と迫られてる件(作者:萩月輝夜)(原作:魔法科高校の劣等生)

全てを失う筈の少女が転生してスパダリになった少年に脳を焼かれたらどうなるか。▼※この作品は一部劇場版魔法科高校の劣等生【四葉継承編】のネタバレを含みます。ご了承ください。▼真夜とのイチャイチャをみたいが為の自己満二次創作です。▼ツンデレ真夜様可愛い。▼軽い気持ちで見てください。タグ追加予定。▼毎日更新は無理なので週一で更新出来たら頑張ります。


総合評価:8210/評価:7.93/連載:13話/更新日時:2026年06月26日(金) 10:32 小説情報

コナンくんがめっちゃ見てくる(作者:ラゼ)(原作:名探偵コナン)

彼は『名探偵コナン』のVRゲームを製作中、テストプレイ用のキャラでその世界へ入り込んでしまった。とはいっても特殊な能力などほとんど持ち合わせてはおらず、むしろ戸籍も経歴も金もない状態でどう生きるかを模索する──


総合評価:54113/評価:9.04/連載:10話/更新日時:2026年05月07日(木) 04:20 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>