ソードアート・オンライン CHOSE the start Over 作:鉄血
《トールバーナ》
「・・・たく、ワイズマン急かし過ぎだつーの。目的に着いたとはいえ、休憩も無しに直行はさすがに神経を擦り減らすぜ」
「いや、ですね?ユーリ。ディアベルさんのいう計画に僕達が間に合わなかったら、せっかく勧誘してくれた彼の期待を裏切るのも違うじゃないですか?」
「お前はそういうとこがあるから・・・まあ、今に始まったことじゃねえから俺はあんまり気にしねえけど、イオリだっているんだからな?そこんところはしっかりしてくれよ?」
「あ、あははは・・・でも三人無事で良かったね」
そんな会話をしながら私達は《トールバーナ》の街の中心へと向かう。
その道中でかなりのプレイヤーとすれ違い、ユーリが言った。
「・・・結構プレイヤーがいるな。まあ、一ヶ月も経つしそんなもんか」
「そうだね。《トールバーナ》は一層の迷宮区に一番近い街だから最前線で戦うプレイヤーが多いかも」
「なるほどな。実力者揃いってわけか」
ユーリの疑問に私はそう答えつつ、私はワイズマンさんを見た。彼は彼で別の事で悩んでいるようだった。
「あー・・・やっぱり最初のスタートダッシュが響いたかな・・・ディアベルさんの計画、終わってないといいんですが・・・」
と、不安そうなワイズマンさんがハッとしたようにメニューウィンドウを開く。
「ディアベルさんからの連絡!」
「どんな内容なんだよ?」
そう急かすユーリにワイズマンは言った。
「攻略会議・・・!これから第一層の攻略会議を開くそうです!それも今日の夕方に!間に合ってよかったぁ!」
喜ぶワイズマンさんを横目に私はユーリに言った。
「とりあえずその会議には出てみよっか。攻略に参加するかどうかは内容を聞いてからってことでいい?ユーリ」
「それもそうだな・・・。攻略会議は夕方なんだろ?まだ時間あるし、アイテムの買い出しに行ってもいいか?」
「そうですね。なら、合流は現地で集まるという事で。会議の場所は町の中央広場。午後四時から会議が始まるそうです」
「りょーかい」
「分かりました」
集合場所と時間を聞いて私達は一度解散した。
「あ、そうだ。ユーリ、私も一緒について行ってもいい?」
「ん?構わねえけど・・・なんかあんのか?」
そう聞き返す彼に私は言った。
「うん。私もここまでは来るのにアイテムを結構使っちゃったから、ポーションとか買っておこうかなって。それに、ユーリは《トールバーナ》に来るのは始めてだよね。だから色々教えておこうと思って」
私の理由を聞いて納得したのだろう。ユーリは一度頷いた後、私に言った。
「・・・そっか。なら、よろしく頼むわ。イオリ」
「任されました。じゃあさっそくだけど、道具屋はこっち」
そう説明しながら私達は道具屋へと向かう。
二層に入ってからユーリとはこうして一緒に行動していた事はあったけれど、余裕がなかったあの時とは違って今なら分かる。ほかの人から見れば、私とユーリがデートをしているように見えるだろう。
少し恥ずかしさを胸に秘めながら私は、あの時出来なかったユーリとの買い物や散策を時間が来るまで楽しんだ。
このSAOがデスゲームになってから、始めて楽しいと心の底から私は思った。