なんでこの時期ってこんな忙しいの…
話も一応進んで来ました。
エミヤさんとなのはさんが出会います。
あの火災から私は各地を回るようになっていた。
この世界がどんな世界なのか知りたかった。
この世界には、魔法がある。そのことを知った。
魔法…それは、私の知るそれとは違うもの。
私の知るそれは、奇跡のようなものだった。
しかし、この世界の魔法と言うものは、技術として確立されたもの。私の知るものとは全くと言っていいほど、違ったものだった。
また、私はロストギアと呼ばれるものを知った。
膨大な魔力を孕んだそれは、恩恵と災害を呼ぶ。
あの火災の時に破壊したあれもロストギアだったのだろう。
あの時のように、暴走することもある。また、その力を間違ったことに使う輩も出てくるだろう。
実際、私は犯罪を行おうとしているものが、ロストギアを行使しようとするところに出会ってしまった。出会ってしまったのなら、見過ごすことは出来ない。
そういう行いをするものを見てしまっては、見過ごせない。
自ら悪を行うものに容赦しない…それがエミヤシロウという男だった。
わたしの耳にも届くような噂にはかなりの信憑性があるものが多い。例えば、なのはちゃんやフェイトちゃんのことなどがその一例。
そんな中、各地でロストギアを用いた犯罪が未然に防がれる。そういう話が耳に入るようなった。
一体誰が?
なんて気になってしまうのは、わたしの悪い癖やろか?
目撃者によると、赤い外套をまとった男が未然に防いだらしい……
今では、「正義の味方」という愛称まであるらしい…
もし、それが本当やったら、活動を始めたあの組織の協力者になってもらいたいくらいや……
そんなことを呑気考える。だけど、この話はもしかするとなのはちゃんの探している人の可能性もある。一応探すのに人を出したほうがええかもしれんね。
機動六課の活動が始まり、新人達も活動を始めた頃からある噂が出るようになった。
曰く、ロストギアを行使しようとした犯罪者が何者かによって捕まる。
曰く、赤い外套の男が各地で人命救助に携わる。
普通ならば、魔法を使うことのできる一般人が何かの捜査などに手を貸したんだろうと思う。
しかし、それは普通ならばの話。
捕まった犯罪者は、ただの強盗やそういうものではなかった。執務官などが直接逮捕に出るようなもの。また、人命救助に関しても、一般人が手を貸せるようなレベルのものではなかった。
いったい誰なのかな?
赤い外套の男…そのフレーズがなぜか耳に残った。
そんなある時、わたしに任務が入る。
ロストギアを破壊せよ、という任務が。
さて、状況は、あまり良くない。
かなりの魔力を持ったロストギアを三体相手にしているが、そのうちの一つが特殊な能力があるらしく、破壊した箇所を修復している。
厄介だ。しかし、三体が連携した動きをしているわけではないし、私が戦ってきた相手に比べるとそこまででもないのでそこまで切羽詰まった状況にはなっていない。
それでも、戦闘が長引くのは、あまり良くない。
ならば、一箇所に集めて、破壊するか…
そう考え、手に剣を投影する。
さて、作戦を始めよう……
ロストギアの破壊命令を受けたわたしはロストギアが確認された近くへと向かっていた。
しかし、何かがおかしい。そんな異変を感じ、茂みに隠れながらの移動を行っていた。
確認された方向へ向かうにつれ、金属のぶつかり合う甲高い音がする。
その音の方向へとすぐに臨戦態勢に入れるようにしながら、向かう。
そこには、赤い閃光が走っていた。
目にも止まらぬ速さで、それは黒い物体にぶつかる。
黒い物体は、三体…おそらく、今回の任務の目的のロストギアだろう。
かなりの魔力を持っているそれは、なす術もなく吹き飛ばされる。
そう、なす術もなくである…
わたしやヴィータちゃんでも、恐らく不可能であろう。
赤い閃光の動きが止まる。
それは、赤い外套をまとった男だった。
顔は見えないがその姿には、見覚えがある。
あの火災の時のあの人…
今では、機動六課の一人であるスバルを救ったあの人…
その後消息不明になったあの人…
「う…そだよね」
そんなつぶやきが口に出る。
男は、そこで手に剣を出す。
その剣をロストギアに投げつける。
剣は、三体のロストギアが集まったそこにぶつかった瞬間、膨大な魔力を放ち爆発した。
ロストギアがあったそこには、何一つ残っていない。
そう、なに一つとして残っていない。
わたしは何が起こったのか分からない。ただ一つわかったことは、あの男の人は、危険であるということ。
「さて、一つ聞かせてもらおう。君は、何者かね?」
男は、こちらを見ずにそうつぶやく。
突然のことに内心驚きながらも平静を保とうとする。
まるでそこにわたしがいることを知っていたかのように…
いや、多分分かっていて、今まで無視してきたのだろう。
立ち上がり、わたし自身の姿を明かす。
「それでは、わたしもあなたに聞きます。いったいあなたは何者ですか?」
「質問に質問で返すか……ふむ、私はエミヤシロウ。ただの正義の味方の成れの果てだよ」
そう自嘲気味に、男は話す。
わたしは、いつでもバインドをかけられるようにしながら、男に近づく。
「わたしは、時空管理局の高町というものです。任意同行をお願いします」
そう言うと男は振り向く。その顔はどこか少年のようで…
見覚えのあるものだった。
「管理局…分かった。行くことにしよう」
男は、エミヤさんは一瞬嫌そうな顔をしたが、承諾してくれた。
高町と名乗った女性と管理局という場所に行くことにする。
組織などそういうものは好きではないが、この世界のことを知るためには、そのうち接触することになっただろう。
それが早くなっただけ。そう考える。
久しぶりに見た彼女は、成長していた。
身体がというだけでなく、その心が。
多くの人を見てきて、いつの間にかその人間の在り方が分かるようになった。
それとともにその人間の心の強さがなんとなくだが分かるようになった。
彼女の心は強い。ぶれない信念があるのだろう。
目に何かに絶望したような色は見えない。
その在り方が私に似ていたから心配であったが、その心配は無用だったようだ。
「ああ、良かった」
そんなつぶやきが口に出た。
エミヤさんは、似ていた。
あの火災のとき、スバルを救ったあの人に…
「あの、エミヤさん…」
「どうした?」
「四年ほど前、空港の火災があったとき、その空港にいませんでした?」
それは、わたしにとって忘れられない記憶の一つ。
あのとき、あの人をそのまま行かせてしまった…
そのあの人に似ているエミヤさん…
偶然なのかな?
「…分かった。答えよう。そうだな…あのとき、一人の少女を救った…」
思い出すかのようにつぶやく……
やっぱり……
なぜだろう。彼があの人であるとどこかで決めつけていたかのように受け入れることができた。
「それから、あなたは、どこに行ったんですか?あの火災の中……」
「ふむ、やはり分かっていたか……」
「はい…あのときあなたから少女を受け取ったのはわたしです。あなたはあの後もと来た方向へ戻った…そして、そこで爆発が起きた。あなたはどうやってあの状況から抜け出したんですか?」
そうそれはわたしの知りたかったこと…
行方不明になった男がなぜ生きていられたのか…
「それについては、教えられない…いや、いつか教えることに なるだろうがそれは今ではない」
「それよりも、君の所属している時空管理局について教えてくれないか?」
「時空管理局を知らない…あなたは、いったい何者でどこから来たんですか?」
「私は、地球の日本という場所の出身だ」
そういえば、エミヤさんどうやって四年過ごしていたんですか?
「何、山には、山の川には川の幸があったのでね。そこまで困るようなこともなかったし、それに、土壌が良ければ、アサシンに教えてもらったように開墾していたよ」
アサシンに教わったことがここで生きてくるとは…
さすがというなんというか…
そうだ。言葉とかは?
「ふむ、特に問題なかったぞ。泊まった村の老人に教わったからな。まあ、お返しに料理を振舞わせていただいがね」
はあ、この人どこでも生きていけるよ…さすがエミヤシロウ…