弓兵の英雄譚   作:菊水餡子

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第19話

「もうすぐ私の目的が達成する…」

そう言って、嗤う男。

その男は、天才であるがゆえに、狂っていた。

過去の王の遺した遺物を用い、世界を混乱に貶めようとする。

「狂人」

人は彼をそう評した。

 

彼の計画は、完璧であった。

あと少し、何もかもが思い通りになる。

しかし、彼の計画にイレギュラーが生じる。

あの赤い男だ。どこから取り出したのか奴の手には、大きな剣。

奴は、デバイスを使わずに、ガジェットを破壊する。

 

面白い…この世界には、私の知りえなかったものがある。

それだけで、興味が湧いた。

奴は何者だ。面白すぎる。

彼の情報を集めるが、何者かによって操作された情報しかなかった。

 

管理局、いや、機動六課は何を隠している。

奴は何者だ?奴の正体は?

 

「くはははははははぁぁぁぁぁぁ」

天才は嗤う新たな玩具を見つけたから…

 

 

エミヤside

エリオからの情報にどうやらなのはが対応したようだ。

そこで、新たな連絡が入る。

どうやら、ガジェットが複数体目撃されたようだ。

 

どうやらこの近くらしい。これは、私が出なくてはならないかもしれないな。

意識を戦闘態勢に持っていく。

 

「エミヤさん…何かあったんですか?」

隣にいたアインが聞いてくる。

「何、特に心配する必要はないよ。すこし近くで事故があったらしい。私が出なくてはいけないかもしれないから、情報を待っているところなんだよ。アインも事故には、気をつけてくれ」

そう言って、彼女の頭を撫でる。

背丈のほどは、私の姉であったあの少女と変わらない。

姉と彼女をどこかで、重ねていたのかもしれない。

 

「だ、大丈夫です。気をつけてますから」

そう言った彼女の頬は赤くなっていた。子供扱いしたのが、恥ずかしかったのだろうか?それならば、手を離さなくてはな。

手を離すと彼女は、そっぽを向いてしまった。ふむ、何がいけなかったのだろうか?気安く触ってしまったことだろうか?

 

ちょうどそこで、新たな連絡が入る。

 

「エミヤさん。公園の近く、北西方向にて、ガジェットの反応がありました。至急現場に向かい、一般人の安全を確保。また、ガジェットの殲滅をお願いします」

 

どうやら、出番が来たようだ。

「アイン…申し訳ないが、仕事が入った。君は安全な場所に逃げてくれ」

それに彼女は驚く。

「あ、安全な場所って、え?何があったんですか?」

「申し訳ないが、企業機密とでも思ってくれ。

そうだな、向こうのビルの方に逃げてくれ」

 

そう言うと、何かを察したのか彼女は、ビルの方に向かう。

さて、ここからは、仕事だ。

 

 

あらかたの一般人の避難が完了したところで、ガジェットを発見した。

 

さて、両手に意識を向け、ある二刀の剣をイメージする。

幾たびの戦場を共に切り抜けてきたあの剣を。

 

「投影開始」

 

何もなかったはずの両手に重さを感じる。

ああ、そうだ。やはりこの剣だ。

 

 

ちょうど、そこで、ガジェットも私を視界に捉えたようだ。3体のガジェットが突撃してくる。

しかし、あまり連携をとっているようには思えない。

 

一つ一つのガジェットに、攻撃を加える。

ガジェットはその攻撃によって、真っ二つになっていた。

どうやら、そこまで耐久性に優れているわけでもないようだ。

 

ならば、奥に見えた、十体ほどのそれに向かう。

 

数体が気づき、攻撃を加えようとしてくるが、その時点で、すでに遅い。

 

ガジェットが2度と動かないように動源があるであろうそこに攻撃を加えていく。

 

数分とかからずガジェットの殲滅は終わってしまった。

 

 

「ああ、さて、他の隊員に連絡を取らなくてはな………

こちらエミヤ。公園の敵戦力の殲滅を完了した。他方の情報を求む」

 

「こちら、現在ヘリにて、発見された少女とロストロギアと思われるものを本部に運ぶところです。もしかすると、襲撃があるかもしれませんので、護衛お願いします。

場所については、地図を送ります。それで確認してください」

本部の連絡担当との通話は終わる。

 

受け取った地図を見るとそこまで遠くないようだ。

 

さて、ここから、敵は戦力を増強させて来る可能性もある。それに、情報にあった、召喚士たちが現れるのは間違いないだろう。もしかすると、プラスで新たな敵が現れるかもしれない。

 

これは、急いだ方が良さそうだ。

自らの足に強化をかける。これで、移動時間は短縮できるはずだ。

私は、目的地に向け走り出した。

 

 

 

???side

ドクターが出撃の前にあることを言っていたことを思い出した。

「赤い男に出会ったら、交戦せずに、奴の戦力を分析し、戻ってこい」と。

 

その言葉より、ドクターがその男をかなり評価し、危険視していることが分かった。

私の妹たちは大丈夫だろうか。もしかすると、奴と…

 

そんな不安が浮かぶ。

ドクターにそこまで言わせる存在がどんなものなのかあまりにも恐ろしいのだ。

出来れば、その男と遭遇しないことを祈ろう。

 

 

 

管理局の人間は、そこまで敵ではなかった。いや、ギンガと呼ばれていたあの女…彼女は、かなりやる方だろう。

彼女のことは、情報として知っている。

私たちと同じ存在。

あの女と、機動六課の隊長陣、そして赤い男…

 

確実に勝てるとは分からない。それでも、ドクターのためならば…

 

身体に力を入れる。

「ドクターの邪魔はさせない」

それが私の私たちの存在意義。

 

エミヤside

「ヴァイス。状況は?」

私は、ヘリ部隊のヴァイスと合流していた。

「エミヤ、これから例のあれと少女を本部に運ぶところだ。準備はもう済んでいるぜ。護衛よろしく頼む」

 

「ああ、任された」

そう言って、私は使い慣れた弓をイメージする。黒い洋弓。

細部の細部まで想像し創造する。

 

 

さて、何人にも邪魔はさせない。

アーチャーの名に恥じない仕事をして見せよう。

 

ちょうどそこに、複数体のガジェットが現れる。

いつものように弓を射る体制に入る。

しかし、その手には、矢となる剣を創り出す。

その手にあるのは、この世界の魔法という概念のおかげなのだろうか。私自身の魔力の消費が少ない。

創り出した剣を矢のように引き絞り、放つ。

五体ほどのガジェットがそれに当たり爆散する。

 

「相変わらず容赦のない威力だな。それに、一回にに複数の矢を放つなんて、さすが規格外だな」

戦場でありながら、そんな軽口を叩くヴァイスだが、エミヤが弓を構えた瞬間。絶妙な操作とバランスにより、ヘリが揺れないようにしていた。

それも、風が絶え間無く変わるビル群の近くでだ。

 

さて、問題なくここから離れられれば良いのだが、そうも上手くはいかないようだ。

 

とても大きな魔力が収縮されるのを感じる。

「ヴァイス、どうやらこのヘリは狙われているようだ。

衝撃に備えてくれ」

「了解だ」

さて、私も砲撃に備えておかなくてはな。

 

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