これは、作者の文才のなさの現れなのでしょうけど……
ああ、何処かに聖杯くんいないかなぁと現実逃避することにして、読者の方々は本編へどうぞ!
一つ、ある昔話をしよう。
その身は、災厄から人間を救う守護者。
その根底にあるのは、正義への飽くなき渇望。
男には、それしかなかった。
それは、誰にも理解されず、呪いのように男を蝕む。
男は、理想に絶望した。
そんな男の英雄譚。
「錬鉄の英雄」という古代ベルカの叙事詩の冒頭部分。
それは、あまりにも悲しい始まり。
作者が誰なのかさえも判明していないが、確かに古代ベルカより受け継がれたものであった。
その叙事詩は、名を変え、フィクションを混ぜ、現在に至る。
それは、地球にある数々の英雄伝説のように人々を魅了してきた。
才のない少年が、正義という理想を掲げ、邁進し、絶望を知り、それでも過去の自分との邂逅により、また歩み出す。
なんて変哲のない物語。それでも、それは、人々を魅了した。そして、かつてその物語に魅了された少女は、その原典へと辿り着く。
はやてside
「錬鉄の英雄」
その本の内容に既視感を感じた。
かつて私が好きだった絵本のものと同じ。
一人の少年が、理想に向け邁進するその物語。
古代ベルカの戦乱に身を投じるその少年の姿がその場にいたかのように語られる。
「ユーノ君、ちょっとお願いしたい資料があるんや。
ある叙事詩をお願いしたいんや。本の題名は錬鉄の英雄。
うん、よろしく」
さて、ユーノ君に資料をお願いしたから、一応カリムにこのことを伝えておくかな。
そんなことを思いながらカリムに連絡を送る。
エミヤside
私がいるのは、ヴィヴィオがいた病室ではなく、病院の中庭だった。
そう、あの場に居続ける気にならなかったがゆえに私は逃げてきていた。
あまりにも、彼女に共に戦った覇王の想い人である。聖王に似ていたのだ。
かつて古代ベルカと呼ばれていた世界で戦った私。
あの世界のことは知っていたつもりだったのだが、まだあの世界は、何か隠していたようだ。いや、それとも……
そこまで思考を巡らそうとして、一つのひっかかる。
古代ベルカのものが関わっている……ならば、もう一人危険に晒される可能性がある。
「仕方が無いが、はやてたちにアインのことを伝える必要があるな」
そう結論に至ったのならば、行動に移す。
出来ることは早めに終わらせる。遅れて何か事件が起こってからでは遅い。
彼は、自身の上司にそのことを伝える。
なのはside
「では、彼女には、両親はいないんですか……」
担当した看護師の説明に驚きを隠せない。
ヴィヴィオという少女が、古代ベルカの人を元にしたクローンであるということ。
クローン……それは、フェイトちゃんやエリオのような…
一人の看護師が走ってきた。焦って来たのだろう息が切れている。
「す、すいません。経過観察中で、病室にいた少女が、逃げ出しました」
彼女を見つけたのは、中庭。
男の人と遊んでいた。
「エミヤさん?!」
「どうかしたのか?なのは?」
ヴィヴィオと一緒にいたのは、エミヤさん………遊んでいるその姿は、父と子にしか見えない。
なぜ、二人が一緒にいるのか?
エミヤさんは、走ってきたヴィヴィオが転んで、泣いていたのを見つけたので、手当てをしていたらしい。
そのあとは、さっき述べたようにエミヤさんを気に入ったヴィヴィオは、エミヤさんと遊んでいた。
「さて、もうそろそろ私たちも戻らなくてはいけないんだが、彼女をどうするべきか……」
そう、たった半日ほどで、わたしもエミヤさんもすっかりヴィヴィオに気に入られてしまった。
そのためか、帰ろうとしたら、ヴィヴィオは、「帰っちゃダメ」と泣き出してしまった。
「エミヤのお兄さんも、ママも帰っちゃダメ。まだみんなで遊ぶの!」
そんなことを言って、わたしの足から離れようとしない。その姿は、どこにでもいる駄々っ子そのもの…
「ど、どうしよっか?エミヤさんも気に入られちゃっているし、わたしなんてママって呼ばれるし………このまま帰るのはちょっとね……」
「仕方が無いが、はやてに連絡を入れよう。それと、彼女について今後のことも考えなくてはならないからな」
今後のこと……
今、目の前にいる少女がスカリエッティのターゲットであることは、明らかとなった今、もしかすると機動六課で、預かった方が良いのかもしれない。
はやてちゃんに連絡をとっていたエミヤさんをふと見ると、なぜか呆れた顔をしている。
「どうかしたんですか?」
「……彼女を、ヴィヴィオを機動六課で預かることにしたらしい………どうやらわたしたちと考えていたことは同じらしいな。
ふむ、では、病院の方に話を通して来よう。まあ、あいつのことだから既にある程度話をつけているのだろうがな」
彼はそう言って、目的の場所へ向かってしまった。
それじゃ、わたしも準備をしなきゃ。
「ねえ、ヴィヴィオ?わたしたちが住んでいるところに一緒に来る?」
はやてside
「錬鉄の英雄について情報を得たで」
緊急で開いた私とカリムの会議。
その場で、本題であるそれを初めに口にし、手に持っていた目的のそれを机に置く。
色が変色し、ボロボロになっているそれ。
ユーノ君が見つけてくれたそれは、ある叙事詩。
本の題名は「錬鉄の英雄」
古代ベルカの最後の戦乱時の物語。
その物語の主人公のことは知らないが、登場する人物はあまりにも有名だった。
聖王や覇王……どちらも実在した人物であり、英雄として讃えられている人物…主人公は、そんな人物と近しい……
まるで師弟関係であったかのように書かれている。
主人公の名前はわざと書かれていないためわからないし、内容があまりにも現実離れしているため創作物のようにしか思えないが、それでもヒントになるのならとこの場に持ってきた。
「錬鉄の英雄ね……それにしても、あまりにも現実離れしている内容ね。無限の剣を使う主人公……」
「まあそうやな。だけど、一つ気になったものがあるや。
それは、この敵からの攻撃を防いだ盾。記述には、
アイアスの盾って書かれているこれ。
私もしかすると知っとるかもしれん」
盾………魔力に構成されたそれは、花の花弁のよう………
幾多の敵の攻撃をも防ぐそれ…
記述されているそれは想像もつかない。
「昨日の襲撃の映像があるんや。ちょっとそれを見て欲しい」
映されたそこには、とてつもない放射系の攻撃を花の盾で防ぐ男の姿があった。
「そこに映っとる男はエミヤシロウ。私と同じ地球出身で現在、民間協力者になってる。そして、彼は正義の味方って呼ばれていた存在や」
エミヤside
「ヴィヴィオ、これからよろしくね。あたしはスバル・ナカジマ!で、こっちはあたしの親友のティアナ!」
「えっと、ヴィヴィオです」
「お!偉いね!偉いヴィヴィオには、お姉ちゃんが褒めてあげる!」
私たちが機動六課の寮に戻ってきたところ突然フォワード陣が集まり、ヴィヴィオを連れて行ってしまった。
「ヴィータ……何が起こっているのか説明して欲しいのだが」
「いや、なんか、はやてから連絡来てさ。ヴィヴィオの歓迎してくれって」
はやても気を回したようだ。まあ、あいつはもとからそういう人間で、賑やかなことが好きなんだろう。
しかし、もうそろそろ止めにはいった方が良さそうだな。
どうやら、スバルが暴走し始めたようだ。ティアナももう手に負えないのだろう。
「さて、もうそのへんでやめておけ。歓迎したいのであれば……ふむ歓迎パーティでも、開くとするか。フォワード陣、パーティの準備をお願いしたい。
私も全力を尽くそう」
そう言うと、ワァ!と声をあげ、フォワード陣は、自身の持ち場となるであろうそこへと散らばって行く。
その姿は、鍛えられた軍人そのもの。
「おい!エミヤ良いのか?パーティなんて言ったら、料理の方も大変だろ!」
「なに任せておけ。英国で執事をさせられていたのでね。問題ない」
「いや、問題ないって、かなりの人数だぞ」
「ふむ、そこまで言うのならば、君にも手伝ってもらおう。なのはやフェイトにも手伝ってもらうとするか、
ん、そういえば、はやてを見ていないのだが……」
「ああ、はやてなら聖王教会だ。話さなきゃいけないことがあったらしい」
「ならば仕方がないか……さて、ひとまず、始めるとするか」
「うわ!これなのはさんたちが作ったんですか?すっごい美味しそう!」
机に並べられた料理の数々を見て、フォワード陣が歓喜に沸く。一つ一つが高級レストランのもののように、綺麗に仕上げられ、見るものを魅了する。大抵の人間は、フォワード陣と同じ反応をするだろう。しかし、一方で隊長陣は、なぜか疲れたような顔をしている。
「ほとんど、エミヤさんが作ってくれたんだけどね………」
悔しげになのははつぶやく。それがどんなことを示すのかは、説明せずとも明らかであった。まあ、簡単に言って、
女として譲れないものがあっけなく壊されてしまったようだ。
ヴィータも、なのは同様に悔しげな表情で、調理場を睨んでいるし、フェイトにいたっては、放心状態。フェイトのその姿は、まるで、「燃え尽きたよ…」とつぶやくボクサーのよう。
「「………なんであんなに女子力高いんですか………」」
なのはとヴィータは、女のプライドをことごとく粉砕し、
いまだに調理場で料理を作り続けている男に、全く一致した見解を持った。
「一通りの料理は、これで終了だな。
ヴィータ。はやては、遅くなるのか?」
ちょうど、テーブルに料理の運んできた彼女に、我らの隊長様の状況を訊く。
「さあ?あたしも分かんない。だけど、たぶん帰ってくるはずだ。なんせ、ヴィヴィオを歓迎しろって言ったのは、はやてだからな。当の本人が顔を出さないのはないだろ。
それに、一番ヴィヴィオが来るのを楽しみにしているのは、はやてかもしれないからな」
「そうか。わかった。一応、彼女の分の料理も作り足しておくとしよう」
そう言うと、エプロン姿の戦士は、調理という戦場へとまた向かっていった。
「はあ、やっと終わった。今日は大変やったな」
そう言いながら、機動六課の寮に戻ってきた少女は、はたから見ると、仕事帰りの疲れたサラリーマンのよう………
目には、既に力はなく、猫背のその姿は、ソンビの如し。
なんとも言えない哀愁が漂っている。
「ようやく帰ってきたようだな。皆、もうすでに食べ終わって、自室に戻っているぞ」
なんか食べ物を補給しようと向かった先には、エプロン姿で皿を洗っているエミヤの姿があった。
「何時会っても、似合っとんな………似合いすぎて可笑しいくらいや」
男に対して、こう言うのもおかしいはずなのだが、やはりエミヤには、エプロンの姿が似合っていた。
「そんなことはいいが。飯を食べていないのだろう。これを食べると良い」
ツンデレっぽい反応をしたエミヤは、料理を置く。
そこにあったのは、いかにも健康に予想でかつカロリーの低そうな料理の数々。
「うわー!美味しそうやないか!ありがたくいただくわ」
「いやー!エミヤンの料理は、プロ顔負けやな。いやー!みんなと食べれたら良かったのになー」
「満足していただけたのであれば良かった」
そうエミヤが返事したところで、沈黙が生まれた……
お互いに何も口にしない。
それは、数秒かあるいは、数分か………
エミヤが食器を洗うその音だけが響く。
「エミヤンは、たぶん察しがついていると思うけど」
均衡を破ったのは、はやてだった。
「今回の一連の事件には、古代ベルカという大昔のものが関わってる。そして、ヴィヴィオが関わってる。エミヤンは、古代ベルカという時代のこと。覇王や聖王…錬鉄の英雄という言葉を聞いたことがある?」
少し間があく……
「昔、お世話になった老人や知り合いの古代ベルカのことを聞いたことはある。その過程で、覇王や聖王…ことは知っている……しかし、錬鉄の英雄というものは聞いたことはない」
「そうか……分かった………ところで、エミヤンもなんかあるんか?」
特に何も口にしていなかったはずなのに、どうやら目の前のしは、察しが良いようだ。
「ああ、さっきの古代ベルカに関わることなのだが、一つ良いか?」
「なんや?もったいぶらずに言ってな」
「一人、機動六課で、保護して欲しい子がいるんだ……
もしかすると、スカリエッティのターゲットになるかもしれない……」
「なんや、回りくどいな。古代ベルカに関わってるってどういうことや?」
彼が何を言っているのか分からない。どういうことや?
ヴィヴィオ以外にも、ターゲットになり得る子がいるってことなんか。
そんな…………
「ああ、保護して欲しいその子は、かつて覇王と呼ばれた者の記憶を受け継いでいる」
目の前の男は、そう口にした。
「それにしても、はやてちゃん遅いね」
「なんかあったんですかね?」
「まあ、それは、それとして………もうそろそろあいつらを止めてくれないか?特にスバルを」
山のようにあった料理の数々は、パーティーという雰囲気に押されてかいつの間にか残り数品という状況に陥っていた。
「えっ、ほとんどないじゃない。あれ?は、はやて隊長の分は?」
「ティアナ心配しなくて良い。あいつの分は、他に作ってある。正直、あの腹ペコ二世がここまで食うとは思っていなかったがな………」
エミヤさんの顔には、呆れと疲れ、ほんの少しばかりの歓喜の色が見える。
「それにしても……腹ペコ二世って………」
二世ということは、一世がいるわけで………
「「「一世であったその人はどんな人なんだ……」」」
その場にいた、いまだ食べ続ける少年と少女以外の人間に全く同じ疑問が浮かんだことは明らかであった。
「ちょっと待ったー
こっちが本編!タイガー道場!」
「妨害電波を受信したようです」
「妨害電波?タイガー道場は、妨害電波ですってか!
お姉ちゃん泣いちゃうよ!泣いちゃうよ!大人気もなく思いっきり泣いちゃうよ!」
「妨害電波を受信したようです」
「妨害電波?ああもう知らんわ!
こうしてこうしてああしてポイっとな!」
(言及するのも馬鹿馬鹿しいので、個人で想像ください)
「さーて!みんなお待たせ!タイガー道場始まるよ!
オス!オラ師匠!オラワクワクすっぞ!」
「師匠!ドラ○ンボ○ルのパクリじゃないですか?良いんですか?」
「知らーーーーん!問題あったとしても、作者のせいだから知らん!そして、この世界では、わたしがルールだ!
これこそまさにルールブレイカー!」
「師匠さん?なんやおもろいことになってんな!わたしもそのノリ好きやで!」
「おお!我が心の友よ!」
「タイガー!それはアウト!全世界敵にしちゃうから!
ドラ○もんはダメー!」
「タイガーじゃない!師匠だ!」
「うわー!ほんとひどい今までの発言履歴はろくなこと言ってない!」
これこそまさに安定のクオリティ!なのか?
「な、な、な、なんでさ!」