早くなのは編に入りたい…
アーチャーを召喚した昨日、私は、魔力を供給する大変さを知った。気を抜けば、倒れてしまうのでは……と思うほど魔力が奪われていた。英霊の召喚、維持がこれほどとは、思ってもみなかった。
まぁ、そのせいで寝坊したので、学校は休み。
起きて、居間に行くと、何事もなかったかのように綺麗になっていた。
正直驚いた。これなら、大工になれるのでは?というほど元通りにしてしまったのだから。
アーチャーは、紅茶を持って現れた。英霊が紅茶?と思ったが、いままで飲んだなかで一番と言えるほど、美味しい紅茶を出してきた。本当に貴方は何者よ?
紅茶を頂きながら、話していると、アーチャーは、君と大切な契りを結んでいないのだが、みたいなことを言った。
何か忘れている?というかなんでアーチャーは、私を「君」と呼ぶのだろうか?
ちょっと考えて答えに行き着く。名前を教えてない…
というわけで、名前を教えたら、
「それでは、凛と。……あぁ、この響きは実に君に似合っている」
何なのよ、こいつ。何故かその言葉にそんな感想を抱いた。
まぁ、褒められて悪い気はしないけど。
何はともあれ、丸一日時間が出来たので、アーチャーに街の地形を教えることにした。
一日かけて、街のあちこちをまわったが、アーチャーには、意味がなかったみたい。
高いビルにのぼって、そんなことを言われた。
ついでに、アーチャーが本当にアーチャーであったことを確認できた。だって街外れの橋のタイルの数を数えることが出来るなんて、アーチャークラスしか出来ないでしょ。
そんなこんなで、昨日は終わった。
そして、今日。
学校にあからさまに結界が作られていた。これで、一応安全地帯であったはずの学校は、安全地帯ではなくなった。
英霊を維持するためといえ、一般人まで巻き込むのは、さすがに見過ごすことは出来ない。だから、私は、私たちは、結界の破壊を決めた。
そして今、目の前には、青い服を着た男がいる。手には、禍々しい魔力を放つ槍。男は、サーヴァント。クラスは、ランサーだろう。
結界の破壊をしようとし、それが難しいことが分かったため、結界が作動しにくいようにしている最中に男は現れた。
何てこと…屋上であったため四方は囲まれている。最悪の場所だ。なんとかしてこの場から逃げないと…
そう考え、即座に強化を施す。
ランサーは、攻撃をしかけてきた。サーヴァント中最速であろうランサーは、瞬時に私に詰め寄る。私はなんとか避けながら、屋上から逃げる方法を考える。
一か八かやってみるしかないみたいね。
足にまた強化をかけ、フェンスに突っ込む。
ギリギリのところで、上に飛び、校庭に降りる。
「着地は頼んだわよ。アーチャー!」
そう言うと、アーチャーは、地面ギリギリで、私を抱え、また空中へ跳ぶ。
校庭の真ん中あたりに降りる。
(これである程度距離は稼げた…)
そう思った瞬間とてつもない魔力を背後に感じる。
ヤバイ…背後をとられた…
そう思った瞬間、甲高い金属音が発生する。
後ろを見るとアーチャーが剣を持っていた。
剣を持ったアーチャーとランサーが対峙する。
一瞬やばいと思った。それでも、ある程度地形のハンデはなくなった。
それにアーチャーも、ランサーをただで帰すつもりはないだろう。
「アーチャー、手助けはしないわ。あなたの力、ここで見せて」
その瞬間、アーチャーの周りに風が起こる。魔力の放出……アーチャー自身も臨戦態勢に入ったことを示していた。
そして、その場から一瞬でアーチャーが消える。
ランサーの目つきが、身体に纏ったオーラが変わる。臨戦態勢にはいったのだろう。
その瞬間、甲高い金属音が発生する。アーチャーの剣をランサーが槍で受け止めたようだ。赤と青がぶつかり合う。
アーチャーが斬りつければ、ランサーは槍の柄で受け止め。ランサーが突けば、アーチャーが剣でそれを受け流す。
それは、私が立ち入れるような戦いじゃない。
ランサーの一撃は重い。受け止めようとすれば、簡単に剣は壊れる。ならばどうする。受け流し、そこに一撃を加える。
それでも、まだ隙を作れない。獣のような身のこなし…
相手の急所を狙うその槍の使い方。何をとっても、桁違い。生前かなりの戦功をあげたに違いない。
実際、守護者として多くの戦場を渡ったが、目の前の敵ほど、才能も、実力もあったものは、少ない。
それほどの相手だ。全てを隠して戦うことは、無理だろう。
「グッ!?」
上手く受け流したはずだが、剣が砕ける。やはり、全てを隠して戦うことは出来ないか。
(trace on)
両手に剣を構える。
「二刀使いの弓兵だと。貴様何者だ」
「私のことは気にすることではないだろう。君のその獣のような身のこなし。その槍の使い方。それほどの実力者そうほかにいない。そして、その槍。その槍の魔力は尋常ではない。ならば、推測される君の正体は、一人しかいない」
「ほう、この槍を知っていたか。ならばこの槍を受けるか?」
ランサーは、いや、もうすでに分かっている。
生前の俺を一度殺したあの男。クーフーリンは槍に魔力は溜める。その時、校舎の陰で音がする。
クーフーリンは、その逃げたものを追う。
凛も焦って、逃げたものを追う。
あぁ…遂に始まってしまった。私自身が、参加しないのであれば、殺す必要はなかった。参加しないのであれば、その時点で、あいつは、私にはならない。
あいつがマスターにならない世界で、あいつを殺しても、私の存在に消すことは出来ない。
いけすかないあいつだが、無駄な死を出したくない。あいつの死が私の大切な人を悲しませるのだから。
だけど、多分あの逃げたものは、過去の私だ。
そして、それを凛は、救うだろう。
結果として、あいつは参加することになる。
彼女を召喚し、この戦いを駆け抜ける。
ならば、私は私のやることをやるだけだ。
「まだ全然進まないようだな」
すみませんアーチャーさん…
出来るだけ早くリリカルなのはに入るようにします。
「まぁ、あまり無理しない方がいい」
(アーチャーさん…やっぱりオカンだ、子供を心配するオカンだ)
というわけで、ちょっとずつですが進ませるつもりです。
今後ともよろしくお願いします。