今回は、アーチャーさんが生前大切にしていた人たちと出逢います。
ランサーとの小競り合いから数日が経った。
あの夜、逃げたものは、やはりあいつだった。
凛は、一般人を巻き込んでしまったことにかなりの衝撃を覚えたようだ。
しかし、これはある意味は私の望んでいた状況だ。
あいつは、もう一度ランサーの襲撃を受け、そこで、彼女を、セイバーを召喚する。そして、隠れていればいいものを、自分の理想を、他から与えられた仮初めの理想を実現しようと戦いに参加するだろう。
そして、実際にそうなった。
凛は、救った人間がまた死の危険にあることに思い至り、衛宮邸に行くよう指示した。
衛宮邸に二つの反応がある。あぁ、やはりこうなったか…
そこで、また出逢ってしまった。
共に戦いを駆け抜けた。最後に自分の望みが間違っていると認め、自分の在るべき場所へ帰っていた彼女が…
しかし、それでも、だけれども、彼女は、彼女であって、自分の知る彼女ではない。直感的に分かった。
彼女は、まだあの間違った望みを持ち続けている彼女だ。
私が初めて会ったときの彼女だ。
それは、あまりにも耐え難い事実。私の大切な存在で、あった彼女はもうすでにいない。
もうどこにも…
ただ、その事実は、私の胸に重くのしかかる。
その後のことは、凛が何とかしたようだ。
あまりこの場所には居たくない。この衛宮邸には、私の記憶を呼び起こすものがありすぎる。
余計な記憶は、情報は、判断を鈍らせる。
もうここは、すでに戦場である。
その後、凛によりあいつと同盟を組むと伝えられた。
(何でさ…)
まず、最初にその言葉が思い浮かんだ。
同盟を組んでも、メリットは、少ない。
セイバーが仲間にいることはそれだけでプラスになるが、マスターは衛宮 士郎だ。自分の魔術の属性も知らない、ろくに使えないあの男だ。それは、プラスにはならない。
しかし、凛の、マスターの決定は覆せない。
凛としては、自分の知り合いに死んで欲しくないのだろう。そのため、出来るだけ自分の目の届く場所にいることが安全だと考えたのだろう。
(その情が意味の無いことだとそのうち知るがな…)
その後、イリヤスフィール・フォン・アインツベルンのサーヴァント、バーサーカーであるヘラクレス、柳洞寺では、キャスター、アサシンと 一戦を交えた。
イリヤスフィール…私にとって、姉であり、妹であった少女。それ以上のことはもう分からない。それ以外の記憶は、情報はない。それでも、私が大切にしていた人間の1人であったことには違いないだろう。しかし、バーサーカーと共に現れた彼女は、アインツベルンのイリヤスフィール…
私や、凛、衛宮邸に集まったあの人たちと共に過ごしたイリヤスフィールではない。
あれは、最強の敵だ。あれは、仲間ではない。そう自分自身に唱える。
大切な人たちに会っても、それは、別世界のもの。
ここの者たちは、別人…
同じ顔、同じ癖、それなのに別人…
それは、言いようの無い感情が私を包む…
そして、柳洞寺での一件…
あいつは、他人から与えられた仮初めの理想を持ち続けていることが分かった。
やはり、奴は愚か者だ。そして、それを体現させた私も愚か者だ。
奴の理想は、間違っている。それは、私自身が、一番分かっている。奴の理想は、私の理想は、人を本当の意味で救えない。
だからこそ、こう言った。
「理想を抱いて溺死しろ…」
これは、あいつに対しての言葉であり、私自身に対しての言葉だ。
凛に後から咎められた。
なぜ衛宮君を目の敵にするのか?と…
私はある種の同族嫌悪だと言っておいた。
だが、本当の意味では、同族嫌悪なのではないだろう。
そうだな、言うなれば、
自己嫌悪だろう
間違った理想は、人を滅ぼす。
だからこそ、私は私自身の消滅を目指す。奴を、間違った理想を持ち続ける奴を殺して…
アーチャーさん…弓って半端ないですね。
「いきなり、何を言っているのかね」
だって、見えない距離からの攻撃は避けようがないじゃないですか。バーサーカーみたいな不死身じゃないとキツイですよ。
「それでも、弓には弓の弱点もある。どんな武器にも、欠点は、存在するし、長所もある。例えば…」アーチャーさんもういいです。ありがとうございます。「そうか…」
(うわ、喋りたがりそうな顔してる。)
そういえば、なんでここにいるんですか?
「いや、アサシンが野菜を作っていると聞いてね。ご教授願おうと思ってね」
(アーチャーさん、聖杯戦争関係なしだ。それに遂に料理するだけじゃなく、食材まで自分で作り始めるつもりだ…)
「それに、衛宮の家にいるとね「アーチャー早く来て!藤村先生を止めて!」とこういうわけでね」
アーチャーさん…お疲れ様です。英霊になっても、タイガーには勝てないですね。
「ああ、誰かストッパーが必要だな」
「タイガー道場始まるよ!!」
始まりません⁉︎