ひとまず、あの方々を…
多くの世界をまわる。
紛争で、世界そのものが弱りきった世界。
多数の種が共存する世界。
全てが壊れた世界。
私は、全てを救う………
その理想を持ち、戦い続ける。
守護者として必要悪を殺し続ける。
それでも、それは、どこにでもある。
守護者として戦い続け気づいたものがある。
世界を乱そうとするものがいれば、それを食い止めようとするものもいる。
その世界にも、私と同じような理想を持つ者はいる。
そして、平和を願い戦う者がいる。
それは、かつての私のように………
あぁ、ならば、その者にこの世界を託そう………
かつて、自らの理想を後悔し、その理想を捨てようとした男は、同じ理想を持つ者を助けることにした。
紅い外套をまとった男は、少年に手を差し伸べる。
「君が誰かを救いたいのなら、力を貸そう。
私は、誰かって?何、君と同じように誰かを救うために戦ってきた男の一人さ」
そう、誰かを救うために自分を捨ててきたあのバカな俺のように………
最後に私の理想を受け継ぐと言ってくれた彼女のように………
死の淵で、私を救ってくれた師匠であるあの魔法使いのように………
私は、笑いかける。
わたしは駆ける。
わたしの大切な友達を救うために…
今まで、自分の大切なものを守れるように頑張ってきた。
そのために、頑張って訓練してきた。
それでも、それでも、目の前の敵は余りにも、強かった。
ひとつひとつの攻撃が致命傷になる。
それは、恐怖………
今までも色々な戦いをしてきた………
それでも、これほどの死の恐怖を感じたことはない。
いったいどれくらい時間が経ったのだろう。分からない。
なんとかひとつひとつの攻撃をよける。
右からの攻撃、左からの攻撃………
ひとつひとつをよける。
受け流そう、なんて、考えは浮かばない。
そんなことをすれば、そのまま威力によって、吹き飛ばされる。
限界に近づく、その瞬間、意識が飛びそうになる。
体がふらつく。
戦場では、その一瞬が命取りになる。
そんな隙を見逃す敵ではなく………
ごめんね………みんな………
「I am the bone of my sword.
熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)」
わたしの前に花が咲く………
「綺麗………」
花は、矢のような敵の攻撃を全て防いだ。
そう、一撃一撃が致命傷になるようなあの攻撃を………
その花の中心にいる男の人は、振り向きわたしに言う。
「君は、こんなところで終わる人間ではないはずだ。
さあ行け! 君は救いたいのだろう。
諦めるな!」
あの人は、わたしを救ってくれた………
そして、彼はわたしに希望をくれた。
なら、わたしは、わたしのやるべきことをやる………
大切な友達を助ける。
絶対にはやてちゃんを助ける。
彼女のその在り方が過去の自分に似ていた………
だからだろうか、彼女ならば救えるはずだ。
そう思えた。
彼女の敵は、かつて私が殺したはずのもの…
やはり、契約者を殺しても根本的な解決には至らなかったようだ。
それでも、戦っている彼女たちを見れば、その悲しい繰り返しを終わらせられるのではないだろうか?と思った。
ならば、私が手を下す必要はない。
彼女たちなら………
そこで、私のその世界での役目は終わった………
なのはを救ったあの男………
あたしはあいつを知っている。
そう、あの紅い外套をまとったいけ好かないあの男……
ただのそっくりだろうか?
あたしにはわからない。
なぜなのはを助けたのか?
分からない。
なぜあいつは、闇の書を破壊せずに去ったのか?
あたしにはあいつが分からない。
英霊の座に戻るはずであった。そう、戻るはずだったのだ。
気がつくと、いつの間にかわたしは草原にいた。
ただ何もない草原に………
何もない。私の記憶にない、そのはずなのになぜかそこは、懐かしい。
どれくらい経ったのだろうか。
誰かが近づいてくる。
金色の髪………
あの金色には見覚えがある。
あぁ、そうか。ここは彼女の世界………
騎士王と呼ばれたあの少女の世界………
「お久しぶりです。アーチャー、いえ、士郎と呼んだ方がいいですね………」
あぁ久しぶりだ。どれくらい時間が経ったのだろう。本当に久しぶりだ。
そこにいたのは、俺とともに戦場を駆け抜けた彼女………
「久しぶりだな。セイバー、いや、アルトリア」
「………はい、士郎」
やはり、俺の知っている彼女だ。
「やはり士郎は、理想を持ち続けたのですね………」
その声には、何かが含まれている。
後悔、侮辱………それ以外のもの………何が含まれているかはわからない。だが、確実に何かが含まれている。
「そして、アーチャーのようになった………士郎、貴方は後悔していませんか?」
疑問………
アーチャーのように後悔していないか………
今の自分の在り方を聞いている。
「私は、いや、俺は、後悔して絶望した………それでも、あいつらに会って、また、理想を持ち続けることに決めた。
あいつが言ったんだ。お前も、あの笑顔に憧れたんだろってさ」
そう、だから、今私の答えるべき答えはひとつ
「だから、今は、後悔してない。多分、これから先も、後悔しない」
それが今のエミヤシロウの在り方………
「そうですか………なら、士郎は、もう大丈夫ですね………
これから先も………」
「あぁ、大丈夫だ」
「………なら、貴方にこれを渡します」
そう言って渡したものは、鞘………
しかし、それは、ただの鞘じゃない………
彼女の剣の鞘………約束された勝利の剣の鞘
「これは、貴方に授けます。貴方は私の鞘だから………
それに貴方は、これを自分のために使ってください。
貴方の本当に救いたい人のために………
いつか、貴方を脅威が襲った時のために………
私は、もう去らなければならない。最後にひとつだけ………
士郎………私は貴方を愛していました………」
そう言って、私に鞘を渡し、消える………
その口は最後に何かを伝えようとしていた。
それはありがとうなのか、ごめんなさいなのかはわからない。それでも、彼女の想いは受け継いだつもりだ。
「アルトリア………ありがとう……」
それは、多分永遠の別れを意味しているのだろう。
エミヤシロウとアルトリア・ペンドラゴンの別れ。
エミヤシロウは、世界をまわる。
まだ見ぬ人の笑顔を守るために…
「アーチャーいや、士郎…お腹が減りました」
「君は何時でも、腹が減っているな…」
あの〜お二人とも、久しぶりに会って、それですか?
特にセイバーさん
「お腹が減っていては何もできませんから」
あぁ、腹ペコ王の名を欲しいままにしている…「なになに、士郎のご飯が食べれるの?」
うわーよく分からんが、変なの出てきた…
「うわー、士郎…髪白くなってどうしたの?さて、白髪?」「うわ、ちょっ、藤ねえ?な、なんでさ〜」
大河がネタキャラで最強な気がする…
え、えっとあっちは、エミヤさんに任せましょう。「士郎、お腹が減りました!」「なになに、タイガー道場始めちゃう?」「なんでさ〜!」
エミヤさんにご愁傷様…