主人公ガチ恋勢、悪役転生する〜TSしてでも勇者と結婚したいからバグを悪用しよう。メインヒロインなんかに渡すもんか! 作:丸尾裕作
俺は学園の入り口でいる。
さて、ボロボドスは悪役貴族である。
父の悪名によってそれはもうひどい噂が流れまくってる。
するとどうなるか?
「ご、ご、ごめんなさい」
女性の生徒が俺にぶつかっただけで泣きそう、いや、もう泣いていた。
「あ、あの」
「ひうっ!」
俺の方が泣きたいんだけど。
どうしよう。
原作で書かれてないからメインキャラ以外とのコミュニケーションまじでわからん。
前世で人間関係の経験値が少なすぎるせいでさすがにきつい。
本当どうしよう?
学校に来たのは正解だったのか?
父の言いつけを破ったのはバカだったのか。
「マリーヌさん、ご機嫌麗しゅう」
救世主が現れた。
誰だろうと思ったらアッシュだった。
「お姉様!!!!!!!!!!」
マリーヌが歓喜の声をあげて、アッシュの腰に抱きついた。
アッシュはマリーヌの頭を撫でる。
他の生徒から注目を浴びていた。
「アッシュお姉様」
「麗しき光景!」
「私も撫でて欲しい」
アッシュの周りに人が集まっていった。
特に女性から人気だった。
男もアッシュの美貌に見惚れていた。
たった一瞬で人気になっていた。
さすが主人公補正だ。
くそ、俺も抱きつきたいけど、なんか恥ずかしい!
一つだけ思う。
俺は一体何を見せられているんだ?
「アッシュお姉様、素敵ですわ」
このセリフはアッシュファンクラブの設立合図!
百合ルートの開始だ。
原作でそう言うのがあった。
俺は生徒会室に寄ってから入学式に向かうことにした。
※
学園長の挨拶など入学式を終えて、教師陣の説明などがあった。
「どうも坊っちゃま、立派でした」
ジェイデンなど見知った人間が教師だったりする。
「メアのことだけ見ててくださいね、ご主人様」
メアもいたりして、目をキラキラにして俺を見つめている。
「あのさ、ジェイデンもメアも俺の方は特別扱いするなよ、教師なんだから俺を贔屓するなよ」
「贔屓しないわけないじゃですか、何を言ってるんですか?」
「はぁー」
ため息をつかないでいられるだろうか。
「大丈夫ですよ、坊っちゃま、メアは嘘はつかないので正しく評価はできると思います」
「ボロボドス様がすごいのが悪いのです、諦めてください」
ついてきたのは、俺のことは心配だかららしい。
前々から誘われていたので、ジェイデンもメアも技量が凄すぎてこの学校の教師をやれちゃうのでいる。
ローズグランの悪の手から仲間を守らないといけない!
そう思った矢先、学園から立ち去ろうとすると、カオスな光景が目に入った。
「姫様、今日も手袋変えさせて頂きます、はぁー、はぁー」
ロミアが鼻息を荒げながら、ミラ姫から手袋を受け取っていた。
ミラ姫はニコニコと笑っていた。
どうやら慣れているみたいだ。
「アッシュ様、薔薇の花束をどうぞ! その美しい赤い髪に似合うと思います」
「あ、あ、ありがとうございます」
マリアンナが薔薇の花束をアッシュに渡していた。
何本あるのだろうか?
「アッシュ様ファンクラブの第二号のこの私の気持ちを受け取ってくださいませ! 101本の薔薇に気持ちを込めました!」
101本の薔薇の花言葉は、これ以上ないぐらい愛していると言う意味だ。
「感謝いたします」
「私は99本です!」
「私は100本です!」
「私はあえて1本です!」
ちなみに薔薇の花言葉の意味は、
1本 「一目ぼれ」「あなたしかいない」
99本「永遠の愛、ずっと好きだった」
100本「100%の愛」
である。
ゲームで薔薇の花言葉を何度も解説されていたから無駄に覚えてしまった。
関係ないけど、俺がアッシュファンクラブの第一号は俺ね。
ちょっと頑張った。
おかげさんでマリアンナからめっちゃ敵対意識を持たれているみたい。
ここだけは俺も譲れない。
さて、この中に、ブラッドハピネス教の信者が潜んでいることは俺が知っている。
「赤、赤、赤ー!」
赤が禿げている壁を奇声を上げながら、塗っている赤いローブを着ていた男性がいた。
あっ、ジェイデンさんが連れて行った。
なんか大変だなぁ。
「ぼっちゃま、ローズグランの行方はまだ掴めずすいません」
「いや大丈夫、そのうち現れる気がするから」
「そうなんでしょうか?」
この中に犯人がいる。
「赤ー、赤ー、赤がないとあかん!」
うん、堂々とブラッドハピネス教の信徒入りすぎじゃね。
ローズグランの魔の手が広がりすぎて、大丈夫か、この学校はと思うだろう。
けれど、大丈夫。
うるさくて、変に目が入るだけで危険なことをしてないのだけ救いなんだけど。
赤色のペンキが剥がれた建物を赤くちゃんと綺麗に塗り直してるだけだし。
原作では、アッシュが退治してくれるはずなんだけど、メアとジェイデンがなんか頑張っていた。
予想候補はいるけど、少しでも隙を見せたらバレるし、犯人のイベントをこなしてもらわないといけないから静観することにすることにする。