主人公ガチ恋勢、悪役転生する〜TSしてでも勇者と結婚したいからバグを悪用しよう。メインヒロインなんかに渡すもんか!   作:丸尾裕作

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第4話  主人公ガチ恋勢、魔法をしてみた

 ゼルファンの世界では、魔法が使える。

 

 魔法は、異世界ファンタジーの定番ともいえるからこの世界でも使える。

 

 けれども、俺が実際に使うことができるのか?

 

 この世界では、ゲーム世界と同じように魔法と同じ仕組みで成り立っているか。

 

 それを確かめるべく、家の書斎に向かった。

 

 分かりやすそうな「魔法教則書」を読む。

 

 1時間後。

 

 ここはゲーム世界とはいえ、あくまで現実世界である。

 

 だから、魔法は大本の仕組みは同じだが、多少の齟齬はあった。

 

 それでも、俺はこの世界の魔法について、原作知識も相まって大まかに理解できた。

 

 さっそく、部屋に戻って、魔法の修行をすることにする。

 

 まずは俺はベッドに座り、目を瞑った。

 

「ぐへへ」

 

 俺は1人で笑う。

 

 アッシュに偉いねと褒められて、なでられているイメージが浮かぶ。

 

 自分でもキモいと思う。

 

 でも、仕方ないんだ。

 

「やったぁー」

 

 今度は、1人でで喜んでいた。

 

 カッコよくドラゴンを切って、アッシュに天才だと言われるイメージが湧いたからだ。

 

 側から見たら確実に不気味であろう。

 

 俺は1時間ほど妄想にひたすら浸かっていた。

 

 決して、ふざけているわけではない。

 

 これも立派な魔法の修行なんだ。

 

 この世界における魔法の仕組みはシンプルである。

 

 魔法とは、魔粒子がいろんな形に変化することで起こる現象だ。

 

 では、魔粒子とは何か?

 

 地球でいうところの元素にあたる。

 

 この世界には、第六感として魔粒子を感知する感覚がある。

 

 この感覚は魔覚と呼ばれている。

 

 魔覚が強いのは便利だ。

 

 魔物の発する魔粒子で危険察知できる。

 

 魔覚で魔物の気配すらわかる。

 

 魔覚がどれだけあるかはセンスの部分だが、努力で伸ばせることがある。

 

 魔法の仕組みは、魔覚で感知した魔粒子にイメージを注入することで魔法として現象化するってことだ。

 

 イメージ力、想像力が豊かになれば魔法も強くなるってことだ。

 

 できるだけ言語化を細かく、感情がこもっていて、語感の情報が具体的で、実感の伴った映像として想起させることで起きやすいらしい。

 

 つまり、妄想力が強ければ、魔法の強くなるってわけだ。

 

 だから、俺は妄想を一生懸命したんだ!

 

 まとめると、

 

 魔法の強さ=妄想力×魔覚

 

 妄想力=言語化×感情×五感の情報

 

 ということだ。

 

 ちなみに妄想力を高めるために、恋をすることがおすすめらしい。

 

 だからこそ、恋する乙女は魔法がめっちゃ上手らしい。

 

 恋の嵐とも言う。

 

 まぁ俺はアッシュにガチ恋しているからうってつけすぎる。

 

 さて、ボロボドスは貴族生まれだから魔覚がある。

 貴族はそもそも魔覚が備わり、魔法を使ある血筋の中から生まれている。

 

 闇属性 幻覚魔法だけ使える。

 

 マジでボロボドスはうざかった。

 

 攻撃が当たらなくなるのだ。

 幻覚を見せたり、霧に包み込んだりとまぁうざい。

 さすが白いゴキブリ、嫌われて当然だ。

 雑魚いくせにうっとうしい。

 他の魔法の属性は全くないけど。

 

 この世界は、火土水風雷光闇の7属性に分けられる。

 

 俺がわざわざ剣術を覚えたのも攻撃魔法なんて永遠に覚えないからだね。

 まじで、俺の魔覚じゃ、炎も水も分かんないもん。

 

 今、俺の妄想の成果が実る時。

 

 俺は目を閉じて、モヤモヤした気体をイメージをする。

 白いもやが俺を包み込み、目の前の光景が白だけになり、周りの空間が見えなくなる感じ。

 ゆらめく霧が手のひらサイズの長方形に収束させていった。

 

「ふんっ」

 

 ぼんやりした本が出せるようになった。

 内容は覚えているところしか再現していない。

 

 だからなんだよと少しは思う。

 

 一通りぼんやりしたイメージだけど具現化させることができる。

 

 幻覚魔法だけできるようになったけど、これじゃあ埒があかないなぁ。

 

「メア、いるかぁー?」

 

「はい、ただいまー」

 

 メアがすぐにやってきた。

 

「ちょっと魔法訓練に付き合ってくれない?」

 

「私とお付き合いしたいんですか、どこに行きましょうか? 森の湖で裸で水浴びしますか?」

 

「そっちじゃないから。魔法の訓練にね!」

 

 メアは相変わらずなんてことを口走るんだ。

 冗談はほどほどにしてほしい。

 アッシュにそんな態度をしたら、俺は許さないけど。

 

「だったらいい方法がありますよ」

 

 メアがパッと本を差し出してきた。

 

「メア作成の絵本をお読みください」

 

 魔太郎の大冒険

 

 魔法球から生まれた魔太郎がスライムを味方にして、冒険して、ドラゴンをやっつけてお姫様を助ける物語だ。

 

 なんか、異世界版桃太郎ってところか。

 

 パラパラと読むと俺は驚いた。

 

「絵うまっ! あと、めちゃくちゃ面白い!」

 

「えへへー、お褒めいただきありがとうございます!」

 

 そういえばメアは、ロマンス小説をよく読んでいて、めちゃくちゃ妄想力豊かだ。

 

 そういえば、思い込み激しい設定あったもんなぁ。

 

 メアは四大属性の魔法は全て使えて、光魔法 チャームも使えるとチートスペックである。

 

 メアの言語化は細かく、感情がこもっていて、視覚情報が具体的で創造を想起させることで起きやすいらしい。

 

 つまり、妄想力が強い。

 

 俺は読んだとき、魔粒子が急に目の前に見えるようになった。

 魔法のイメージが具体的になったからだろうか。

 

 注意を凝らすと目の前に小さな球が動いているのが見えた。

 まるで、小さなシャボン玉がいっぱい目の前にあるようだ。

 

「驚いたよ、メア」

 

「えへへっ、ご主人様に喜んでもらいたくて」

 

「今度は、僕が驚かす番だね」

 

 実は魔法には次の段階がある。

 今からそれをやろうと思う。

 

「何をなさるつもりですか?」

 

「夢を見せてあげよう」

 

 まず、俺は前世で霧で包まれた町をイメージした。

 

「圧縮」

 

 その霧を手元に圧縮させて、霧の球体を作る。

 

「膨張」

 

 今度は自分の手にあるモヤモヤとした丸い球体が、膨張させ、俺たちの周りを取り囲むようにさせる。

 

「わっ、真っ白!」

 

 メアが声を上げた。

 

 今この瞬間、この空間は結界として切り取られている。

 

「魔覚醒 『幻覚空間 星空』」

 

 星が周りが俺たちの周りを取り囲み、空気の色は無色なはずだが、プラネタリウムの空のように周りはひたすらに青い。

 まるで、星空に溶け込んだかのように錯覚をしてしまう。

 

「これが、ご主人様の魔覚醒」

 

 メアがふとぼんやりとそんなこと言ってきた。

 

 魔覚醒。

 魔粒子を五感レベルまでに感知することができるようになる状態。

 今の俺は視覚レベルで魔粒子で感知できるのでイメージを注ぎ込むと結界から作ることができる。

 

「幻惑魔法って実体化すればなんでもできそう」

 

 メアがふとぼんやりとそんなこと言ってきた。

 

「それだぁー!」

 

 思わず俺は叫んだ。

 メアが驚いた目つきをした。

 バグがここでも使える。

 霧魔法の間で、イメージを注ぎ込めば姿形なんて変わる。

 バグのイメージなんて簡単だ。

 

 目の前の光景がおかしくなったりする状態をイメージした。

 このゲームのバグについては世界で1番俺が詳しい。

 しっちゃかめっちゃかな光景が浮かんだりするなんて簡単だ。

 

「魔覚醒 幻覚空間 火球乱舞」

 

 偽物の炎を作ってみた。

 

「メアのおかげで炎魔法もできたよ」

 

「なんてことですか! ご主人様!」

 

 これでどんな魔法もできる。

 バグのイメージなんて俺にとって、当たり前だもんなぁ。

 バグっているから、攻撃付与だってできてしまう。

 

「攻撃付与」

 

 触ってみると、暑かった。

 ほかの魔法が霧魔法でできるか確かめることにしてみよう。

 

 モヤッとした後にバグらせる。

 

 水球

 

 風球  

 

 土球

 

 雷球

 

 光球

 

 闇球

 

 ほかのも全部できた。

 霧の結界内ではバグらせることであらゆる属性魔法を発動させることができることがわかった。

 

「すごいです! 天才すぎます、ご主人様! 私も見習わなきゃ!」

 

 メアは手をかざした。

 

「魔覚醒 恋乱花魁」

 

 桜吹雪がメアから湧き上がり、メアの笑顔がとびっきり色っぽく浮かび上がる。

 周りにピンクの蝶々が舞っている。

 とびきりの魅了魔法が発動された。

 

「メアは可愛いですか?」

 

「当たり前じゃね?」

 

 俺がそういうと、メアが「はぁー」と大きなため息を発した。

 メアの魅了魔法が覚醒したようだ。

 魔法に関してはメアは天才なので誰かが魔覚醒したのを見たら自分もできるようになる。

 これも原作通りだ。

 

 ちなみに魅了魔法は光属性に属する。

 いや、原作キャラの魅力はやっぱりすごいなぁ。

 

「もうご主人様のせいであっさり魔覚醒ができちゃいましたよ、どうしてくれるんですか?」

 

「いいことじゃないか」

 

 この魅了魔法は大抵の人間に効くだろう。

 俺がゼルファンで1番好きなキャラがアッシュだからなんとかなったが、メア好きならこの場でメアの魅力に溺れていた自信がある。

 

「ご主人様は天才なのに、なんでそこだけはとことん馬鹿なんですか! 魔法もあんまり効いてませんし!」

 

「え? なんで怒ってんの?」

 

 えっ! アッシュのまねが足りなかったか?

 

 メアがぷくっーと頬を膨らませていた理由が分からないのでアッシュの研究をもっとしようと思うのだった。

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