スリザリンの継承者と虚飾に満ちた英雄 作:魔法史編纂委員会
試合終了後、
罰則は終わっていたが彼女は平然と入り浸っている。スネイプ教授も慣れてしまったのか自然と紅茶を淹れる。
「で、教授、さっきの話の続きですが」
スネイプは若干顔を顰めた。
「犯人はクィレル教授でしたわ」
「やはりか……」
呟いてから、しまった、といった顔になった。甘い、甘いですわよ教授。
「何かあるんですわね?」
「ああ……
……奴はポッターを狙っているようだ」
「てっきり教授はポッターのことお嫌いだと思っていましたが」
「教師が生徒を守るのは当然のことであろう」
セラフィーナはじっとりとした目でスネイプを見つめた。
「……。」
「……。」
たっぷり1分はそうしていただろうか。
やがて根負けしたようにスネイプは紅茶を一口飲んでから口を開いた。
「校長から頼まれているのだ」
「ふぅん……」
(他にも何かあるわね?)
「まぁ納得しておきますわ。それで、クィレル教授はなぜあのようなことを?」
「私の口からは話せん」
(ゴーントの親は死喰い人だからな)
またもセラフィーナはじっとりとした目でスネイプを見つめるが、スネイプはしれっと視線をそらしながらセラフィーナを追い出しにかかった。
「ここ以外にも居場所はないのか?同級生とも仲良くしなさい」
(ちっ……まぁ自分で調べましょうか)
「あら、私ちゃんと皆に愛されてますのよ?」
スネイプは顔を顰めた。何も言えない。
◆ ◇ ◆
(うーん、どうしましょうね?)
寮に戻る気持ちにもならず、セラフィーナは校舎をぶらぶらと歩いていた。
(やっぱり、直接問い詰めるのが一番早いでしょ。)
そう決めて、彼女はクィレル教授の研究室に向かった。
「クィレル教授?質問があって来ました」
研究室にはニンニクの匂いが充満していた。吸血鬼じゃなくても寄り付かんわこんなん。
(くっさ。体調悪くなりそう)
「ここここれは、ミス・ゴーント、どど、どうしましたか?」
「先ほどの件について──
記憶の中に潜り込む。
トロール、アルバニア、一角獣、そして……
……クィレルは慌てて飛び退いたが、もう手遅れだった。
彼は杖を抜こうとしたが、
「
セラフィーナには敵わなかった。
クィレルに杖を突きつけ、セラフィーナは口を開く。
「初めまして、おじいちゃん」
しばらくして、声が響いた。
「はははははは……ギャレットの娘よ、俺様をそのような名で呼んだのはお前が初めてだ」
その声はただただ面白がっているようだった。
まあ、本物の祖父ではないけど。"便宜上おじいちゃん"ってことで。ってか嫌がってないっぽいし。
◆ ◇ ◆
そしてその"おじいちゃん"は邪悪な顔を一切隠さずに言った。
「お前も
(えー、ん、賢者の石? ま、それは後で聞くとして)
「どうした、俺様に忠s「どうしてポッターを殺すの?」
「我の命r「質問してるのは私。」
クィレルの額にグリグリと杖を突きつけると闇の帝王は黙った。それから、
「……俺様は最強だ。だがそれを覆すと予言されたのがポッター、あいつだ。一方が生きる限り、他方は生きられぬ、と。ならば殺し、俺様が揺るぎないことを確定させるのが当然だろう」
(ふぅん……)
セラフィーナは問いを重ねる。
「復活はどうする気?賢者の石とか言ったけど」
「この学校には賢者の石が隠されている。それがあれば肉体を再生し、この寄生生物のような姿から解放されるのだ。……見せるのだ、しもべ」
(あら、……あー、そゆこと?
たぶんだけど、それ私が持ってるけど……)
そんなことを考えている間に、ターバンを解いて首を回した。
「うわぁっ!きも!」
闇の帝王は困惑した表情で言った。
「なんとも情けないこの有様よ……
……しかし、ギャレットの娘よ、お前は優秀な魔女だ。素直に俺様につけ。しからばお前は英雄として迎えられるだろう」
(えぇ……)
怖いもの知らず。
なおセラはゴーント姓なので、リドルの筋とは別です。