スリザリンの継承者と虚飾に満ちた英雄   作:魔法史編纂委員会

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アクロマンチュラといい、この男どうかしてる。



1-28 実験的飼育令

「ドラゴンだ!」

セラフィーナが寮の暖炉の前でくつろぎながらレポートを纏めていると、ドラコがドタバタとドアを開けて出し抜けにそう言った。何言ってんのかしら。

「ドラゴン・マルフォイに改名する?」

「違う、あいつだ、森番のハグリッド。それにポッターとウィーズリーもいた。あいつらドラゴンを飼い始めたんだ」

「あら、私も見てみたいわ、ドラゴン。実物は一回しか見たことないもの」

「あいつら、どうしてやろう」

ドラコはニヤニヤが止まらない。

「それとも……あっ、

──ねぇ、その件、私に預けて貰えないかしら」

ドラコはえっ、と声を上げた。

「これをネタに理事会を使ってダンブルドアに揺さぶりをかけてやりましょう、不祥事として最高のネタじゃない」

「お、おぉ……」

「いいこと?ドラコは何もしちゃダメよ。彼らを脅したりするのもダメ。警戒されちゃうから。

──絶対よ。勝手に動いたらそのドラゴンの餌にしてやるから」

「わ、わかった」

セラフィーナは書きかけのレポートを放り捨てて手紙を書き始めた。

 

 

 

◆ ◇ ◆

 

 

 

数日後、大広間で生徒たちが朝食を摂っていると、バーンと大きな音がしてドアが開いた。音の主はルシウス・マルフォイ。ドラコの父親である。後ろにはもう一人の男がいて制服を着た何人もの男を引連れている。そのほか、スーツを着た女性と男性の二人組が邪魔にならない位置で立っていた。男性はカメラを持っている。おそらく報道関係者だろう。

 

男は羊皮紙を広げて厳粛に宣言した。

「私は魔法省事故惨事部、魔法警察庁警備企画課情報担当理事官のガウェイン・ロバーズである。現時刻8時12分をもって、ルビウス・ハグリッド、貴君を魔法動物規制法第4条違反、通称『実験的飼育令』に基づき、拘束する。

ドラゴンの飼育は制御不能な魔法災害の原因となり、学校という神聖なる教育の場において極めて重大な危険をもたらす恐れがある。速やかに違反対象を引渡し、同行願おう。抵抗すればさらなる罪状が加算されることを留意されたし」

大広間は凍りついたように静まり返った。カメラのパシャ、パシャ、という音だけが響き渡る。この空気でのんびりしているのは頬杖をついているセラフィーナくらいか。

 

そして、さらにルシウスが怒気を孕んだ声で続ける。

「校長、ドラゴン飼育が校内で行われていたという事実、そして貴方が防げなかったことは完全な失態である!理事長としてこのような管理の杜撰さを見過ごす訳にはいかない。即座に関係者全員を調査し、必要であれば校長の職務も停止させる!」

誰も一言も発せず、

やがて後ろにいた魔法警察警備課のメンバーが森番を拘束し連行していった。ノーバート、悪気は無い、などと喚いていたが途中で黙ら(シレンシオ)され、引きずられるように広間を出ていった。

女性は新聞記者だろう。連れのカメラマンと会話しながらひたすらメモを取っている。

セラフィーナがちらりとポッターとウィーズリーを見ると蒼白を通り越して土気色の顔をしていた。

(警備企画課情報担当。父上やマルフォイ氏と話し合ってあたしが設立趣意書ぶん投げてできた新しい組織、こんな早く役に立つとは思わなかったわね。これをテコにしてホグワーツに教育委員会を設置し管理下に置く、完璧ね)

 

あのドラコも、ここまでの大事になるとは思っていなかったようでぽかんと口を開けていた。

(これも放っておいたら内々で処理して表には出てこなかったでしょうね……。悪気はなかったんじゃーとか、穏便に済ませようぞー、とか。

だってドラゴンよ!?しかも教育の場で。有り得ないでしょう、まったく。

あたしならともかく、入り浸ってるポッターとか赤毛のウィーズリー、このままだとそのうち死にかねなかったわよ?感謝してもらいたいわね、まったく)

 

 

 

◆ ◇ ◆

 

 

 

その日の夜、やけに静かな大広間に新聞が届けられた。

 


 

名門校で発覚したドラゴン飼育! 校内管理体制に厳しい批判

日刊預言者新聞

【特派員: モーヴ・クィンシー】

 

本日早朝、魔法省魔法法執行部による強制捜査がホグワーツ魔法魔術学校の校内で行われ、違法なドラゴン飼育の実態が明らかになった。

今回の摘発は、実験的飼育令に基づくもので、これにより校内で飼育されていた未登録のドラゴン1頭が押収された。

 

この驚くべき発見に関し、魔法警察庁のガウェイン・ロバーズ氏は以下の声明を発表している。「ドラゴンの飼育は極めて危険であり、厳格な法的管理が必要です。本件は重大な法令違反であり、当局としても断固たる措置を取る所存です」

一方、同校の理事長ルシウス・マルフォイ氏は、校長アルバス・ダンブルドア氏に対し管理体制の不備を厳しく追及し、即時の改善を要求。

「名門校としての責任を果たすどころか、これほどの危険を見過ごすとは到底許されない行為です。徹底した調査と再発防止を命じます」と述べた。

一方、ダンブルドア校長は記者会見において「調査への全面的な協力を約束する」と述べたものの、具体的な釈明は避けた。

一部の教員や保護者からは「管理体制の見直しを求める声」や「これが学校の信頼に影響を与える可能性がある」との懸念が上がっている。

 

「犯人は職員」

内部関係者によれば、ドラゴンは森の管理職員の小屋で飼育されており、当該職員は職務を放棄して極秘裏に活動を進めていた模様だ。押収した資料によると、将来的には繁殖も視野に入れていたと見られ、悪質な計画性が認められると関係者は語った。

関与が疑われているのは、職員ルビウス・ハグリッドと1年生数名であり、彼らの証言次第ではさらなる法的措置が取られる可能性が高い。

 

魔法界の未来を担う教育機関であるホグワーツで、どのようにしてこのような事態が起きたのか。今後の調査結果が注目される。

 

「学校運営の行方は?」

理事長の主導で管理体制の大幅な見直しが進められる予定だが、保護者や生徒の間には不安が広がっている。

ある保護者は「ホグワーツは伝統ある名門校であり、娘をそのような無法地帯に送り出したつもりはありませんでした。一刻も早い安全の確保と信頼の回復を心から願います」と怒りを顕に語った。

また、ある生徒は「まだ幼体だったとはいえ、ドラゴンの成長はとても早く、成長期に十分な餌がないとものすごく凶暴になると習いました。摘発が遅れたら私がその胃袋の中にいたかもしれないと思うと……」と涙混じりに訴えた。

このような事件を決して有耶無耶に扱うことは許されない。

本紙では魔法省とホグワーツ双方の対応を注意深く報道していく所存である。

 





その生徒、誰だろうね???
しかもその生徒、記者の目の前で目薬差して、コメントした直後にケロッとした顔に戻って記事構成のアドバイスめちゃめちゃしたらしいし、今後も編集アドバイスを是非って連絡先交換したらしいけど、誰だろうね???

あと、"ある保護者"、たまたまだけどその生徒の親らしいよ。まあ、たまたまだよね???

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