スリザリンの継承者と虚飾に満ちた英雄   作:魔法史編纂委員会

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1-29 罰則、そして期末試験

ハリーとロンは親友のハグリッドが逮捕され、自分たちも事情聴取を受け意気消沈し生きた心地がしなかった。

さらに追い打ちでマクゴナガル先生から罰則を告げる手紙を受け取り、魂が抜けたような気持ちだった。

罰則は()()()()()()()()で魔法生物飼育学のグラブリー=プランク教授に連れられて森の中の見回りをすることだった。ユニコーンが殺される事件が発生していて、その調査である。

途中までは何事も無かったが、マントを被った不審者がユニコーンの血を啜っている場面に出くわしてしまった。

 

「ぎゃあああああアアア!!!」

混乱の中、制止する教授を置いてハリーとロンが逃げ出した方向はバラバラだった。そして黒い人影はハリーを追いかけてきた。

傷が燃えるように痛み、その場でハリーはうずくまってしまった。

いよいよ終わりかと思った時、何かがハリーを飛び越え、影に向かって突進した。

「怪我はないかい?」

それは男──オスのケンタウルスだった。

「ポッター家の子だね、早く教授のところに戻った方がいい。今、森は安全じゃない。乗れるかね?私が送っていこう。私の名はフィレンツェだ」

 

フィレンツェに送られ、ハリーは安全に帰ることができた。二度と規則違反をしないようにしよう、そう思った。

が、それ以上にフィレンツェに言われたことが衝撃的だった。

ユニコーンの血を飲む、それは呪われた生を意味する。そして今学校に隠されているものは何か、それは完全な力と強さを取り戻してくれるものである。命にしがみついてチャンスを伺っている人物とは誰か?

 

 

 


 

 

 

期末試験の時期がやってきた。

うだるような暑さの中、がりがりと羊皮紙を埋める。

セラフィーナは早々に答案を埋め終えて考え事をしていた。

(校長)はなぜあんな無防備に賢者の石を転がしておいたのかしら?穢れた血(ヴォルデモート)があのワンコ(ケルベロス)すら突破できていなかったのは引っかかるけど、取り憑いた教授の能力が足りないから、でいいのかしら?……。

それはそれとしても敵から石を守るにしては試練が簡単すぎるでしょう……いくら耄碌してるとはいえ(校長)の腕ならいくらでも防衛を堅くできるはず。ならなぜ?まるで生徒にちょうどよくクリアさせるような難易度──

 

──ポッターにクリアさせたい?

それなら辻褄が合う…?能力を引き上げるように、あるいは穢れた血(ヴォルデモート)とわざと対決させることを狙っているかのように。もしそうだとして、しかしなぜわざわざ生徒を危険に晒すような。トロールの時の対応といい、教育者として失格でしょう)

 

試験終了の合図が鳴った。

 

 

◆ ◇ ◆

 

 

実技試験は楽しかった。

妖精の呪文学はパイナップルを机の端から端までタップダンスさせるという課題だった。セラフィーナはそれはもう繊細で大胆な踊り(コンテンポラリー・タップダンス)を披露した。

何となく愛着も湧いたのとパイナップルが食べたくなったのでしれっと持ち帰ろうとしたが止められた。次でも使うからと。ちぇ。

 

なので、全員終わったタイミングで戻って交渉したら貰えた。

試験官のフリットウィック教授とスリザリン寮の皆で一口ずつ食べたがなかなか美味しかった。いや、いい感じに熟してると思ったのよ。あたしは見逃さない。

 

変身術はネズミを嗅ぎタバコ入れに変身させる課題。セラフィーナは、誰よりもピカピカで優雅な蛇の飾りのついた美しいものに変化させた。

セラフィーナは父上にプレゼントしようかと一瞬考えたが、

(いや、これ元々ネズミか。なしなし)

と思いとどまった。今度似たものをちゃんと作ろうかな。

 

魔法薬学は忘れ薬を作って提出することだった。忘却の川の水を2滴、カノコソウの小枝を2つ入れ、熟成させた後、月光茸をふたつかみ、4つのヤドリギの実をすり鉢ですり潰したものを加え、17回半を5分というペースを目安にかき回したあと杖を振れば完成である。

攪拌の回数とそれぞれの段階で煮込む時間に注意が必要だが、手順さえ覚えていれば誰でも簡単に作れる。作れるはず。さすがに。うん。……え。まじ?えぇ、なんでそうなんの。うぇ。うわぁ。え、なんでこの材料で爆発すんのさ。はぁ……まあいいや。

 

 

◆ ◇ ◆

 

 

失敗する余地のない試験を終え、昼食を摂る。

のんびりとポリッジをつついてぼーっといるとフクロウがスーーッとやってきてセラフィーナの手元に手紙を落とした。

開封すると本人にしか見えないインクで書かれた文字がするすると浮かびだす。

 

「森番はドラゴンの卵と引替えに三頭犬ケルベロスの御し方について口を滑らせた。偽の手紙でダンブルドアも釣り出す。今夜決行する。貴様もついて来い」

 

読み終えると手紙はバラバラになって消え去った。

(あー、ドラゴンの入手先そこ?まぁいっか。──で、どうしようかしらね?

復活させる気はないけど、明確に杖を向けるのにはまだ時期尚早か。できればあの姿のまま泳がせておいて倒し方がわかってから一気に方をつけたいところだけれど

……まあ、石は偽物だから『う、うわー、騙されたー!こ、これってさぁ!ダンブルドアの陰謀ってコト!?(大嘘)』で丸く収まるといいのだけれど)

 

 

 


 

 

 

その頃ロンは驚くべきことを閃いていた。

「ハリー、ドラゴンの卵を誰がハグリッドに譲ったと思う?ゴーントだよ!ハグリッドは口を滑らせてもおかしくない。賢者の石が危ない!」

 

二人はマクゴナガル教授をつかまえて校長に会いたいと告げた。しかし答えは、

「校長先生なら魔法省から緊急のフクロウ便が来てすぐにロンドンに飛び発たれました。お帰りは明日です」

だった。

 

「ハリー、今夜だ!石を守らなきゃ!」

「う、うん……」

 





察しの良いガキは嫌いだよ(すき)。

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