スリザリンの継承者と虚飾に満ちた英雄 作:魔法史編纂委員会
お祭り大好き女の本領発揮。
翌日、朝食の席はポッターの話で持ち切りだった。
「100年振りの1年生シーカーですって」
「すごいよね」
グリフィンドールの一年生がちらちらとスリザリンのテーブルを見て笑っている。
セラフィーナは、やられたものは仕方ない、と涼しい顔をしていたが、ドラコは鼻持ちならないという顔でグリフィンドールのテーブルを睨みつけていた。
そして、やがて我慢の限界を迎えたのか、取り巻きのクラッブとゴイルを連れてグリフィンドールのテーブルに絡みに行くのが見えた。
「ほっとけばいいのに、男子って本当にバカよねぇ」
パンジーが呆れた様子でそれを見送った。
「まぁいいんじゃないかしら?青春って感じで」
セラフィーナは優雅にローストビーフとヨークシャープディングを口に運んだ。
しばらくしてドラコはやけにニヤついた顔で戻ってきた。
「また今度は何
ダフネが聞いた。
「奴らに決闘を申し込んできた。今夜の0時だ。
奴らに痛い目みせてやる。当然バックレ…「あら、じゃあ私が付き添ってあげるわ。0時ね?23時半過ぎに談話室で待ち合わせましょう」
セラフィーナは決闘と聞いてテンション爆上げであった。今夜はお祭りである。
「ドラコ、骨は拾ってあげるわ。あなたが死んだら私が彼らを始末してあげるから」
全く洒落になっていない。
「いや、僕は……」
「あぁーん、楽しみ♥ ……あ、誰か一緒に行く?」
同室の女子二人はそっと目を逸らした。
◆ ◇ ◆
そして迎えた夜、11時半になってもドラコは部屋から出てこなかった。
「ド ラ コ ・ マ ル フ ォ イ !」
怒号が談話室に響き渡り、数分後、首根っこを掴まれた彼らは寮を出た。
「いい?相手に杖を向けて
「それ、洒落になっていないぞ」
「あら?本気よ」
冗談だわバカ。いちおう対人禁止なことくらい知ってる。
「えぇ…」
その様子を見ていた一年生は心の中で声を揃えた。ドラコに幸あれ、と。
◆ ◇ ◆
12時。トロフィールームでグリフィンドールの二人組とドラコ、そして取り巻きのクラッブとゴイルは杖を向けて対峙していた。
セラフィーナが全力で人避け呪文と耳塞ぎ呪文を掛けたので誰にも邪魔される心配はない。
「それではドラコ・マルフォイとハリー・ポッターの決闘を行います」
セラフィーナはノリノリである。心なしか肌もいつもよりツヤツヤしているようにさえ見える。
「まず、お互いにお辞儀をする」
ドラコは腹を括ったのか、優雅に頭を下げた。
ポッターはドラコを睨みつけたまま動かない。蛮族かよ。
「格式ある儀式は守らなければ。ダンブルドアもそう言うでしょう……お辞儀を──しなさい」
セラフィーナはポッターに杖を向け、無理やりに体をくの字に曲げさせた。
「それでいいわ」
ドラコは笑いを噛み殺し、赤毛のウィーズリーは顔を青くし、クラッブとゴイルは笑って手を叩いている。
「そして……始め!」
フライング気味に、先に動いたのはドラコだった。
「
呪いはまっすぐに飛びポッターに命中し、彼は宙を舞う。並んでいた鎧を巻き込み、崩れたそれがガラガラと音を立てた。
ポッターは立ち上がると杖をドラコに向け、対抗する。
「
呪いが命中し、ドラコの足がタップダンスを踊り出した。しかし、彼は諦めない。踊りながらも再び呪いを掛けた。
「
再び呪いが命中し、ポッターはその場で笑い転げた。無言呪文が使えるはずもなく、ポッターは戦闘不能だった。
セラフィーナは即座に介入する。死体蹴りは美しくない。けど
「
勝者がタップダンスを踊り続ける、なんとも締まらない勝利であった。勝利の舞ってことにしておいてあげましょう。
「はぁ……
セラフィーナはため息をついてドラコに掛かった呪いを解除した。ポッター?もちろんそのまま。へーきへーき。笑いすぎて死ぬことはないから。
「はっ、ざまぁみろ」
「覚えてろ!」
赤毛が三下捨て台詞を吐きながら笑い転げるポッターの肩を支えて逃げ帰っていった。もちろん言われずとも忘れないわよこんなん。ウケる。
はー満足。いい夜だったわぁ。
ハリーは必死にタラントアレグラの練習をしてきたようです。頑張ったね。