尊はドレスアップしていた。黒い燕尾服に赤いネクタイであった。
「ケッケッケ、似合ってんじゃねえか」
「馬子にも衣装ってやつ?」
明と秀夫に揶揄われ
「おーん?そーいうお前らは……クソが普通に似合ってやがる」
明も秀夫もスーツを着こなしていた。
「むう……やはり袴の方が…」
「袴は卒業式に着ようぜ?健」
「そうだよ……詩織ちゃん達待ってるよ?」
健は慣れないスーツに悩ましげな顔をしていたが、鏡夜と陸に押し切られ彼女である詩織達の元に向かった。
その頃、豪と朔弥は学校が呼んでいたらしいシェフ達と共に料理を作っていた。
「サクの字!そっちはどうじゃ!」
「バッチリだ!」
「今日は祭りじゃ!学園全員の腹を満たすぞ!」
「おうよ!」
琥珀、蒼真、優の中等部トリオもスーツを着て会場に到着していた。
「ううー,緊張する」
「何回かこういうパーティー出たことあるけど、どうしても緊張しちゃうよねー」
琥珀と蒼真の元に、ビシッと着飾った優がやってきた。
「お二人とも。こういう時にスマートにエスコートするのが紳士ですよ」
カッコつけている優に、水色のドレスを着たみなみが声をかけてきた。
「かっこいいわ、優。私のエスコートお願いできるかしら?」
「お任せください……ってみなみさんん!?」
ものの見事に真っ赤になり、固まってしまった。
「あはは、スマートにエスコートしてみてよ」
「じゃ、みなみのエスコートがんばってねー」
蒼真と琥珀は優をからかいながらフードコーナーへ向かった
「ちょ,待ってください!?」
「優、顔赤いけど、大丈夫?」
「は,ハイっ!お任せください…///」
初等部の児童会長、中等部と後頭部の生徒会長の音頭で桜華学園パーティーが開始された。
尊と繭が同時にパスタ用のトングを手に取ろうとし、触れてしまった。
「「あっ」」
「お,お先どうぞ……」
「繭が先に取りな。遠慮しないで」
「ありがとうございます……」
「いいな,そのドレス」
「ありがとうございます」
「……尊。これ、あげるわ」
「ゆかり…。」
「アナタ、お肉好きでしょ?私脂っこいのダメで」
嘘である。尊といちゃつきたいだけである。
繭から離れたタイミングで声をかけてきたようだ。
「尊ー!このローストビーフ美味しいわよ!」
「……尊、一緒にいて欲しい」
「尊くーん♪」
千棘、嵐子、アリアがやってきた。
「尊さんやっと見つけたよぉ」
「ふわぁー!スーツ姿かっこいい…!」
「実はこのスーツわたくしが取り寄せましたわ」
ラブ、のどか、ありすもやって来て、ゆかりは少しムッとした顔になる。
そのとき。
マリオネット、ムシラ、スケアクロウ、エンプーサの群れが現れた。
それと同時に何体かの巨体が現れる。
「な、なんだ!?」
生徒達の悲鳴が響き渡り、会場はパニックとなる。
「兄さん………」
「ああ。………行くぞ!」
「エナジーナイト!できあがり!」
「フォースナイト!覚悟しなさい!」
怪物達の中心にいるのか、死神のような姿をした怪人が現れた。
「グリムリーパーってやつか?」
「いや、ヘル=バンガードだなありゃ」
「これより作戦を開始する。」
「さあ、宴と行こうじゃあねえか!」
健と尊、2人の号令で勇猛な戦士達が悪魔の群れに立ち向かう。
尊、明、繭は人型となったヘル=バンガードと戦っていた。
「真璃亜はどーした?」
「健さんと優くんと共に行動しています。」
「へえ、珍しい組み合わせだなー」
「いくぜぇ!アグニ!ルドラ!」
『これが地上の祭りというやつか』
『盛り上がってきたのう』
「3倍うるさいです……」
「ケッケッケ、ある意味ケルベロスだな」
朔弥、豪、雪華、秀夫はカエルとチョウチンアンコウが合わさったような悪魔、バエルの群れと戦っていた。
「あんこう鍋にしてやろうかのう!」
「バエル……くさいから嫌なのー」
「野菜とどっちが嫌なんだ?」
秀夫に聞かれた雪華は悩みに悩んだ末に……
「………………………バエル」
と答えた。
「そんじゃ、さっさと捌いてやろうぜ」
鏡夜、陸、蒼真、琥珀、灯は避難誘導をしつつ、下級悪魔の群れと戦っていた。
「ケッケッケ、正直こっちの方が楽しいわ!」
「全く……。下手人は誰だろうね……」
「なんで悪魔がこんなに!?」
「誰かが手引きしたのかもしれないわね」
「早く捕まえなきゃ!でも,まずは悪魔を倒して…」
海流が、竜巻が、手裏剣が悪魔達を次々葬っていく。
健、真璃亜、優は大型の悪魔と対峙していた。
灼熱の炎に身を包む雄牛のような悪魔だ。
「ミノタウロスでしょうか……?いや、ファラリスの雄牛!?」
「いや、あれはフュリアタウルスだな。」
「ハンマーが厄介そうなので、僕のカシオペイアで絡めとります」
「了解した、後は俺と真璃亜で仕留める」
「A h、その作戦でいい」
尊、明、繭はヘル=バンガードと戦っていた。尊はアグニ&ルドラから、日本刀の武器に切り替えていた。
「ん?その刀ってあれか?黒鋼学園で手に入れた……」
「おう。……
「ケッケッケ、たいそうな名前つけやがって」
「お二人とも!来ますよ!」
尊はヘル=バンガードの鎌をしっかりと受け止める。
「鎌も刃を取れば!」
キン!と甲高い音が鳴り鎌の刃が根元から外れてしまう。
「ただの棒だよね!明!繭!」
「ケッケッケ、任せな!シュレッダー!」
「参ります!剛甲岩拳!」
斬撃と打撃の同時攻撃が被弾し、ヘル=バンガードは苦しむ。
「鍛錬禁止……部活出禁……云々…キタ!猛虎慟哭弾!」
強烈な光線がヘル=バンガードを貫いた。
「色々禁止されてるんですね」
「ケッケッケ、あいつ、鍛錬とか組み手とかやりすぎなところがあってな。しかも手加減をしらねぇときた」
「他の恋人達とも共有します」
ヘル=バンガードが地面に倒れ伏し、その正体が明らかになった。ヘル=バンガードに身体を乗っ取られていたのは、冴えない感じの男子生徒であった。
「僻む暇があったらよぉ、自分を磨こうじゃあねえか」
「………僻みもあったけど、パーティーに参加したくなかったんだ。強制参加でさ、スーツ用意しないといけないし、親に送ってって頼んだら、パーティーに出る暇があったら勉強しろって。って言われて、結局レンタルして……顔も体型もこんなんだし……」
「今からでも遅くはねぇ。タケーズブートキャンプで………」
言い終わる間もなく、明にチョップを受けてしまった。
「ケッケッケ、ブートキャンプのことは忘れてくれや。メシは食ってけよ。うちのシェフ達が気合い入れて作った逸品だぜ」
明は尊の代わりに男子生徒に声をかけた。
「……」
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「あれ?ゆかりと尊くんは?」
少しして、落ち着いた頃に、あきらが明達に話しかけてきた。ゆかりと尊を見失ったらしい。
「見てねぇなぁ?」
「そういえば……兄さんもゆかり義姉さんもいませんね」
「どさくさに紛れて帰ったか?」
「どうやら気まぐれな猫の相手が大変みたいですね。…………」
繭は不機嫌そうな顔で返事をし、やけ食いでもするかのように、パスタを盛り付け、その上にチャーシューを添えるのだった。
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留守番していたれいかに、持ち帰り用パックに詰めていた食事を渡した後、尊は部屋でゆかりを待っていた。
「なんだよぉ……いいとこだったのに」
「パーティーはむしろここからが本番よ♡」
「ちょ、ゆかりさん!?この小説は全年齢対象で……待て、待てって!アッーーー!?」