繭が尊に話しかけてきた。
「今日は私とお出かけしませんか」
「お、おう。いいけど……どしたの」
「ゆうべはお楽しみでしたね。ゆかりさんと。パーティー抜け出してまで」
「怒ってらっしゃいます?」
「ええ.カンカンです。なので、補填してもらいます」
「了解。……」
こうして、繭とデートすることになってしまった尊。
その後ろをサングラスをかけたアリアたちが覗いていた。
「繭ちゃん大丈夫かしら」
「?……相当気合い入れて準備してたと思うけど…」
「何回かトイレ行ってたわ」
「そっち!?……いや、多分大丈夫……だと思う」
「ちょっと暑いなぁー。夏,近づいてきたな」
「そうですね……」
2人はしばらく歩き、やがて一軒のラーメン屋に辿り着く。
「らっしゃーせ!」
「いらっしゃいませにゃ〜ん♪」
「猫ちゃんですね……喋る」
「そ。ラーメン赤猫は猫がやってるラーメン屋だ。ちゃんと美味いから安心してくれよ」
テーブル席につきいざ注文しようとした時、声が聞こえた。
「撮影はおやめください」
「なんで?一個人の撮影記録でも?」
「当店では一律撮影禁止としております。個人の記録としても、拡散されかねない時代ですので」
「接客品質ゥ?必要ないよぉ〜。パッと作ってパッと出せばいいんだ。興味あるのはラーメンの味だけさ」
見かねた茶トラネコの店長が迷惑客に声をかける。
「撮影をおやめください,今すぐに」
「え、なに?客に命令?猫でなくてもそれはあり得ないよねぇ!?」
文蔵が言っても引かない迷惑客に、ついに尊が動いた。
「あのさ、店員さんがやめてくれって言ってるんだから、やめてくれません?迷惑ですよ」
「迷惑?ボクが迷惑だっての?」
「そーだよ。店員さん困らせてんじゃねえよ」
「あーあー!お前のせいでラーメン冷えちゃったぁ!どうしてくれるのかなぁ?罰金払ってくれるのかなぁ?」
「パッと食えばよかったのに。撮影しないで」
「んなっ!?」
その時、悪魔が入り込み、ライオンとアリが合わさったような見た目の怪物が現れた。
悪魔
ミルメコレオ
「ムカつくなぁ!ラーメンの代わりにお前を食ってやろうかなぁ?」
店の外に一旦追い出し、悪魔ミルメコレオとの戦いに。両者構えるが……
「おい」
だが、始める前に繭が2人のもとに歩いてきた。だが、その様子がおかしい。湯気が立ち昇っており、その顔は怒りに溢れている。
「よくもラーメンデートを邪魔してくれやがったな!潰し殺す!」
「「ファッ!?」」
尊だけでなく、悪魔ミルメコレオも繭の変貌に驚きを隠せないでいた。
悪魔ミルメコレオは繭に一方的にボコられてしまい、悪魔の部分が消滅し、迷惑客は脱兎の如く逃げ出した。
「おい」
「はいぃ!」
「アタシはCANNON†BALLに戻って身体を冷やしてくる!少し待ってろ」
「…オレも行っていい?CANNON†BALL」
「………ああ。」
喫茶CANNON†BALL
豪が出迎えてくれた。出してくれたコーヒーを片手に尊は先ほどあったことを話す。
「おうタケの字!……さっき繭が入っていったが、なにかしたのかのう?」
「繭が身体冷やす為にここに来たんだ。」
「おっと……。そういや言ってなかったのう。繭の体質。繭は体温が上がりやすい性質があるんじゃ。そして、ある一定まで上がると凶暴で好戦的になってしまう」
「熱暴走的な?リュウジさんの」
「うむ,それに近いのう」
「ラーメン赤猫に行ってきたんだ」
「おー!あの店じゃの?」
「迷惑客に注意してたら食い損ねた」
「また行けばいいじゃろ。もしかしたらサービスしてくれるかもしれないのう」
「………」
「お待たせしました。…何か食べててよかったんですよ?
「いや、繭と一緒にラーメン食いたくて。赤猫行こうよ」
「…………はい!」
「いらっしゃいませ〜♡あっ!お兄さん!また来てくれたんだー」
「結局注文しないで帰っちゃって。折角来たのにもったいないってなってさ」
「ありがとうございますー。それではこちらにどうぞにゃん」
繭はポスターで見た「赤猫スペシャル」について気になっているようだった。
「赤猫スペシャル………」
「虎打ち麺ってのを使ってるらしい。頼んでみるか?」
「……そうですね。頼んでみます」
「ご飯いる?」
「小なら……」
尊は先ほどテーブル席に案内してくれた白猫に注文する。
「赤猫スペシャル二つ、あとライス、大小一つずつお願いします」
「はーい!」
「赤猫スペシャル2、ライス大1小1でーす!」
「「にゃー!」」
ラーメンを待っている間、尊はふと思っていたことを話した。
「…ゆかりは赤猫に連れてけないな」
「どうしてですか?ゆかりさん、ラーメン食べるイメージないからですか?」
「いや……、猫を撫でて、猫さんたちの仕事にならないから」
「ああ………」
「ちなみにゆかりは塩ラーメンとかのあっさり系が好きだ」
「私は味噌ラーメンが好きなんです。…他の味も好きですけどね」
「特に味噌が好きってことか。オレは醤油が好きだけど、たまに味噌も食うな。」
「今度お気に入りの味噌ラーメンのお店にご案内しますよ」
「楽しみ。………ラーメン屋で他のラーメン屋の話していいのかな」
「……多分大丈夫だと思います」
その時、灰色の毛を持つハチワレ猫がラーメンを運んできた。
「お待たせしました、赤猫スペシャルです」
「ありがとうございます。繭、撮影はだめだからな?」
「ふふっ,言われなくても分かっていますよ。さ、いただきましょうか」
ふたりはラーメンを堪能するのだった。
悪魔ミルメコレオ
対応する大罪 暴食
ラーメン赤猫に来た迷惑客が悪魔に取り憑かれ誕生した悪魔の怪人。
ライオンの獣人の見た目をしており、鬣から蟻の足が生えた奇妙な見た目をしている。また、左手に蟻の顎を模した武器を備えている。
体温上昇+怒りでキレモードに入った繭にボコボコにされた。