私立桜華学園   作:北凍武人

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前回、パーティーの途中でゆかりと抜け出した尊。繭は少し不満そうで…


13話 尊と繭とラーメン赤猫

繭が尊に話しかけてきた。

 

「今日は私とお出かけしませんか」

 

「お、おう。いいけど……どしたの」

 

「ゆうべはお楽しみでしたね。ゆかりさんと。パーティー抜け出してまで」

 

「怒ってらっしゃいます?」

 

「ええ.カンカンです。なので、補填してもらいます」

 

「了解。……」

 

 

こうして、繭とデートすることになってしまった尊。

 

その後ろをサングラスをかけたアリアたちが覗いていた。

 

「繭ちゃん大丈夫かしら」

 

「?……相当気合い入れて準備してたと思うけど…」

 

「何回かトイレ行ってたわ」

 

「そっち!?……いや、多分大丈夫……だと思う」

 

 

 

 

「ちょっと暑いなぁー。夏,近づいてきたな」

 

「そうですね……」

 

2人はしばらく歩き、やがて一軒のラーメン屋に辿り着く。

 

「らっしゃーせ!」

 

「いらっしゃいませにゃ〜ん♪」

 

「猫ちゃんですね……喋る」

 

「そ。ラーメン赤猫は猫がやってるラーメン屋だ。ちゃんと美味いから安心してくれよ」

 

テーブル席につきいざ注文しようとした時、声が聞こえた。

 

「撮影はおやめください」

 

「なんで?一個人の撮影記録でも?」

 

「当店では一律撮影禁止としております。個人の記録としても、拡散されかねない時代ですので」

 

「接客品質ゥ?必要ないよぉ〜。パッと作ってパッと出せばいいんだ。興味あるのはラーメンの味だけさ」

 

見かねた茶トラネコの店長が迷惑客に声をかける。

 

「撮影をおやめください,今すぐに」

 

「え、なに?客に命令?猫でなくてもそれはあり得ないよねぇ!?」

 

文蔵が言っても引かない迷惑客に、ついに尊が動いた。

 

「あのさ、店員さんがやめてくれって言ってるんだから、やめてくれません?迷惑ですよ」

 

「迷惑?ボクが迷惑だっての?」

 

「そーだよ。店員さん困らせてんじゃねえよ」

 

「あーあー!お前のせいでラーメン冷えちゃったぁ!どうしてくれるのかなぁ?罰金払ってくれるのかなぁ?」

 

「パッと食えばよかったのに。撮影しないで」

 

「んなっ!?」

 

その時、悪魔が入り込み、ライオンとアリが合わさったような見た目の怪物が現れた。

 

悪魔

ミルメコレオ

 

「ムカつくなぁ!ラーメンの代わりにお前を食ってやろうかなぁ?」

 

店の外に一旦追い出し、悪魔ミルメコレオとの戦いに。両者構えるが……

 

「おい」

 

だが、始める前に繭が2人のもとに歩いてきた。だが、その様子がおかしい。湯気が立ち昇っており、その顔は怒りに溢れている。

 

「よくもラーメンデートを邪魔してくれやがったな!潰し殺す!」

 

「「ファッ!?」」

 

尊だけでなく、悪魔ミルメコレオも繭の変貌に驚きを隠せないでいた。

 

悪魔ミルメコレオは繭に一方的にボコられてしまい、悪魔の部分が消滅し、迷惑客は脱兎の如く逃げ出した。

 

「おい」

 

「はいぃ!」

 

「アタシはCANNON†BALLに戻って身体を冷やしてくる!少し待ってろ」

 

「…オレも行っていい?CANNON†BALL」

 

「………ああ。」

 

喫茶CANNON†BALL

 

豪が出迎えてくれた。出してくれたコーヒーを片手に尊は先ほどあったことを話す。

 

「おうタケの字!……さっき繭が入っていったが、なにかしたのかのう?」

 

「繭が身体冷やす為にここに来たんだ。」

 

「おっと……。そういや言ってなかったのう。繭の体質。繭は体温が上がりやすい性質があるんじゃ。そして、ある一定まで上がると凶暴で好戦的になってしまう」

 

「熱暴走的な?リュウジさんの」

 

「うむ,それに近いのう」

 

「ラーメン赤猫に行ってきたんだ」

 

「おー!あの店じゃの?」

 

「迷惑客に注意してたら食い損ねた」

 

「また行けばいいじゃろ。もしかしたらサービスしてくれるかもしれないのう」

 

「………」

 

「お待たせしました。…何か食べててよかったんですよ?

 

「いや、繭と一緒にラーメン食いたくて。赤猫行こうよ」

 

「…………はい!」

 

「いらっしゃいませ〜♡あっ!お兄さん!また来てくれたんだー」

 

「結局注文しないで帰っちゃって。折角来たのにもったいないってなってさ」

 

「ありがとうございますー。それではこちらにどうぞにゃん」

 

 

繭はポスターで見た「赤猫スペシャル」について気になっているようだった。

 

「赤猫スペシャル………」

 

「虎打ち麺ってのを使ってるらしい。頼んでみるか?」

 

「……そうですね。頼んでみます」

 

「ご飯いる?」

 

「小なら……」

 

尊は先ほどテーブル席に案内してくれた白猫に注文する。

 

「赤猫スペシャル二つ、あとライス、大小一つずつお願いします」

 

「はーい!」

 

「赤猫スペシャル2、ライス大1小1でーす!」

 

「「にゃー!」」

 

ラーメンを待っている間、尊はふと思っていたことを話した。

 

「…ゆかりは赤猫に連れてけないな」

 

「どうしてですか?ゆかりさん、ラーメン食べるイメージないからですか?」

 

「いや……、猫を撫でて、猫さんたちの仕事にならないから」

 

「ああ………」

 

「ちなみにゆかりは塩ラーメンとかのあっさり系が好きだ」

 

「私は味噌ラーメンが好きなんです。…他の味も好きですけどね」

 

「特に味噌が好きってことか。オレは醤油が好きだけど、たまに味噌も食うな。」

 

「今度お気に入りの味噌ラーメンのお店にご案内しますよ」

 

「楽しみ。………ラーメン屋で他のラーメン屋の話していいのかな」

 

「……多分大丈夫だと思います」

 

その時、灰色の毛を持つハチワレ猫がラーメンを運んできた。

 

「お待たせしました、赤猫スペシャルです」

 

「ありがとうございます。繭、撮影はだめだからな?」

 

「ふふっ,言われなくても分かっていますよ。さ、いただきましょうか」

 

 

 

 

ふたりはラーメンを堪能するのだった。




悪魔ミルメコレオ
対応する大罪 暴食
ラーメン赤猫に来た迷惑客が悪魔に取り憑かれ誕生した悪魔の怪人。
ライオンの獣人の見た目をしており、鬣から蟻の足が生えた奇妙な見た目をしている。また、左手に蟻の顎を模した武器を備えている。
体温上昇+怒りでキレモードに入った繭にボコボコにされた。
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