「魔人化!?」
「ケッケッケ、成ったか」
明は尊の覚醒に喜ぶが、健は厳しい顔をしていた。
「いや、まだだ」
「健さん…?」
「姿が変わったからってなんだと言うんだ!」
「姿が変わりゃ力もスピードも段違いよ!」
尊は3発のパンチを叩き込み,蹴り飛ばす。
「ぐっ!?」
更に数回攻撃を重ねるも、ダメージは与えられているが、決定打にはなっていないようだった。
「その鎧が邪魔だな」
尊は魔力を拳に集中し、力を溜め始めた。
そして、
「ムラムラムラムラムラムラムラムラムラムラムラムラムラムラムラムラムラ!!」
尊の超乱打がゴルビードの金色の鎧に降り注ぐ!
だが、途中から尊の姿が元の姿に戻っていた。尊は気づかず殴り続けている。
「おい、どういうことだ!?アイツ戻ってるぞ!?」
朔弥が健たちに尋ねる。
「あいつは覚醒したてで、まだ魔人の力を扱いきれてない。」
「どうやらハイになっているようだね」
「それに、変化しているのは顔と拳だけです……完全覚醒には至っていない……」
「明の部分魔人化とは違うのか?」
「あれは魔人化と魔力コントロールを完璧にこなせて初めて成立する。庭瀬のとはベクトルが違う」
「むんっ!」
ゴルビードの反撃で壁に叩きつけられた尊。起きあがろうとしてふらつく尊を、明が支える。
「あれ…おれ……」
「ケッケッケ、ここからは選手交代だ。ようゴルなんとかさんよ、その趣味の悪い鎧に風穴ぶち開けてやるよ」
「hey,明、遅れるなよ?」
「ケッケッケ、真璃亜もな」
明と真璃亜が並び立つ。
「今度はお前らかァー!!」
明は黒い狼のような魔人へ変身し斬りかかる。
真璃亜はゴルビードの邪魔をするかのようにBonnie&Clydeによる射撃で明をサポートする。
「心滅斬波!」
「ぐおおおお!?……何故だ……この鎧はあらゆる攻撃を防ぐはずッ……!」
「ケッケッケ、脳筋だからそりゃ気づかねぇか。ダメージを通さない鎧はとっくのとうに傷ついてるぜ」
「庭瀬が入れてくれたヒビにすら気付かないなんてな」
その後二度三度攻撃を鎧に当てた後、それぞれの銃をヒビのところに突きつける。
「「Jack pot!!」」
2人の放った魔力弾がゴルビードを貫く。
「ク、クソが……まだ終わっちゃ、まだ終わっちゃいね……ぐうう!?どわあァァァァァァ!?」
ゴルビードは爆発四散するも、魂が暴走し、巨大な黄金のサイの姿に変化する。
「渋谷ゴト踏ミ潰シテヤルッ!!」
「フン、残りは俺がやろう」
「アタシもいくぜ。トドメ、刺しきれてねぇ」
「私もです。尊さんのお礼をしないといけませんから」
健は赤いボディで、4つの刃を背負ったライオンの様な姿
繭は金色のボディで、カブトムシとクワガタムシを合わせた、コーカサスオオカブトの様な姿
真璃亜は紫色のボディで両翼にミサイルを武装した蝙蝠のような姿に変化した。
三体が同時に動く。
蝙蝠のミサイル攻撃で角にダメージを与え、甲虫がツノで挟んで強引に持ち上げ地面に叩きつけ、ツノが折れて動けなくなったところを獅子が心臓部を爪で貫いて魂ごと破壊する。
ゴルビードは今度こそ完全に消滅した。
***********
「雨宮達から連絡だ。金城は改心させたみたいだ」
「殺ってもよかったんじゃね?真璃亜も「鯨」欲しがってたし」
「それなのですが、庭瀬組の五次団体某組を使ってください。彼等は金城の後ろ盾を勝手に担ったようで、東城会の名前も勝手に使っていました。父さんがあの組織は絶縁にしたから好きに使ってくれとのことです」
尊の代わりに優が答える。
尊の治療を終え、タバコを吹かせる真璃亜。そこに明がやってくる。
「…………」
「ケーンさん。あとはオレに任せてくれ」
「……明」
二人で黙祷を捧げるのであった……