私立桜華学園   作:北凍武人

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21話 優の決意 みなみ争奪戦!

海藤リゾートの海岸…の東にある岩場。優は1人悩んでいた。

 

「…………僕は、どうすれば………」

 

一方海岸ではみなみが悩ましげな顔で海を眺めていた…

 

(お兄さまから身の振り方を決めておけと諭されたけど...私には愛や結婚なんてわからないわ)

 

 

優とみなみはそれぞれ悩んでいた。

 

なぜこうなったのかと言うと………

 

夏休み前のこと……

 

「みなみの許嫁は僕だ!」

 

「は、はあ…………」

 

留学していたが一時戻ってきたみなみの幼馴染……らしい御曹司、伊集院キミマロが、優に決闘を申し込んだのだ。結果は優の圧勝であった。

 

その話が他の御曹司たちにも伝わり(勝敗は伝わっていない)、彼らもみなみとの婚約を目論みだした。

 

日々浴びせられる熱烈アプローチに辟易した様子のみなみを見かねたわたるが、みなみの婚約者を決めるパーティーを催すことにしたそうだ。

 

「.......不安です」

 

「しゃんとしな!男でしょ?」

 

不安を感じる優をきららが背中を叩いて励ました。

 

御曹司たちは(あんなナヨナヨした男になら勝てる)と思っているようで優を見ていた。

 

まだ緊張が解けていない優にキミマロが話しかけた。

 

キミマロ「キミも来ていたとはね。まあ、せいぜい頑張りたまえ。みなみの花ムコに相応しいのはボクだけどね」

 

そうこうしているうちに選考会が始まってしまった。

 

『第1問!海藤みなみのトキメクものは?正解だと思う方に入ってください』

 

A 流しそうめん

 

B キャビア

 

(確か、はるかさん達と一緒に流しそうめんをした記憶があります……みなみさんも夢中でそうめんをとってましたね)

 

優は流しそうめんの方に向かった。

 

第1問の正解は流しそうめんだ。1回戦突破でホッとした優。

 

なお、キミマロは1回戦敗退という事態になったようだ。

 

朔弥「大口叩いといて一回戦落ちかよ...」

 

明「口だけは立派だな」

 

尊「…好きな子の好きなものも分かってないなんてな」

 

繭「この程度でみなみちゃんの伴侶を目指そうとは……」

 

尊や朔弥や明たちは、キミマロをボロクソに酷評する。

 

健「フン、情けない。レイに言って鍛え直してもらわねばな」

 

物凄い顔で睨みつけるレイとそれを見ながら呆れた顔を見せる健。

 

その後もなんとか勝ち残った優。優を含めて4人に絞られたようだ。実は尊たちも参加していたのだが、良きところでわざと落ちていた。

 

みなみは4人の候補者に.....

 

みなみ「幾ら家柄の良い方々であっても、お人柄を知らぬまま婚姻はできません。.....わたしに愛を教えてくれた方を伴侶とします。」

 

1人目には1番輝く愛を

2人目には1番尊い愛を

3人目には1番熱い愛を

4人目……優には1番澄んだ愛を

 

それぞれ自分に示すよう伝えた。

 

きらら「まるで現代版かぐや姫だねー」

 

わたる「まあいいか...みなみの意志も尊重しようか」

 

陸「優くん以外にはまず無理な難題出してきたね」

 

明「ケッケッケ、すでに勝負は決まってるのにな」

 

朔弥「優、どう出る…?」

 

みなみが出した最終試練に、きららがツッコミを入れた。わたるもみなみの意思を尊重しようと許可する。

 

 

海岸。優は悩んでいた。

 

「…………僕は、どうすれば………」

 

「ウジウジ悩むならオレがもらっちゃおうかな」

 

そこに、尊が現れた。挑発的な笑みを浮かべ優に近づいてくる。

 

「なっ!?」

 

「キミマロにも御曹司にも勿体ねぇ。優もウジウジしてるし。だったら俺が貰う。襲っちまってもかまわねぇよな?」

 

「…させません。みなみさんは僕が守ります」

 

「それならやることは一つじゃあねえか?」

 

優は、尊に挑み掛かる。尊はノーガードで優の攻撃を喰らい続けた。そして、尊へ渾身のパンチ喰らわせダウンさせる。

 

優は会場に向けて走り出した。

 

「んだよ、出てんじゃねえか.答え」

 

会場。制限時間が来た為、御曹司たちは自慢の品々を運んできた。

 

一番輝く愛を示すよう言われた御曹司は、金銀財宝を見せた。

 

御曹司A「みなみさんに相応しい一番輝くもの!どうぞ!美しく飾られ、光り輝くあなたが最高です!」

 

一番尊い愛を示すよう言われた御曹司は珍しい青い薔薇を見せた。

 

御曹司B「どうです?この類まれなる青きバラ!これこそ高級の尊さ!希少価値あるあなたに相応しい!」

 

一番熱い愛を示すよう言われた御曹司は、源泉を見せた。

 

御曹司C「一番熱きものはこれだあーっ!わが家が誇る超一級源泉!」

 

 

御曹司たち「「「どうです?」」」

 

御曹司A「この輝き!」

 

御曹司B「この尊さ!」

 

御曹司C「この熱さ!」

 

御曹司たち「「「あなたに極上の愛をささげます!」」」

 

秀夫「金だけの物で人の心を落とせると思ってるとは、とんだお笑いだな」

 

そんな彼らを見て秀夫はボソリと毒づいた。

 

残りは澄んだ愛を示すように言われた優だ。

 

優は何も用意しなかった。スーツはボロボロ、メガネも途中で落としてしまったらしい。

 

その代わり、優は自分の、みなみへのありったけの想いを叫んだ。

 

「みなみさん、…………僕にはなにもありません。金銀財宝を用意することも出来ませんし、青い薔薇や、超1級の源泉を持ってくることはできません。でも、あなたを想う気持ちだけは誰にも負けません!僕はみなみさんに降りかかるあらゆる災を跳ね除け守り抜きます!あなたに僕の全てを捧げます!」

 

みなみ「優……………嬉しいわ」

 

みなみの反応は先の3人のときとは全く違っていた。それを見たわたるはみなみを任せる人を決めたようだ。

 

わたる「………選考会、開くまでもなかったね」

 

優の隣にみなみが立った。そしてみなみが宣言する。

 

みなみ「私は、この方……庭瀬優を伴侶とすることを決めました」

 

御曹司たちはざわつくも

 

「みなみさんは彼に託そう」

 

「尊い笑顔を見せたのは彼の時だけだしね」

 

「この源泉よりも熱いハートを感じたぜ」

 

「……悔しいが認めざるを得ない」

 

決勝に勝ち残った3人とキミマロは納得した様子を見せていた。

 

だが………

 

「認めない!」

 

1人の御曹司が前に出た。

 

「オレの能力と関係ないところで落としやがって!なにが流しそうめんだふざけんな!オレに恥をかかせたこと後悔させてやる!海藤財閥がなんだ!!」

 

御曹司は悪魔の姿に変身した。

 

悪魔

シーサーペント

 

「可愛さ余って憎さ百倍ってところかしら?」

 

「くだらないわね」

 

ゆかりと灯は呆れ果てた様子の冷たい目でシーサーペントを見ていた。

 

「宝石の人!青い薔薇の人!源泉の人!あと分家の人!みなみさんを安全なところへ!……変な気を起こしたらあなた達から貫きますからね」

 

優は近くにいた4人の御曹司に指示を出した。

 

「わかった」

 

「任せてくれ」

 

「心得だぜ」

 

「扱いおかしいだろ!?」

 

キミマロは分家扱いされたことに怒るが、レイは肯定する。

 

「いや合ってる」

 

「従姉さん!?」

 

魔人に変身しようとする尊を制し、優はカシオペイアを構える。

 

「海蛇如きに負けるほど僕は弱くないですよ」

 

「このォォォッ!!」

 

シーサーペントが襲いかかってくるが優はフォースナイトに変身し、カシオペイアを叩きつける。

 

「……今日はあいつに譲ってやるか」

 

尊は魔人化しようとしたが、中断してみなみの元に向かうことに。

 

優が戦ってる間に尊はみなみと話すことにした。

 

「みなみちゃん、あいつの事よろしく頼むな。器用そうで実は結構不器用なのよね。優は。」

 

「ふふっ……確かにそうですね。さっきの最終選考、ずっと悩んでいたみたいですし」

 

「オレさ、最初は優と庭瀬家の縁を切るつもりだったんだ」

 

「えっ?」

 

「優は極道とは関わらず、まっすぐあいつの道を進んで欲しいって思ってさ。実際、優は極道の息子ってことで酷い目にあったこともあったしな」

 

「……」

 

「でも,あいつはそれを拒否した。第三者から何を言われようと、自分の生まれ育った家に誇りを持ちたいって言ってくれた。みなみちゃん、どうか優のことをよろしく頼む」

 

「はいっ。お義兄様」

 

そうこうしているうちに悪魔シーサーペントは追い詰められていたようだ。

 

「いけー!優!」

 

「トドメいけるよ!」

 

蒼真と琥珀に応援された優。

 

「さ、あいつに声かけてやって」

 

尊に促されたみなみは、「頑張れ、優!」と声をかけた。

 

みなみの応援で気合いを入れた優は、狙いを定めてイカリを射出した。

 

「喰らいなさい!アンカーショット!」

 

「どわぁぁぁぁ!?」

 

シーサーペントの悪魔部分が消滅し、変身していた御曹司が顕となる。

 

御曹司はなおも諦め悪かったが、みなみにバッサリと切り捨てられ今度こそ戦意喪失したのだった……。

 

 

 

 

その後、優とみなみが話すこととなった。

 

「…………あの……すみません……言葉がうまく纏まらなくて、あんな長い話を………それに、ボロボロでみっともない格好を見せてしまいました」

 

「いいえ、とても嬉しかったわ。むしろもっと早く言って欲しかったくらい」

 

「っ!」

 

「これからよろしくね、旦那様」

 

みなみは一言告げると、優に笑顔を向ける。優は赤面した…

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