海藤リゾートの海岸…の東にある岩場。優は1人悩んでいた。
「…………僕は、どうすれば………」
一方海岸ではみなみが悩ましげな顔で海を眺めていた…
(お兄さまから身の振り方を決めておけと諭されたけど...私には愛や結婚なんてわからないわ)
優とみなみはそれぞれ悩んでいた。
なぜこうなったのかと言うと………
夏休み前のこと……
「みなみの許嫁は僕だ!」
「は、はあ…………」
留学していたが一時戻ってきたみなみの幼馴染……らしい御曹司、伊集院キミマロが、優に決闘を申し込んだのだ。結果は優の圧勝であった。
その話が他の御曹司たちにも伝わり(勝敗は伝わっていない)、彼らもみなみとの婚約を目論みだした。
日々浴びせられる熱烈アプローチに辟易した様子のみなみを見かねたわたるが、みなみの婚約者を決めるパーティーを催すことにしたそうだ。
「.......不安です」
「しゃんとしな!男でしょ?」
不安を感じる優をきららが背中を叩いて励ました。
御曹司たちは(あんなナヨナヨした男になら勝てる)と思っているようで優を見ていた。
まだ緊張が解けていない優にキミマロが話しかけた。
キミマロ「キミも来ていたとはね。まあ、せいぜい頑張りたまえ。みなみの花ムコに相応しいのはボクだけどね」
そうこうしているうちに選考会が始まってしまった。
『第1問!海藤みなみのトキメクものは?正解だと思う方に入ってください』
A 流しそうめん
B キャビア
(確か、はるかさん達と一緒に流しそうめんをした記憶があります……みなみさんも夢中でそうめんをとってましたね)
優は流しそうめんの方に向かった。
第1問の正解は流しそうめんだ。1回戦突破でホッとした優。
なお、キミマロは1回戦敗退という事態になったようだ。
朔弥「大口叩いといて一回戦落ちかよ...」
明「口だけは立派だな」
尊「…好きな子の好きなものも分かってないなんてな」
繭「この程度でみなみちゃんの伴侶を目指そうとは……」
尊や朔弥や明たちは、キミマロをボロクソに酷評する。
健「フン、情けない。レイに言って鍛え直してもらわねばな」
物凄い顔で睨みつけるレイとそれを見ながら呆れた顔を見せる健。
その後もなんとか勝ち残った優。優を含めて4人に絞られたようだ。実は尊たちも参加していたのだが、良きところでわざと落ちていた。
みなみは4人の候補者に.....
みなみ「幾ら家柄の良い方々であっても、お人柄を知らぬまま婚姻はできません。.....わたしに愛を教えてくれた方を伴侶とします。」
1人目には1番輝く愛を
2人目には1番尊い愛を
3人目には1番熱い愛を
4人目……優には1番澄んだ愛を
それぞれ自分に示すよう伝えた。
きらら「まるで現代版かぐや姫だねー」
わたる「まあいいか...みなみの意志も尊重しようか」
陸「優くん以外にはまず無理な難題出してきたね」
明「ケッケッケ、すでに勝負は決まってるのにな」
朔弥「優、どう出る…?」
みなみが出した最終試練に、きららがツッコミを入れた。わたるもみなみの意思を尊重しようと許可する。
海岸。優は悩んでいた。
「…………僕は、どうすれば………」
「ウジウジ悩むならオレがもらっちゃおうかな」
そこに、尊が現れた。挑発的な笑みを浮かべ優に近づいてくる。
「なっ!?」
「キミマロにも御曹司にも勿体ねぇ。優もウジウジしてるし。だったら俺が貰う。襲っちまってもかまわねぇよな?」
「…させません。みなみさんは僕が守ります」
「それならやることは一つじゃあねえか?」
優は、尊に挑み掛かる。尊はノーガードで優の攻撃を喰らい続けた。そして、尊へ渾身のパンチ喰らわせダウンさせる。
優は会場に向けて走り出した。
「んだよ、出てんじゃねえか.答え」
会場。制限時間が来た為、御曹司たちは自慢の品々を運んできた。
一番輝く愛を示すよう言われた御曹司は、金銀財宝を見せた。
御曹司A「みなみさんに相応しい一番輝くもの!どうぞ!美しく飾られ、光り輝くあなたが最高です!」
一番尊い愛を示すよう言われた御曹司は珍しい青い薔薇を見せた。
御曹司B「どうです?この類まれなる青きバラ!これこそ高級の尊さ!希少価値あるあなたに相応しい!」
一番熱い愛を示すよう言われた御曹司は、源泉を見せた。
御曹司C「一番熱きものはこれだあーっ!わが家が誇る超一級源泉!」
御曹司たち「「「どうです?」」」
御曹司A「この輝き!」
御曹司B「この尊さ!」
御曹司C「この熱さ!」
御曹司たち「「「あなたに極上の愛をささげます!」」」
秀夫「金だけの物で人の心を落とせると思ってるとは、とんだお笑いだな」
そんな彼らを見て秀夫はボソリと毒づいた。
残りは澄んだ愛を示すように言われた優だ。
優は何も用意しなかった。スーツはボロボロ、メガネも途中で落としてしまったらしい。
その代わり、優は自分の、みなみへのありったけの想いを叫んだ。
「みなみさん、…………僕にはなにもありません。金銀財宝を用意することも出来ませんし、青い薔薇や、超1級の源泉を持ってくることはできません。でも、あなたを想う気持ちだけは誰にも負けません!僕はみなみさんに降りかかるあらゆる災を跳ね除け守り抜きます!あなたに僕の全てを捧げます!」
みなみ「優……………嬉しいわ」
みなみの反応は先の3人のときとは全く違っていた。それを見たわたるはみなみを任せる人を決めたようだ。
わたる「………選考会、開くまでもなかったね」
優の隣にみなみが立った。そしてみなみが宣言する。
みなみ「私は、この方……庭瀬優を伴侶とすることを決めました」
御曹司たちはざわつくも
「みなみさんは彼に託そう」
「尊い笑顔を見せたのは彼の時だけだしね」
「この源泉よりも熱いハートを感じたぜ」
「……悔しいが認めざるを得ない」
決勝に勝ち残った3人とキミマロは納得した様子を見せていた。
だが………
「認めない!」
1人の御曹司が前に出た。
「オレの能力と関係ないところで落としやがって!なにが流しそうめんだふざけんな!オレに恥をかかせたこと後悔させてやる!海藤財閥がなんだ!!」
御曹司は悪魔の姿に変身した。
悪魔
シーサーペント
「可愛さ余って憎さ百倍ってところかしら?」
「くだらないわね」
ゆかりと灯は呆れ果てた様子の冷たい目でシーサーペントを見ていた。
「宝石の人!青い薔薇の人!源泉の人!あと分家の人!みなみさんを安全なところへ!……変な気を起こしたらあなた達から貫きますからね」
優は近くにいた4人の御曹司に指示を出した。
「わかった」
「任せてくれ」
「心得だぜ」
「扱いおかしいだろ!?」
キミマロは分家扱いされたことに怒るが、レイは肯定する。
「いや合ってる」
「従姉さん!?」
魔人に変身しようとする尊を制し、優はカシオペイアを構える。
「海蛇如きに負けるほど僕は弱くないですよ」
「このォォォッ!!」
シーサーペントが襲いかかってくるが優はフォースナイトに変身し、カシオペイアを叩きつける。
「……今日はあいつに譲ってやるか」
尊は魔人化しようとしたが、中断してみなみの元に向かうことに。
優が戦ってる間に尊はみなみと話すことにした。
「みなみちゃん、あいつの事よろしく頼むな。器用そうで実は結構不器用なのよね。優は。」
「ふふっ……確かにそうですね。さっきの最終選考、ずっと悩んでいたみたいですし」
「オレさ、最初は優と庭瀬家の縁を切るつもりだったんだ」
「えっ?」
「優は極道とは関わらず、まっすぐあいつの道を進んで欲しいって思ってさ。実際、優は極道の息子ってことで酷い目にあったこともあったしな」
「……」
「でも,あいつはそれを拒否した。第三者から何を言われようと、自分の生まれ育った家に誇りを持ちたいって言ってくれた。みなみちゃん、どうか優のことをよろしく頼む」
「はいっ。お義兄様」
そうこうしているうちに悪魔シーサーペントは追い詰められていたようだ。
「いけー!優!」
「トドメいけるよ!」
蒼真と琥珀に応援された優。
「さ、あいつに声かけてやって」
尊に促されたみなみは、「頑張れ、優!」と声をかけた。
みなみの応援で気合いを入れた優は、狙いを定めてイカリを射出した。
「喰らいなさい!アンカーショット!」
「どわぁぁぁぁ!?」
シーサーペントの悪魔部分が消滅し、変身していた御曹司が顕となる。
御曹司はなおも諦め悪かったが、みなみにバッサリと切り捨てられ今度こそ戦意喪失したのだった……。
その後、優とみなみが話すこととなった。
「…………あの……すみません……言葉がうまく纏まらなくて、あんな長い話を………それに、ボロボロでみっともない格好を見せてしまいました」
「いいえ、とても嬉しかったわ。むしろもっと早く言って欲しかったくらい」
「っ!」
「これからよろしくね、旦那様」
みなみは一言告げると、優に笑顔を向ける。優は赤面した…