尊「よっ!はっ!そいや!」
ロッジのすぐ側の鍛錬場にて、尊はアグニとルドラを振るっていた。
繭「せいが出ますね。ですが,やりすぎは厳禁ですよ?」
尊「うぃ」
ジョウロを持った繭が声をかける。桜華学園に転校生としてやってきた繭は黄寮在籍ではあるが、尊のロッジで過ごしているのだ。
尊「うし、もう一周しようかな。……ん?」
尊はロッジの後ろの木の近くに、不自然に開いたゲートのようなものを発見する。
近づくと、尊は吸い込まれてしまった。
尊「うわあああああ!?」
・・・・・・・・・
-魔界
尊「ってて………なんだぁ?ここは」
尊は辺りを見渡す。
地上とは違う,不気味な空間。
尊「魔界……なんかな。ん!?」
尊は何かの気配に気づいた。いつの間にか囲まれていたようだ……。
尊「コイツらが悪魔かぁ。……面白ぇ」
尊はアグニとルドラを構えた。
アグニ『初陣だな』
ルドラ『存分に力を振るうといい』
尊「おつけい。さあ、派手に行くぜ!」
数分後、悪魔達を全滅させ一息ついていた。
尊「双剣は朔弥の方が使えてたけど、悪くないな」
休憩を終えた後、しばらく歩いていたのだがある塔を見つけ、入ろうとすると、三つの首を生やした巨大な狼犬が現れ、入り口の前に立ち塞がった。
三つ首の狼犬『去れ、人間! この地に貴様のような者は立ち入り禁止だ。力なき者よ、ここに足を踏み入れる資格はない』
尊「喋る犬……!?まーでも、こむぎの方がかわいいし愛嬌あるわな。もっと可愛くした方が人気でるかもよ?」
三つ首の狼犬『我を愚弄するか!』
尊「まあまあ、そんなカリカリしないで。カルシウム足りてる?」
三つ首の狼犬『貴様の骨でかるしうむとやらを摂取してやる』
ケルベロスは冷気を吐いてきた。
尊「うおっ!?………」
アグニとルドラを構え、素早く移動しケルベロスの冷気を躱す。そしてアグニで切り裂く。
三つ首の狼犬『グオオオオ!?』
尊「お。アグニの方は通りが良さそうだ」
アグニ『我を存分に使うといい』
ルドラ『……我はお預けか』
しょんぼりするルドラだが,すかさずフォローを入れる。
尊「ルドラの風で炎を増幅できそうだ」
ルドラの風にアグニの炎を加えて何度か炎の竜巻で攻撃する。
尊、アグニ、ルドラ「『『テムペスト!』』」
巨大な炎の竜巻がケルベロスを飲み込んだ。
ケルベロスは少しの間気を失っていたが、目を覚ましゆっくり立ち上がる。
尊「嘘だろまだ立ち上がんの!?」
尊は構えるが、ケルベロスは敵意を見せていないようで、静かに問いかける。
ケルベロス『……貴様、ただの人間ではないな?』
尊「わり、ただの人間だよ。魔具貰っただけの、な」
『いずれにせよ、貴様は実力を示した。貴様を認めよう。我が魂を手に、先へ進め!』
『我が牙の加護を!』
ケルベロスは一声吠えると、ヌンチャクに変化した。
「いやっほーう!」
尊はヌンチャクを手に取り、演武をするが如く振り回す。そして、塔に入ろうとした尊であったが……
「どこへ行かれるのですか?」
突如呼び止められ、振り向くと。
尊「ふぇい!?」
そこには笑顔を浮かべた繭が。……笑顔ではあるのだが、黒い。
明「なーにやってんだ尊」
尊「明!?なんでここにいんだよ」
明も後ろに立っていた。呆れたような顔で尊を見ている。
明「俺は健の依頼受けてこの塔の調査に来たんだよ。したらオマエがヌンチャク振り回してるのが見えたんだ」
繭「さっきの悪魔は…ケルベロス。上級に位置する悪魔です。まさか、尊くん1人で?」
尊「おう。……アグニの通りがよかったみたいで、なんとか勝てたよ」
尊の話を聞いた繭は、
繭「明さん。少し待っててくれますか?私は尊君を現界に戻してきます」
明「おう」
尊「えー、一緒に行こ」
繭「ダメです」
尊「アッーー……」
繭は嫌がる尊を引き摺ってゲートを潜った…。
明「………まさか、魔具貰って1週間でケルベロスを倒すたぁな。俺も倒したことあるけど。」
明は門番が消えた塔の入り口にて、静かに繭の戻りを待つのだった。