L社のとある社員たちの物語   作:一般通過審判鳥

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全員戻れ、書き直しだ。審判繋がりで一回言ってみたかったんだよね、一般通過審判鳥です。

やっと第八話。ここまで毎回前書きでふざけてきましたね。
なんか最近本文の文字数がインフレしてきた気がする。
一応比較のために書いておくと:

第一話:3503文字
第二話:4461文字
第三話:5777文字
第四話:7343文字
第五話:5796文字
夢の終わる:8355文字
第七話:5989文字

だぞ。


───長い。



第四話と夢の終わるは何があったんだ(ドン引き)
こんなもの書いてる奴の気がしれないわね。
っつーことで今回は5675文字になったぞ!(唐突なネタバレ)
長い文章読むのも疲れるだろ!な!

という言い訳を挟んだところで注意!
この作品には
1:私のオリキャラ
2:雑な原作キャラクター再現
3:拙い文章
4:ロボトミーコーポレーションストーリーの勝手な解釈
5:死体、殺害描写
が含まれます
気をつけてね!
そんなの関係ねぇ!という方は最後まで読んでいただけるとありがたいです。

それではどうか、あなたの本が見つかりますように。


第8話

扉を勢いよく開け放って突入した先は、どう見ても目的地とは思えねえ部屋だった。

ずらりと並ぶ大量のベッド、棚に山積みの中身のわかんねえビン。

こちらを振り向く、白衣を着た奴ら。

それに──

そのベッドの一つに寝ている、虚ろな顔の女。

 

「なんだ、お前?」

「…誰?」

 

そいつは俺を見つめていたが、その声にも目にも、生気ってもんがまるで宿ってなかった。

 

「俺ぁグリフィンってんだ。お前は?」

「…グスタフソン。」

「そうか、グスタフソン。長くてめんどくせえしグフでいいか?」

「別に。」

「ならいい。じゃあよ、グフ。ここが食堂ってとこか?」

「…え?」

 

グフが驚いたような顔になる。

 

「違うけど…」

「だよな。」

 

俺はやっと追いついたフィンを問い詰める。

 

「おい、フィン!やっぱここ食堂じゃねえってよ!」

「そんなあ!絶対道間違えてないはずなのに!」

「間違ってるから着いてねえんだろうが!」

 

フィンにゲンコツを食らわせる。

 

「痛っ!」

 

俺たちがそんなことをやってる間に、グフは少し黙り込んで何かを考え込んでるみてえだった。

 

「…道がわからないなら、私が案内しようか?」

「あ?」

 

思いがけない言葉に、面喰らっちまう。

 

「おめえ、顔色が悪いぞ。動いていいのか?」

「いいの。私はどうせここで働かなきゃだし。」

「ま、お前がそう言うなら頼むことにするか。」

「ありがとう、お姉さん!名前は──」

「グスタフソン。」

 

それだけ言うと、グフは歩き出しちまった。

スリッパで。

 

「お前、そのカッコで働きに行くって、正気か?」

「途中で着替えるから。」

「それならいいけどよ…」

 

俺の言葉を待たず、さっさと扉から出ていくグフ。

 

「…早く来ないと置いていくわよ。」

「へいへい。フィンも行くぞ。」

「もちろん!」

 

俺たちはその部屋を後にした。

5分ほど歩いた頃だったか。

 

「…ねえ、あなた達。」

「どうしたんですか?」

「あなた達はエージェントなの?それともオフィサー?」

 

…そんなの知ってなんになるんだ?

 

「それ、なんか意味あんのか?」

「…大いに。」

「ふーん。で、俺たちがエージェントだったらなんで、オフィサーだったらなんなんだってんだ?」

「もし、あなた達がオフィサーなら。」

 

グフは少し間を置いた。

まるで何かを思い返すように。

 

「今日中に、やめた方がいい。」

「えっ?」

「そりゃまたなんで。」

 

視線を前からこちらに向け、グフは淡々と言った。

 

「死ぬから。」

 

フィンが小さく息を呑む。

 

「どういうこと…?」

「…説明しろ。」

 

グフは再び前を向き、語り始めた。

 

「この会社はね、人のことをなんとも思ってないの。もっとはっきり言うと、オフィサーのことをただの使い捨てとしか。」

 

黙って話を聞く。

足だけを動かしながら。

 

「…私の大切な人も、切り捨てられた。」

「なるほど…でもよ、ならなんでオフィサーって奴らはこの会社で働いてんだ?」

「…多分、知らないから。」

「何をだ?」

「この会社の、『本当の』姿を。」

「…」

 

そんなにやべえ会社なのか、L社ってのは。

 

「でもさ、グスタフソンさん。オフィサーの人達だって、その『本当の』姿っていうのを見たらやめるんじゃないの?」

「そうね。『生き残れたら』、やめるかもね。」

「…」

 

今度はフィンが黙り込んだ。

 

「この会社ではね、オフィサーに残された選択肢はいつか幻想体に襲われて死ぬか、耐えきれずに壊れるかの二つなの。そして、壊れたら『退社』させられる。」

 

いつの間にか、一本道の先の行き止まりにある扉の前まで来ていた。

 

「だから、あなた達がオフィサーなら今すぐこんな会社辞めた方がいい。」

「…そりゃ大変だな。」

 

俺はニカッと笑って続ける。

 

「だがな、そんなのは関係ねえ。俺たちゃエージェントだからな。」

「…え?」

 

そして、扉を力一杯押し開けた。

 

 

────────────────────────────────────────────

 

 

既に食堂で待っていたヨンキーとグフはどうやら馬が合うみてえだった。

 

「で、グフとヨンキーはいつまで話し込んでんだ?」

「さあ…もう20分くらい経つけど。」

 

二人とも、俺たちには到底理解できないような難しい話ばっかしやがる。

 

「俺たちはいつから業務開始なんだ?」

「アンジェラさんが昨日言ってたでしょ…8:00だよ…」

「ああ、そうだったな。それで?今何時だ?」

「7:40だね…」

 

ため息をつく。

 

「初日から遅刻しちまうぜ…俺みてえなバカでもわかるぞ、それはやべえって。」

「そうだね。グスタフソンさん呼んでくるよ!」

「ああ任せたぜ。」

 

グフとヨンキーが座るテーブルに向けて駆けていくフィンの後ろ姿を見送りながら、俺は考える。

 

「使い捨て、ねぇ。」

 

独り言が漏れちまう。

今あそこで急いでるやつも、

大声で笑ってるやつも、

多分ダチと歩いてるやつも。

ま、フィンとヨンキーさえ無事ならどうでもいいっつー話だ。

裏路地じゃ、そんなこといちいち気にしてたら生きてけねえ。

 

「ごめんなさい、待たせたわね。」

 

グフとヨンキーがフィンに連れられて歩いてくる。

 

「おめえ、今の今まで何話してやがった?あと20分しかねえぞ。」

「わかってる。急ぎましょう。」

「うん!あ、ヨンキーさんとはここでお別れだね!」

「そうなるな。」

 

ヨンキーは残念そうな顔で突っ立っていた。

 

「ま、来週までの辛抱だ。帰ってきたら、お前らがこの仕事をどう思ったか教えてくれよ。」

「もちろん!」

「ああ、たっぷり土産話を持って帰ってきてやる。」

「ははっ、そうか。なら期待して待ってることにするか。」

 

そして、軽く手を振り背を向け歩き始めた。

 

「…死ぬなよ。」

「死ぬか、アホ。」

「僕たちを信じていいからね!」

「そうか。」

 

そう言い残すと、ヨンキーは扉を開き、食堂を後にした。

 

「私たちも行きましょうか。」

「おう!」

「頑張るぞ〜!」

「その意気だ!」

 

そして食堂を離れ、職場とやらに向かう途中のことだった。

 

「ここね。」

 

グフが足を止める。

 

「ここが目的地なの?」

「にしては周りに誰もいねえぞ。」

「当然、目的地じゃないわ。ただの中継地点。」

「へえ、ここで何かするの?」

「ええ。ここはE.G.O.保管庫。その名の通り、E.G.O.が収められている場所よ。」

 

どっかで聞いたことがある気がするな。

昨日アンジェラの野郎がなんか言ってたか?

 

「E.G.O.っつうと…あの…なんだ…?」

 

グフは眉ひとつ動かさなかった。

 

「でしょうね。医務室のことを知らずにE.G.O.のことを知ってたら驚きよ。」

「なんだ、馬鹿にしてるのか?」

「ええ。」

 

あっさりあしらわれちまった。

 

「E.G.O.っていうのは要するに、特別な武器と防具だと思ってもらっていいわ。そして、ここで私たちはその日の担当E.G.O.を着用するの。」

「へえ、なるほど。ま、俺は拳の方がいいけどな。」

「まあまあ、兄ちゃん。一回使ってみようよ。」

「…お前が言うなら。」

 

 

少しして、俺たちは着替え終わった。

白色と赤色の防弾ベストみてえな服。

 

「…防具は結構良さそうなやつだな。」

 

着ただけでわかる。こいつは悪くねえ。

 

「だが、武器が拳銃っつうのは気に入らねえな。遠くからちまちま攻撃するのは性に合わねえ。」

「いいじゃん、結構似合ってるよ。」

「そうか?」

 

外からグフの声が聞こえる。

 

「二人とも、そんなに時間かけたら本当に遅刻するわよ。」

「ああ、すぐ行く。」

 

叫び返して、靴の紐を結ぶ。

 

「うし、準備完了だな。」

「僕も!」

「じゃあ行くか。」

 

扉を開けると、そこには紫色のコートを着て、槍を担いだグフの姿があった。

 

「お前は槍なのか。」

「ええ。抽出元の幻想体によってE.G.O.は全く違うから。」

「そうか……なあ、こっそり俺の拳銃とそれ、交換してくんねえか?」

 

そう尋ねるも、グフは首を横に振る。

 

「ダメよ。管理人の指示に従わないと。」

「ちぇっ、仕方ねえな。」

「私だって、こんなの着たくないけど。」

 

グフは、少し遠くを見るような目をしていた。

 

 

────────────────────────────────────────────

 

 

職場に着くまでの間、私の頭の中はスーザンとロンドン、そしてグリフィンとフィンのことでいっぱいだった。

スーザンとロンドン。二度と帰ってくることのない、私の大切な同僚であり、親友でもあった人たち。

今更二人のことを思い出しても何にもならない。

それでも、思い出さずにはいられなかった。

 

それに対して、グリフィンとフィン、そしてヨンキーはエージェントだ。

オフィサーであった二人とは違う。

…それでも。

 

「あなた達、さっきヨンキーさんも言ってたけど。」

「急にどうした?」

 

少し黙る。

 

「絶対に、死なないで。」

「なんだ、お前も俺たちのことを疑うのか?」

「そうだよ!グスタフソンさん!僕たちだって今までずっと裏路地で生きてきたんだ!そんな簡単に死なないよ!」

「その通り!言うじゃねえか、お前!」

「…そう。」

 

元気な返事をする二人。

それでも、不安が払拭されることはなかった。

スーザンとロンドンだって、最後に会った朝は活気に満ち溢れていた。

考え込んでいるうちに、職場に着く。

 

「…おはよう、諸君。」

 

聞き慣れた声がスピーカーから流れる。

最後に聞いてから、半日程度しか経っていない声。

それなのに、随分と時間が経った気がした。

 

「まずは、新人二人だな。グリフィンにフィンか。よろしく頼む。」

「おう、あんたが管理人か?明日から俺のE.G.O.を交換しろ。これ以外ならなんでもいい。」

「…会って第一声がそれか。」

「ダメなのか?」

「仕事に対して情熱的だと、前向きに捉えておこう。」

 

管理人の声からは少しの呆れが感じられた。

 

「そして…もう一人、君がフィンか?」

「はい!これからよろしくお願いします!」

「弟の方は素直でいい…よろしく。」

 

少しの、静寂。

 

「そして…グスタフソン。」

 

気まずい沈黙が流れる。

 

「…昨日のことは、すま──」

「いいんですよ、管理人。」

「しかし…」

「いいんです。管理人のせいではありません。」

「…」

 

フィンが不思議そうにこちらを見る。

 

「グスタフソンさん、昨日何が──」

「フィン。」

 

グリフィンがフィンの肩に手を置く。

そして、短い目配せをした。

フィンがそれ以上追及してくることはなかった。

 

「…そうか。ではグリフィン、フィン。君たちは情報部門に向かってくれ。そこで情報部門担当のセフィラ、イェソドと会えるはずだ。」

「そりゃどこだ?」

「地図を見たまえ。」

「悪いけど俺もフィンも読めねえぞ。」

「…地図の中で、紫色の部門だ。今君たちがいるコントロール部門の真下。」

「なるほど、理解した。じゃ、フィン!行くぞ!」

「うん!グスタフソンさんもまた後でね!」

「そうね。また後で。」

 

彼らは全速力で駆けていった。

途中で歩いていたオフィサーにぶつかりかけるところまでは見えたが、そこで扉が閉まった。

 

「グスタフソン、O-03-03に愛着作業を行ってくれ。」

「わかりました。」

 

そう言って、私はたった一つの罪と何百もの善の収容室へと向かった。

 

収容室へ辿り着いた私は、慣れた手つきで扉を開け、作業を開始する。

もう何度目かわからない。

そして、あっという間に作業は終わりを迎えた。

 

『汝の罪を懺悔せよ。』

 

これも、何度目かわからない要求。

普段は、どうでもいいような罪を告白してきた。

でも、今は。

 

「…私は、大切な人を、二人を守れませんでした。」

 

たった一つの罪と何百もの善は、その場に浮かんでいるだけ。

 

「あの時、もうこんな間違いはしないと誓ったはずなのに。助けられたはずなのに、間に合ったはずなのに。」

 

暖かい光が私を包み込む。

 

「それでも、二人の手を取れなかった。私の目の前で、二人は。」

 

カチカチと歯をぶつけ合う音が聞こえる。

 

「スーザンと、ロンドン。彼らの死は、全て私の責任、私の罪です。」

 

静寂。

 

「…これで、満足ですか?」

 

脳内に言葉が響き渡る。

 

『汝の罪を懺悔せよ。』

「…」

 

言葉が出なかった。

あなたはこれが私の罪じゃないと。

 

「そうですか…あなたの中では、これは私の責任ではないと。」

 

返答はない。

しかし、少し光が強くなった気がした。

 

「…では、告白する罪を変えなければなりませんね。」

 

もう一度、罪の告白をやり直す。

 

「私は、スーザンとロンドン。二人の死の責任を、私の責任にしようとしました。これは、傲慢ですか?」

 

光が、今までよりも格段に強くなる。

 

『汝の罪、聞き届けたり。』

 

そして、光が収まった時、私は頭に何かが巻きついていることに気がついた。

それは、いばらの冠。罪善さんのギフトだった。

 

「…ありがとうございました。」

 

もはや、何かが脳内に響いてくることはない。

それでも、最後に罪善さんに一礼をしてから収容室を出る。

 

「グスタフソン、ついにO-03-03のギフトを取得したか。随分とかかったな。」

「ええ。苦労したんですよ。」

「そうか。まあ、取れたならいい。次は…O-02-56に本能作業を、頼む。」

「わかりました。」

 

そうして、私は歩き出した。

心の重荷が、少し軽くなった気がした。

 

 

────────────────────────────────────────────

 

 

「へえ、ここが情報部門っつーところか。」

「すごい、建物の色味が全然違うね。」

 

廊下が、どこを見渡しても紫色だ。

コントロール部門と同じ建造物とは到底思えねえ。

 

「ま、ひとまずメインルームに向かおうぜ。」

「うん!」

 

連れ立って、歩き出す。

 

「お、あそこめちゃくちゃ人がいるぞ、あれがメインルームじゃねえか?」

「多分そうだよ!……ねえ、兄ちゃん。僕だけかな?なんか機械が立ってる気がするんだ。」

「大丈夫だ、俺にも見える。」

 

確かに、箱型の機械がそこに立ってやがった。

紫の目のような部分が鋭く光る。

 

「なあ、あれって近づいていい奴か?」

 

フィンに尋ねる。

 

「なんで僕に聞くの、兄ちゃんが決めてよ。」

 

って返されちまった。

 

「しゃーねーな、俺が最初に行ってやるよ。」

「ありがとう!じゃ、僕後ろからついてくから!」

「よくわかんねーもんには触れねえ方がいいんだ。見えないふりだ、見えないふり。」

 

そうやって、その機械の横を素通りしようとしたところで──

 

「あなた達、止まってください。」




あなや〜情報部門なり〜
これで部門はあと九個だな!(絶望)
ま、気長に書いてきましょ〜。

っつーことで、私明日から旅行行きます。
だから多分明日は更新できぬ!すまん!
もしかしたらできるかもだけど期待しないでくれ!

というか向こう1週間は更新頻度が落ちると覚悟しておいてくれ!

まあ、何はともあれここまで読んでくれた君たちの旅路に溢れんばかりの祝福を。
あ、呪いもいる?
いらない?そう…実に残念DA…
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