速すぎたSTONE!!~千空に従兄を投入した結果!!   作:石の上にも3泊

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これはこんな始まり始まり

2019年3月 アメリカ

 

「遺伝子レベルで一目惚れしました。結婚してください」

 

勢いで宇宙飛行士になった中年 石神白夜(前職 大学の非常勤講師)は頭を抱えた。あと残り僅かで宇宙飛行士として国際宇宙ステーション ISSに旅立つ予定の自分に、わざわざ会いにきた別に可愛くもない既に成人して世界を旅している甥っ子が、日本円で50億円払って宇宙飛行士ではないが日本の某社長と同じく宇宙ステーションに滞在の権利を得た世界的な歌姫に出会って五秒でプロポーズしていた。

 

「いや、お前なにやってんの!?」

「おっ!白夜元気だったか?千空に会いに行ったら、もうアメリカ行ったって聞いたからビックリしたぜ。所で、この美女はどちら様で?1億%気になるわ!」

 

甥っ子の名前は石神千郷(チサト)、当たり前だが白夜より若く...まだ20代前半である。既に両親は居らず、親戚は白夜と白夜の息子である千空だけだ。髪は白夜と似たのか、同じく白髪であり…右目には今時では珍しいモノクロ眼鏡をかけており、スーツの上からでも分かるスポーティー以上に発達した筋肉が感じられるフィジカルの体つきをしている。

他称 冒険家 趣味 探検の民俗学者であり、世界を飛び回る傍ら千葉県の民俗学と考古学の博物館の学芸員をしている。とは言え、世界の民族や歴史を調べて飛び回っていることもあり…テロリストに遭遇したり紛争地帯に近づいてしまったりも多々あり人生で50回ぐらい死にかけている。

 

「彼女はリリアン・ワインバーグだよ!?お前も名前なら聞いたことあるでしょ!?世界的に有名な歌姫よ!?」

 

そして千郷がプロポーズしたのは、リリアン・ワインバーグ。千郷とだいたい同じ歳だと思われ、貧困層から歌唱力だけで億り人へと成り上がった若い成功者である。

 

「リリアンさんですね!?以後、宜しくお願いします!!是非とも、自分が死ぬ前にディナーでもいかがですか?出来れば、私めの五体と内臓が万全に動く間に行きましょう!」

「まあ…そうだよ宜しくね」

 

物凄いアプローチに軽くドン引きしてしまう世界の歌姫であった。そんな様子を見かねてか、勢いだけで宇宙飛行士となった伯父の白夜が若い男女の間に入り、千郷をリリアンから離して、千郷の肩に手を回して無理やり笑顔を作った。

 

「リリアン、コイツは石神千郷!俺の亡くなった兄貴の息子でな!!世界中を飛び回ってる冒険家さ!」

「民俗学者だよ白夜」

「一緒だろ!?7か国語喋れてな…」

「民族方言も含めれば108個の言語なら喋れるぞ」

「そんなに増えたの!?」

「文化交流で覚えた。そう言えば、歌姫ってことは歌手ですか?奇遇ですね!!自分も先日、日本のテレビに出たんですよ!」

「運動神経抜群でな、弓とエアライフルの腕前も凄いぜ?日本代表候補に選ばれてな!!」

「遺跡調査と被ってたから、日本代表辞退したけど。まあ、中東でテロリストと武装組織に襲われて、銃弾合計24発受けたけど、壊滅させた」

「お前、マジでなんなの!?しかも壊滅させたの!?報道と違うんだけど!!」

 

白夜は頭を抱えた。科学バカの息子以上に、甥っ子は冒険バカだった。喋れる言語が日に日に覚えて増えていくわ、一緒に銭湯に行けば手術痕と銃創がそこそこあったわ…もしかして武装組織壊滅させたのその前?お願いだから無理しないでください、お願いします。

 

「まあ、今日は()()に白夜の顔を見に来たんだよ。ほらよ、遺書」

 

千郷はそう言うと懐から『遺書』と書かれた封筒を白夜に手渡す。遺書とはご存知、自分が亡くなった後、遺族が事務的や相続問題で困らないようにする書類である。間違ってもほいほいと出して言い物ではない。

 

「最後はないだろ。俺が死ぬわけじゃないし、お前がくたばるわけがないだろ?」

「ハッハハ。念には念のため……なんてな。じゃあな、白夜!!千空に宜しく!!俺は最後の冒険に行くよ」

 

遺書を受け取った白夜は溜め息を吐きながら「また文化財の調査で紛争地帯の近くに行くのか?」と思う。

遺書を遺すのは死期が迫った人だけではない。白夜達、宇宙飛行士はもちろんのこと、戦場カメラマンなどの人達も遺族が事務的に困らないように遺書を遺したりしているのだ。

 

「所でリリアンちゃん、返事は」

「保留で!」

「ディナーもダメ?」

「ごめんね!あっ…そうだ!!半年後、私のライブに来てよ!!」

 

国際宇宙ステーションことISSは通常のミッションで約6ヶ月。リリアンはマネーパワーで席を手に入れたこともあり、帰りはISSで現在進行形で作業を行っている宇宙飛行士と帰ることになるだろう。

 

「それは良い!!俺は行けないから、千空を連れていってくれ!!」

 

当然、順当にISSでのトラブルがなければ白夜は半年後に行われるライブを見ることが出来ない。代わりに千空を誘ってくれと言うが…千郷は先ほどの元気な様子とは違って力無げに「半年後か…」と囁くように呟いた。

 

「オーケー!俺の冒険が続いたいたら、連絡するさ!!白夜経由でな!!多分、宇宙でもLINE繋がんだろ!」

 

石神千郷はそういって、嵐のように過ぎ去っていった。

 

「全く、アイツは騒がしい奴だな」

 

どうせ危険地帯にまた行くんだろうなって予想しながら、どうせ紙屑になるだろう遺書を見る白夜。だが、白夜はその遺書を見たことで、後悔することになる。

 

「はっ?…嘘だろ」

 

遺書 白夜へ。

今回は多マジだ。テロリストでも武装組織でもシロクマでも殺せなかった俺が死ぬ時が来た。まあ、まだまだやりたいことが多々あるが、気にしないでくれ。遺産はぜーんぶ、アンタの口座に振り込んでおくよ。アンタが使わなくても、千空の科学道具の資金に使ってくれ。本の印税もアンタの所に振り込ませるようにした。

えっ?なんで死ぬって?ああ、俺は希少がんらしい。進行がめっちゃ速くて手のほどこしがもう無いんだ。こう見えて、けっこうキツイ痛み止めを呑んできた。がんの痛みってやべーよ?白夜絶対泣くよいや泣くね!!銃弾が腹部に当たった時よりいてーよ!!モノクロ眼鏡だって、もうほぼ見えない右目を補う為につけた。あと暫くすれば右目も崩れて眼帯になるかも。

死ぬのは恐いさ。でもよ、生きるためにヒグマとか多くの命を奪った。なのに死にたくないはダメでしょ?生きることを最期まで考えるさ。医者が言うには、俺の残された時間は3ヶ月、ISSの任務を考えたら、これを渡すときが根性の別れかもな。じゃあな!!白夜!!独身で天国に来るなよ!!

 

遺書は危険地帯に行くからではなく、正真正銘…死期を悟っての物だった。希少がんにより、千郷の余命は3ヶ月。だから死ぬ前に、最後の冒険を兼ねて白夜に会いにきたのだろう。

 

「あのバカやろう!!」

「白夜?」

「千郷のヤツ…不治の病で3ヶ月しかいきれないって」

 

本来なら3ヶ月で死ぬ筈だった。だが…

 

3ヶ月後。2019年6月

 

「痛み止め全然きかねーな。俺、今なら千空にマラソン負けるわ」

 

更に強い痛み止めを呑んで、右目が崩れた為に…モノクロ眼鏡から眼帯に変えた千郷が、旅を続けていた。

 

此処は八丈島。日本のハワイとも言われた伊豆諸島の端っこであり、かつては火山島だった名残か…火山活動で出来た洞窟を歩いていた。

 

「そういや、教授達がオセアニア地方の民族が使うシングルアウトリガーカヌーを再現した船での実地試験をしてたな。沖縄から千葉までの航海なら、俺やったじゃん」

 

洞窟の適当に寛げそうな所に座る。天井にはコウモリがぶら下がっており、ポタポタと液体が落ちる。その時だった。洞窟の入口から緑色の光が光速で迫り…石神千郷は石像に変わった。

 

だが…その3分後。天井から滴り落ちる液体が石像と成った石神千郷に数滴だが、ポタポタと落ちると…バキバキと音と共に石神千郷は石像から生身に戻る。

 

「あれ…痛みを感じない?」

 

だが、石像から戻った千郷は感じる。全身を蝕んでいた希少がんの痛みが嘘のように無くなり、見えなかった右目が光を感じる。まさかと思い、急いで千郷は眼帯を取ると…がんで崩れ落ちた筈の右目が再生していて…視力は失う前より上がっていたのだ。

 

「右目が再生している。まさか…」

 

洞窟で上半身裸は危険だが、仕方あるまい。上半身の衣類を脱ぐと…がんに侵される前ほどに筋肉が再生しており、全ての銃創と手術痕が綺麗さっぱり消えてるのだ。

 

「ふぁ!?なにこれ!?新手の再生医療!?まさか、洞窟でやんの!?」

 

戸惑うことばかりであるが、無事にがんが消え去った千郷は素早く上半身の服を着て全速力で洞窟を出て、ネットが繋がる所に出る。だが、そこに広がっていたのは。

 

「石像?…ハァァァイ!?」

 

石像へと変貌した現地民、観光客の姿であった。

 

「なんだこりゃ…とりあえず、白夜に電話するか。おっ!繋がった!!」

 

なんやかんや信用してる伯父に連絡を入れる千郷。こういう時、LINEなどのネット回線で繋がる電話は便利である。

 

「白夜~聞いてくれ!!なんか3分だけ石になったと思ったら、がんが消え去って右目が元通りに成った!!」

『千郷ぉぉぉお!!お前は無事なんだな!!』

「おう。なんか、俺以外は石のままだけどな……飛行機落ちた!?」

 

そして飛行機が海に墜落し、大爆発!!イージーモードと思ったら原作どっこいどっこいの開拓が始まる。




ここの白夜さんは未婚となる模様!!まあ、石神家のDNAあるから未来でコハクとルリ姉産まれるだろう。

世界開拓…進める?

  • 日本が終わってから
  • 日本→アメリカ終わってから
  • 原発のないオセアニア編!!
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