速すぎたSTONE!!~千空に従兄を投入した結果!! 作:石の上にも3泊
「電波も終わったか。いよいよだな…」
携帯の電話とネットの電波が両方終了し、エジソンが電球を作り出してニコラ・テスラが効率の良い送電システムを産み出す前だった暗闇の世界に戻ったことを理解する千郷。事実、八丈島の港町は早朝に出る漁師ために常に灯りが着いていたが、その灯りもない。船を導く街灯も消え失せ、発電所が停まったことで町への電気供給も終わった。やがて、上下水道も数日以内に停止して、数ヶ月以内にガスの溜まった下水道はガス大爆発を引き起こすだろう。
頭に装備するヘッドライトの電源を着ける。今、千郷が持つ装備品だけがこの地球上で唯一正常に動く灯りとなってしまった。もちろん、本土に出て無事な電気製品を起動したらそれも灯りを灯すだろうが。
「さてと…何時来るんだ?」
続いて道しるべとなるように、これから乗る船の船頭にソーラー充電式のランタンを着ける。もちろん、このライトを落としたら大真面目に終わるので、落ちないようにしっかりと頑丈にロープでくくりつける。
健康体になったことで左右の平均視力11,3。聴力 様々な部族間の発音の違いも理解するレベルなどをフル動員して空から落ちてくるソユーズを探す。もう、ネットは使えないため白夜にも連絡できないし、白夜側もこちら側も連絡できないだろう。
「……来たか。だけど、まあ、その程度の誤差は問題ないか」
ソユーズが落ちてきたのは後方。予定では千葉県九十九里浜であり、魔反対だ。それに見たところ、九十九里浜と比べると400キロほど離れてると思うが…此処からでは充分間に合う。
「さあ、持ってくれよミクロネシア地方の魂の結晶!!久し振りに本気で漕ぐからな!!風と人力合わせて、時速40ノット出してやるわ!!」
千郷はその船を漕ぎ出して、ある程度沖に出ると…践みオールを駆使してドリフトターンを決めて…時速40ノットの速度でソユーズの落下地点に向かった。因みに時速40ノットはメートルに直すと、時速74キロメートルである。因みに、このスピードは一般的な高速船で漸く出せる速さである。
一方のISS
「大変だ!!シャミールとコニー、そしてリリアンが乗ったソユーズが着陸地点から大幅にずれちゃった!!九十九里浜より遠くて、小笠原諸島付近だよ!!」
石神千郷が石化光線前に完全に希少がんに負けてしまい、遺灰となっている世界線ではぐう有能爺さんカセキのご先祖様(まあ、この世界線でもそうなんだけど)である宇宙飛行士ヤコフ・ニキーチン(前職医師)は嘆いた。
NASAとロシアのバックアップ無しで日本近海を目指して、リリアン達が乗ったソユーズが大気圏に突入したのだが…僅かな誤差が最終的に大きくなってしまい、目的地だった九十九里浜から数百キロ以上離れた八丈島から小笠原諸島の間ぐらいに落ちてしまったのだ。
「その上…バランスを崩して転倒!!ハッチが海中だから開けられない。これじゃあ…外に出れない!!ソユーズの酸素はだいたい9時間位しか持たないから...」
と言うのはヤコフの奥さんであるダリヤ・ニキーチン(前職医師)が嘆く。ソユーズが転倒したことで、先に地球に降りたリリアン達が自力で脱出出来ず、このままでは9時間後には酸欠で死んでしまうことが確定してしまったのだ。
「くそ!!へ?…」
悔しがる白夜。しかし…白夜は気付く。なんか…地球で小さな光がものすんごい速さで移動してね?
「なあ…ヤコフ、ダリヤ。めちゃくちゃ小さな光が…移動してね?シャミール達が落ちたポイントに向かって移動してね?」
「確かに…でも船があんなに速く動けるかしら?」
「少なくとも…時速80キロ以上は出てるよ…そんな高速船なんてないし…」
と、その時だった。ガチャリとリリアン達が乗るソユーズから通信が入る。だが、出たのはリリアン達では無かった。
『グッドイブニーング!!白夜、そして未だ見ぬ宇宙飛行士の皆さん!!歌姫と将来有望な若者2人は無事に救助できたぜ!!』
出たのは白夜の甥っ子である千郷だったのだ。千郷が出たと言うことは、無事にリリアン達の救助にやってきたのだろう。
「千郷!!お前ってやつわ!!あれ…お前、高速船の免許なんて持ってた?」
『いや?動力着きの船の免許なんてないよ。しかし、俺が建造した時と比べて、バランスが安定重視だな…このアウトリガーカヌー』
「お前…まさか…お前の職場の博物館に展示されてるヤツと同じもので?」
「おう!!まさかのその通りよ!!これなら人力と風だけで動くから免許いらない!!俺がその気なら、40ノットも軽々と出るぜ!!てか、出た」
千郷が乗ってきた船は免許不要。そもそも免許が必要な船と違って動力は着いておらず、己の腕力でオールを漕いで、体重移動で帆を操って前進するミクロネシア地方で現在進行形で使われている大型カヌー アウトリガーカヌーである。アウトリガーカヌーとは船体の横に安定するように突き出た木造の浮きが着いたカヌーであり、恐ろしいことに1975年にミクロネシア地方から日本の沖縄までアウトリガーカヌーを漕いで大航海を達成した超人達が実在する。チェチェメニ号と検索してしみよう!!
『おぃぃい!!本当にソレで救援に来たの!?マジで言ってる!?』
「普通の人でも20ノットは軽く出るぞ?耐久力は◎!嵐にも耐えるさ。事実、チェチェメニ号は3万キロの大航海に耐えた。そんじゃ、白夜達は頑張って九十九里浜付近に落ちろよ?俺達はそろそろ行くからな」
無線を切って、千郷は2人の宇宙飛行士と宇宙旅行者であるリリアンを保護した、ミクロネシアが誇る快速船 アウトリガーカヌーの後部に乗り込んだ。
「それじゃあ、改めまして。日本に行こうか!リリアンは俺のこと知ってるけど、宜しくな金髪イケメンと三つ編みツインテちゃん!!
俺は石神千郷。宇宙じゃ、俺の伯父さんがお世話になったみたいで!職業は昼間まで死ぬ1歩手前の希少がんだったから退職届出しちゃったけど、民俗学者だ!宜しく!!」
「シャミール・ヴォルコフだ。石神…民俗学者…ああ、そう言うことか。オジサンと比べて、若々しいな。頼りにしてるよ。後で、石化から戻った時の話を聞かせてくれ」
そう言った金髪のイケメンはジャミール・ヴォルコフ。クールな感じであるが、気にしてはいけない。若く宇宙飛行士となったからにはかなり優秀なのだろう。事実、日本人の最年少宇宙飛行士でも29歳なのだから。
「えっ!?まさかあの有名なクレイジー石神!?私はコニー・リーです!!」
なにやら千郷にクレイジー石神というとんでもないニックネーム…というか異名の存在を言ってしまった若い美女はコニー・リー。彼女も若くて宇宙飛行士になったのだから、相当優秀だろう。
「「クレイジー石神?」」
しかし、クレイジー石神の異名を知らないリリアン、当の本人だと思われる千郷が首を傾げる。
「日本出身のとんでもない、世界を旅する民俗学者ですよ!!
大学院生時代にマオリ族の文化の調査で、ニュージーランドに訪れたとき、なんかニュージーランドの国家元首と1対1で交渉して何かを持ち帰ったとか!!」
「良く知ってんな。てか、多言しやがったな、あの大統領。俺が持ち帰るって言わなかったら、あの子を殺してたくせに」
なんと言うことでしょう。千郷は大学院生時代に、ニュージーランドの国家元首と交渉して何かを日本に持ち帰ったのだ。
「殺す?…その持ち帰ったのは生き物なのか?」
「おう。呼ぼうか?呼べば握力200の力で扉を破壊して、飛んでくるぞ」
「どんな化物ですか…後は、テロリストの襲撃から生還して、5発の銃弾を受けてもピンピンしてたとか!」
「それは違うぞ」
「正しくは受けた銃弾は24発、テロリストの本拠地まで追いかけて、2000人以上の構成員を鎮圧しただ」
「「言い伝えよりヤバいことしてやがるぅぅ!!」」
と、そんなことをしてると、頭上を赤い星が通りすぎて九十九里浜の方へ落ちていった。間違いない、ソユーズに乗った白夜達だろう。九十九里浜の方へ落ちていったなら、白夜達はうまく行ったようだ。
「おっさん達はうまく行ったな。あっ、リリアン。言いそびれてたことがある」
千郷に言われて、リリアンは千郷の方を向いた。
「貴女のライブに参加するため、意地でも今日まで生きてきました。一回石化したとはいえ、希少がんに打ち勝つどころか喪った目も取り戻せました」
「私も貴方に会えて良かった。白夜から貴方の余命のことを聞いて、あのときディナーに行けなかったこと後悔したの。でも、貴方が元気になって良かった」
「でも…俺があの時言ったプロポーズは本気です。でも、保留にしてください。必ず、人類を取り戻す。なので、その後で」
「もちろんです」
そんなやり取りを見守りつつ、シャミールとコニーは心の中で「若いな」「これって青春!?」と思っていたのだが…
「よし、白夜はそろそろ着地しただろ。じゃあ、こっからは本気で飛ばして行くか!風も出てきたから、50ノットは行けるぜ!!」
「「えっ?…本気?」」
千郷、本気でオールを漕いで帆は風を受けて、アウトリガーカヌーは一気に加速。時速50ノット…時速92キロを突破して、あっという間に九十九里浜に到着して、白夜達と合流した。
次回…いよいよ、東京に向けて出発!?千空…復活へ
世界開拓…進める?
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日本が終わってから
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日本→アメリカ終わってから
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原発のないオセアニア編!!