高嶺累くんは種付けおじさんに狙われています。なお護衛も種付けおじさんです。 作:T-1000
公道を通り抜けた二人は、煌びやかなネオンに埋め尽くされた繁華街へと逃げ込む。
――新宿・歌舞伎町。
パチンコ、居酒屋、キャバクラ、ホスト、ラブホテル、ソープランド……。
人々の欲望を満たすための店がひっきりなしに立ち並ぶ、眠らない街。
種付けおじさんが跋扈する世においても、この夜の街はいつも通りだった。
それどころか、種付けおじさん達を新たなビジネスパートナーとして、見出すほどであった。
「おい、あれ見てみろよ」
「は? なんだよあの娘。めちゃくちゃ可愛いじゃん」
「なんつー恰好だよ。マイクロビキニなんて、立ちんぼでもやんねぇぞこら」
累を好奇の目で見る三人組は、いかにもチンピラといった風貌の男たち。
薄ら笑いを浮かべながら、ゆっくりと累の元へと近づいてくる。
(うぅ……恥ずかしい……)
「累くん、すまない!」
「やんっ……!」
とても男とは思えない安産型な累の尻を、T-0721が鷲掴みにする。
その拍子に、マイクロビキニのクロッチの先端がわずかに滲んだ。
「お、おじさんっ、いきなり何するの!」
「少しの間、辛抱してくれ」
累の桃尻を堪能している種付けおじさん。
その姿に気付いた三人組は急に興味を失くし、ため息をついた。
「んだよ、例のアレ向けの営業かよ……」
「シラケるなー」
「しょうがねぇなぁ。おい、焼肉でも行こうぜ」
「行っちゃいますか!?」
「行っちゃいましょうよ!」
「カルビ! ハラミ! ロース! って感じで……」
「……」
「……」
三人組が通り過ぎ、T-0721は累の身体からようやく手を放した。
「おじ……さん…………」
上気した顔でT-0721を睨みつける累。
息も絶え絶えといった様子で、健康的な太さの両足はガクガクと震えていた。
「しまった! いつもの癖でついゴールデンフィンガーを」
ゴールデンフィンガーとは、特定の種付けおじさんに備わっている特殊能力である。
触れた相手を絶頂させる寸前まで追い込み、そのままの状態を維持させるという特性を持つ。
種付けおじさん同士の戦闘においては、この能力の有無によって勝敗が決まると言っても過言ではない。
ゴールデンフィンガーは……男にも効くのだ。
そして、その状態を解除させる手段は、一つしかなかった。
「ゆ……ゆるし゛て゛ぇ……」
快感の渦がぐるぐると回り出し、足だけではなく身体全体がビクビクと痙攣し始めた。
あまりの刺激に、脳の処理能力は限界に近づいていく。
すがる思いで、少年は天を仰いだ。
しかし、目に飛び込んできたのは、ネオンが眩しいピンク色のLED。
休憩1時間3000円――ラブホテルの看板だった。
「お゛っ♡」
小さな喘ぎを最後に、累は気を失った。
「私としたことが……すまない、累くん」
T-0721は気絶した累の身体を抱えて、とある建物の中に入っていく。
そこは奇しくも、累が目にした看板のラブホテルだった。
◇◇◇
――シルバーバレット。
特定の種付けおじさんに宿る特殊能力のひとつで、ゴールデンフィンガーと対になっている。
その特性は、対象を絶頂に導かせること。
何度も寸止めされて苦しむ相手への慈悲でもあり、トドメの一撃。
「我が欲望よ、精光へと変われ。白銀の閃光となりて、彼の者に救いの慈悲を与えよ!」
やろうとしていることに似つかわしくない、仰々しい詠唱。
「シルバアアアアアア……!」
ラブホテルの一室で、高速で何かをしごく音と叫び声が木霊する。
ハート型のベッドに寝かされた累に狙いを定め、T-0721はシルバーバレットの装填を急いでいた。
「んっ……♡」
寝息を立てながらも累は悩まし気に身体を振るわせる。
累の可憐な仕草は、シルバーバレットを撃ち出すための最高の原動力となっていた。
「ッ……バレットォォォォォ!!!」
――ドピュッ、ビュルルル、ビュルーッ!
T-0721の股間から白銀の光が解き放たれた。
散りばめられた光が闇を切り裂き、ベッドの累を目がけて一斉に降り注ぐ。
それは、まるで流星群のようであった。
仰向けで寝ている累の身体が、瞬く間に白濁に染まっていく。
均整の取れた顔、わずかな起伏のある胸、陶器のようになめらかな手、女性的な丸みを帯びたお腹、健康的な太もも、しなやかな足、そして控えめなに主張する局部に至るまで、まんべんなく。
無意識に、累は口元にへばりついたソレを舐めとってしまう。
その瞬間、累の意識は覚醒する。
「お゛ん゛ッうッな、なにッひうッやばぃッでるっでるでちゃっくぅぅお゛ッいくッいぐイグぅううう♡♡♡」
ラブホテルの一室から悲鳴とも嬌声ともつかない絶叫が響き渡った。
全身を快感の嵐に襲われ、累の矮小な砲塔から、ピュッピュッピュッと豆鉄砲が連射される。
押しとどめられていた快楽のフィードバックを受け、累は再び気絶しそうになる。
だが、ゴールデンフィンガーの効果が緩やかに解除されていき、累は次第に正気を取り戻していく。
(……臭い。でも、なんだかエッチな匂い……)
それでも、累の思考は元の状態には戻らなかった。
シルバーバレットには相手を絶頂させる以外にも効果がある。
それは、絶頂させた相手を淫乱にして、従属させるというもの。
累がT-0721に向ける視線は、段々と意中の相手へ向けるものに変わっていた。
「おじさん、酷いよ……こんなにいっぱいかけちゃって……」
「すまない累くん、この方法でしか直せなかったんだ」
「もう……♡ 許さないんだから……♡♡」
「累くん……?」
累の目が据わっていた。
白濁まみれのまま、じりじりとT-0721の元へとにじり寄ってくる。
幸か不幸か、T-0721はシルバーバレットの効果をすべて把握しているわけではなかった。
彼が紳士を自称していたが故に、シルバーバレットを一度も使わずに生きてこれたからだ。
やがて、累の顔がT-0721の眼前まで迫る。
「累くん、どうしたんンッ……!」
言葉を紡ぐ間もなく、T-0721は累に唇を奪われた。
種付けおじさんでありながら、キスをするのは初めてのことであった。
お互いのファーストキスが成された後、しばしの沈黙が訪れる。
何も言わずに見つめ合う二人。
そして、どちらからともなく顔を寄せ合い、再びキスをした。
唇を放した累が、T-0721の耳元でそっとささやく。
「ねぇおじさぁん……しよ? 僕と一緒に……ホモになろ?」
紳士的な態度を取っていたT-0721だったが、もう我慢の限界だった。
再度隆起したソレは、既にはち切れそうなほど復活している。
「る、累くんッ!!!」
「あぁん♡」
その日のラブホテルの一室は、獣じみた嬌声と咆哮で、一晩中満たされていた……。
自分でもなに書いてんだろと思いました。(冷静)