山道にて事態は起きていた。
「ひ、ひぃ!?」
アスファルトの上で地面に腰を抜かすポーセルメックスのルクロー。
目の前には骸骨を模した鎧を纏ったような禍々しい闇の戦士「トリガーダーク」が立っている。
「お、お前は一体…ぐえぇ!?」
「見つけたぞ。この人間の恥さらしが…!!」
既にここを襲っていたサクリファイス達は全滅しており、残っているのは護衛に付いていた筈の警備とルクローだけ。
だが、その警備も襲撃したトリガーダークの手によって気絶してしまった。
「なぁ?ルクロー?ひとつ聞きたいんだが、11年前の旧都陥落にてロレンツと結託して企業の資産を守るように賄賂を送ったのは事実か?」
「な、何のh「しらばくれてんじゃねぇぞ!!この人間の屑が!!」…ひぃぃッ!?」
シラを切るルクローだがトリガーダークは容赦なく殴りつける。
「市民を乗せた鉄道…ではなく企業の資産を乗せた鉄道をアガムメノン小隊に守ってもらうように口利きをした…違うか?」
「さ、さっきから一体何の話をしている!?私は何も知らない…!!」
「どいつこいつもそういう態度ね~、ならこれ聞いてもらおうか」
トリガーダークは懐からボイスレコーダーを取り出し再生ボタンを押す。
『この度は我がポーセルメックスと組んで頂きありがとうございます。ロレンツ大佐』
『礼など言うな恥ずかしい。どちらにせよこの作戦が成功すれば俺は更に上の地位につく事ができる。前金を受け取ったからにはそれ相応の働きはさせてもらう』
『ありがとうございます。しかしよろしいのですか?貴方が指揮する部隊は皆知らないのでしょう。危険が伴う筈です』
『気にする事はないルクロー、彼等はそれでもやってくれるさ、何しろ市民を乗せる為の貨物列車を守れと虚偽の命令をした時、彼等は喜んで引き受けてくれたよ。
例え、何人死のうと俺の為に死んでくれるのだからな!
本当に使い勝手のいい奴らだよ!
ハッハッハッハッハッハッ!!!!』
「な、なんで…あの時の会話が、あれは万が一の為私しか録音してなか「顔の表情から察するにお前はクロだ。最後に何か言うことはあるか?」……ま、待ってくれ!」
サークルアームズを手に取り地面に腰を抜かしているルクローに向けて振り下ろさんとする。
「は、話を聞いてくれ!確かに結託したのは本当だ!しかし持ちかけきたのは「如何なる理由があろうとお前はあいつと共犯だった事に変わりはない。あの世で詫びるんだな」……た、頼む!い、命だけは助け」
サークルアームズがルクローに振り下ろされたその時、その刃は突如止まる。
「てめぇは…ッ!?」
トリガーダークの剣を止めていたのは雲嶽山の諸星零斗だった。
「ッッ!!また邪魔をすんのか!?」
「何故、殺そうとする?その人はポーセルメックスの代表者だぞ!?」
「知らねぇんだな。こいつはアガムメノン小隊の皆を犠牲にしたあのロレンツとグルだった屑野郎だ。生きる価値はねぇんだよ!」
「仮にそうだとしてもお前が裁く権利なんてない」
「ッッッ!!邪魔すんなッ!」
抑えられている腕を振り払い、剣を振ってくるトリガーダーク。対して零斗は冷静に対処していき、隙を見つけた所で懐に蹴りを入れ込み、距離を引き剥がすことができた。
「ぐっ!?てめぇ…!!」
「この人は殺させはしないぞ」
「ちっ…まぁいい、例えそいつが殺れなくても悪党はまだ沢山いる。」
「なんだと?」
トリガーダークは両腕を交差させ
「じゃあな」
「ッ!待てッ!」
追いかけようとしたが黒い霧に包まれたトリガーダークの姿が見えなくなった。
「また、逃げられた…
大丈夫ですか!?」
傷をつけられたルクローの状態を確認すると、
「ひ、ひぃぃ!?も、もうやめてくれ!」
「大丈夫です!もう敵はいなくなりましたから!」
敵は去った筈なのにパニック状態に陥っていたルクロー、零斗は落ち着かせようと試みると
「これを差し上げますので命だけは助けてくださいッ!!」
「えっ?いや…あの!」
ポケットからボイスレコーダーとUSBメモリのようなものを無理やり渡された途端ルクローは意識を失ってしまった。
「えぇ~…これ、どうしよう」
訳の分からない物を渡された零斗は困惑していたが、取り敢えずポケットにしまってルクローを安全な場所まで運んだのであった。
「あっ!いた、師範!」
「皆、来てくれたのか?」
「防衛軍のお姉ちゃん達にリン姉ちゃん!」
山道にてルクローを安全な所へ寝かせ、サクリファイス達を殲滅している最中に閉じ込められた男の子を救出し、丁度リン達と合流した
「お兄ちゃんから聞いたの!山道でサクリファイスに襲撃があったって連絡を受けたんだけど」
『どうやら、我々の出番はなかったみたいだな。流石、宗主の右腕だ』
「これくらい朝飯前さ、そんな事よりこの子がここに閉じ込められてたんだ」
「僕、メローや月(ユエ)と一緒に、いつも通り山道で遊んでて…かくれんぼをしてたんだ。僕は通りから離れてる雑貨店に隠れたんだけど、いきなり怪物があの箱から出てきたんだ」
「なるほどな」
「もう大丈夫だからね、ダンテ。防衛軍のお兄ちゃんやお姉ちゃんたちが来てくれたから、安全だよ。」
ダンテ呼ぶ子供は事情を説明するとすぐに避難場所まで連れていってもらうようにと手配しようとしたが、
「ギシャアアァァァァァァーーーーッッ!!!」
『ッ!?サクリファイスだ!』
まだ生き残っていたサクリファイスが複数現れた。零斗はオボルス小隊の前に立ち
「ここは俺に任せろ。」
『諸星零斗…』
「その子を頼んだ
それに聞かなきゃいけないこともあるんだろ?」
『ッ…すまない…ッ!』
零斗は鬼火隊長達がここまでやってきた別の目的を既に見抜いており彼女達の気持ちを尊重させた。
「お前らが正しい選択をしてくれると心から祈ってる」
そう言い残し、零斗は襲いかかるサクリファイスの掃討を始め、その隙にダンテを援軍の兵士を呼び家まで送って貰うことにして先へ進んだ
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