11年前、エーテリアスの軍勢を相手にしていた私達アガムメノン小隊。
私達は命懸けで戦うも、無限に湧き出てくるエーテリアスを相手にキリがなく圧倒され、このままやられるのも時間の問題だった。
深手を負った私達はエーテリアスに殺されそうになったが、
そんな時──
「ワイドゼロショット!!」
彼が…ウルトラマンが来てくれた。
しかし敵はエーテリアスだけではなかった。
裂け目から見た事もない怪物が現れ、当然私達は戦ったが歯が立たず重傷を負った鬼火を何とか助け出そうとできるだけ離れたが、怪物の攻撃の射程範囲に入っており、逃げ切れる筈がなかった。
戦友と共に死ねるなら本望だと死を受け入れようとしたが、
「ウルトラゼロディフェンサー!!」
彼が私達を守ってくれた。その背中はとても大きく自然にも勇気づけられた。
臆する事なく勇敢に立ち向かい、怪物を倒した。お陰で多くの戦友達が救われ重傷こそ負ったものの死亡者は誰一人としていなかった。
誰もがウルトラマンは自分達にとっての本当のヒーローであり命の恩人であると感謝し続けた。
勿論、私にとっても彼は恩人だ。………だが、
真実を知ってしまった。
実際に「市民を撤退させる為の鉄道幹線」は市民を乗せる為のものではなく企業の財産を守る為のものだった。
当時の指揮官であるロレンツはルクローから賄賂を受け取りそれを実行した。自分の保身の為に
それを知った私はこれまでにない怒りを覚えた。
何の為に戦友達が命をかけて守ったと思っている?
何の為にウルトラマンが我々を守ってくれたと思っている?
戦友達とウルトラマンが必死に守った思いを踏みにじったロレンツとルクローが私は許せなかった。
だから、復讐の道を選んだ。
勿論、間違っているのは分かっている…!
それでも……私はこの引き金を弾く。
「これでもう誰も防衛軍の駐留を阻めんな」
漸くだ。漸くここまで来た…鬼火。
「撤退するぞ大佐──今回はお手柄だったな」
君が弾けなかった引き金は
「…お手柄?かつて捨て駒にしようとしたあの兵士達もか?
彼らもまたお手柄……か?」
私が弾こう
しかし
「ぐわぁっ!?」
引き金を弾く前にそれは突如起きた。
ロレンツ少将を含む護衛の兵士達が何者かの襲撃を受けた。
どこからともなく飛んできた黒い光弾がロレンツ達に着弾する
「て、敵襲ー!!敵襲だー!!」
護衛達は瞬時に銃口を向け、その先に立っていたのは骸骨を模した鎧を纏ったような禍々しい闇の戦士だった。
トリガーダークは
「き、貴様は何者だ!?」
攻撃を受けたロレンツ少将が叫ぶとトリガーダークは答える。
「お前を裁く者だよ。
この防衛軍の面汚しが!!!」
叫んだと同時にトリガーダークは両手からハンドスラッシュを繰り出し、ロレンツを囲っていた護衛達に命中する。
「ぐわぁっ!?」
「くっ!」
「ッ!?イゾルデ!!」
護衛達は一瞬で吹っ飛ばされてしまい意識を失ってしまう。
その隙を付いたのか、イゾルデはボートですぐさま離脱する。
「く、来るなぁ…っ!?」
ひとりになったロレンツはトリガーダークに恐怖しながらも持っていた拳銃で銃弾を放つが、全く効かず、ロレンツの持っていた拳銃を掴みクシャクシャに握り潰す。
「ひ、ひぃッ!?
や、やめ、ぐえぇッ!!」
ロレンツの頬を思い切り殴りつけるとトリガーダークは襟元を強引に掴み
「なぁ?ロレンツ、死ぬ前に1個確認しておきたいんだが11年前お前が指揮していたアガムメノン小隊の鉄道防衛。
あれ実際には企業の財産を乗せていた列車だったんだろ?
それをお前だけ知っていてアガムメノン小隊含む多くの兵士達を危険に晒した。違うか?」
「な、何を言って…!?鬼火隊長と同じお前も証拠もなく勝手な事を言うのか!?俺は清廉潔白さや正義感を武器に、今の地位に就いたわけではない!」
「じゃあ、これ聞いて思い出してもらおうか?」
トリガーダークは懐からボイスレコーダーを取り出し再生ボタンを押す。
『この度は我がポーセルメックスと組んで頂きありがとうございます。ロレンツ大佐』
『礼など言うな恥ずかしい。どちらにせよこの作戦が成功すれば俺は更に上の地位につく事ができる。前金を受け取ったからにはそれ相応の働きはさせてもらう』
『ありがとうございます。しかしよろしいのですか?貴方が指揮する部隊は皆知らないのでしょう。危険が伴う筈です』
『気にする事はないルクロー、彼等はそれでもやってくれるさ、何しろ市民を乗せる為の貨物列車を守れと虚偽の命令をした時、彼等は喜んで引き受けてくれたよ。
例え、何人死のうと俺の為に死んでくれるのだからな!
本当に使い勝手のいい奴らだよ!
ハッハッハッハッハッハッ!!!!』
ボイスレコーダーから流されたのは作戦を行なう前のルクローとの会話だった。それを聞いた途端ロレンツの顔は青ざめ、ひ汗が流れる。
「な、なんで…こ、この会話が流れ…ひぃ!?」
トリガーダークは彼の反応を見て即座に両腕を前に突き出し交差させてから大きく横に広げてエネルギーを溜め
「はい死刑確定、次会う時は来世な」
L字に組み「ダークゼペリオン光線」を放とうとしたが、横から飛んできた高熱のレーザーがトリガーダークを阻害する。
トリガーダークに傷ひとつつかなかったが中断させる事は出来た。
「なんのつもりですか?」
鬼火を構えたオルペウスに質問するトリガーダーク
『悪いが、そいつを殺させる訳には行かんのでな』
「理解できませんね。嘗てこいつは保身の為にあなた方アガムメノン小隊の命を平気で切り捨てたんですよ?自分は戦場にも立っていないのに」
『確かに…あの日戦友達は重傷を負った。しかし死んではいない』
「は?」
「貴方は何か勘違いしているかもしれませんが、元アガムメノン小隊の皆さんは生きているのであります!」
「(何を言ってるんだ?原作じゃあ彼等は死んで真相を知ったイゾルデ大佐は闇堕ちした筈だろ?)」
トリガーダークは頭の中でやや混乱する。確かに原典では彼の思っている通りだ。
しかし現実は違う、この世界は既に原典通りの世界ではないのだから
「仮にそうだったとしてもこいつを生かす理由にはなりませんね。こんな奴が防衛軍にいては腐るだけだ。まぁ、こいつを野放しにしている防衛軍の上層部もどうかと思いますけど」
トリガーダークは再度光線を繰り出そうとするが、その腕に電磁ライフルの銃弾が命中する。
「直ちにロレンツ少将から離れなさい!」
「じゃなきゃ実力行使するよ~♪」
オボルス小隊はロレンツを守る為に引き金を弾いているのではない。兵士としての役割を果たしているだけだ。
「理解し難いですね。イゾルデ大佐をあんな風にしてしまった元凶が今も目の前にいるんですよ?何故殺そうとしないんですか?」
『私はオブシディアン大隊の兵士だ。
そいつが「敵」でないのなら、撃つことはできない。
軍人という立場を差し置いても、新エリー都の法は、私的に制裁を加える権利を認めていないんだ。』
『そして何より、私はオボルス小隊を預かる身――
個人の怨恨で、私について来てくれる者たちを
巻き込むわけにはいかないんだ』
「そうですか、残念…
ですっ!!!!」
瞬時にサークルアームズを片手で持ち、ザイゴーグキーを装填して発動。
刀身から棘を生やし赤く輝かせながら鞭のように刃を伸ばしていき、サークルアームズマルチソードをオボルス小隊に向けて振り払った。
「ぐっ!?」
『オルペウス!?』
「うわっ!?」
『フローラッ!?』
「うっ!?」
「くぅっ!?」
トリガーダークの攻撃に反応が遅れオボルス小隊の皆は防ぎきれず攻撃を受けてしまい吹っ飛ばされてしまう。
「ひ、ひぃ!?だ、誰か助けてくれぇッ!?」
ロレンツ少将は怯えながら逃げようとするが、
「逃がしゃしねぇぞこの防衛軍の恥さらしが!!」
トリガーダークは絶対に逃がさせまいとロレンツ少将の頭を掴み近くの岩礁にぶつける
「ぐうあぁぁっ!?…た、頼む!命だけは!!命だけは助けてくれぇ!!」
「おいおい、すぐに命乞いか?やっぱりお前は兵士の器じゃねぇなぁ?これしきの事でビビるなんてこれでよく少将まで昇格出来たもんだ。
って言ってもお前の人生はここで終わりだけどな」
サークルアームズを手に持ち掴んでいたロレンツ教えながら首に狙いを定める。
「ルクローの野郎は殺せなかったが、お前だけ殺しておけば今後の防衛軍の為にもなる。良かったな?死んで役に立てて」
「や、やめ」
『ッ!?やめろッ!!』
すぐに立ち上がったオルペウスと鬼火は阻止しようとするが間に合わない
……そんな時
「シャオラッ!!」
「ぐわぁっ!?…て、てめぇは!?」
首を切ろうとしたサークルアームズは手放され、拘束されているロレンツを解放しトリガーダークの腕を抑え続ける男が現れた。
その姿を一目見た途端、リンは叫ぶ。
「師範ッ!!」
雲嶽山の師範、諸星零斗が推参した。
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