オボルス小隊と雲嶽山、さらにパエトーンはラマニアンホロウの讃頌会本拠地に到着したが、本丸としては意外なほど警戒が手薄で、敵の数もそれほど多くはなかった。
「敵の数があまり多くないでありますね」
『恐らく、あの黒いウルトラマンだろう。先に本拠地を襲撃したと言っていたからな』
『我々より先にミアズマの装置を破壊した。奴らにとっては最悪の状態だろう』
「ッ!皆、警戒しろこの先にサラの気を感じる」
彼女たちは行く手を阻む礼賛者たちを次々と倒しながら進むと、そこには壊れたミアズマ装置を必死に叩く、哀れな女性の姿があった。
「漸く…ここまで来たというのにッ!!ウルトラマン!貴方だけは絶対に許さないわッ!!」
ひたすら愚痴をこぼしていたサラは、彼女たちの存在に気づくと顔をしかめた。
「……ここまで来たのね…」
「サラ、ひとつ聞くけど存在するかも分からない神様なんかの為に犠牲は必要だったの?」
「貴方達には分からない筈よ。私たちが希望の主に拝謁するために…どれだけの犠牲を払う覚悟があるのか。」
「こんな事を言いたくないが、現にお前さんは何もかも失敗しているばかりじゃないか」
「五月蝿いッ!!あの黒いウルトラマンさえいなければ終域の門も手にかけられる筈だったのよ!!」
『関係もない人々を巻き込もうとしている事に変わりはない。これ以上の抵抗は無意味だとまだ分からないのか?』
彼女が投降する素振りは微塵も見られない。
「ウルトラマンは皆敵よ!!主をその手にかけたように私達の希望を見事に打ち砕いた。
貴方達の信じているウルトラマンだって全て偽r「前にも言ったけど、私は信じてるよ」…ッ!?減らず口を!!」
「お前さんの言う通り、あの黒いウルトラマンは確かに敵だ。
だが、私達の知っているウルトラマンはそんな事は絶対にしない」
「自分達もであります!」
「旧都陥落の時も彼は私達に被害が及ばないよう全力で守ってくれました。そして今でもそれは変わりません」
『お前はあのウルトラマンの事何も知らないようだが、
私達にとって本物のヒーローだ。
どんな敵であっても臆する事なく立ち向かう彼の勇姿は私達に勇気をくれている』
リンは皆より1歩前に出て
「皆が言っている通り、私達は"彼"を信じている。アンタ達がこの先何を企もうが、例え始まりの主とやら蘇ろうが私達がウルトラマンが許さないよ」
ウルトラマンを信じる彼女達の熱意を受け、サラの怒りはまるで噴き出すマグマのように燃え上がり、近くの装置を片手で力強く叩きつけ叫びだす。
「認めない……こんな結末……
認めてやるものですかぁぁぁーーッ!!!!!」
「ああっ…!また逃げるつもりであります!」
「皆さんは先へ進んでください。彼女は僕にお任せを。」
サラは素早く少し距離を取り近くにある目立たない裂け目へと入ると、釈淵はそれを追うように走っていった。
残りの皆はイゾルデがいる決戦の地へ赴くのであった。
もう、私は後戻り出来ない。戦友達にも顔向け出来ない行為をしてしまった。
この手も随分汚してしまった
なのに鬼火、どうして…君は
『戻ってこい、イゾルデ!お前まで…失ったら、私は…』
「私だって、もう来るところまで来てしまったさ、鬼火ありきたりな言葉や、胸を打つようなセリフはもう役に立たない。」
そこまで私の事を──いや、それでも手遅れだ。
「本物の兵士らしく、銃と剣で決着をつけよう。」
ミアズマの力により私の姿は「冒涜者」へ変わり果てた。
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