IS~もう1人の男~   作:平剣山

61 / 65
遅くなりました。平 剣山でございます。
今作者を苦しませているモチベーションの低下が激しくなってきております。
マジでヤベーです。
さて今回はやや長めで出撃までです。
では、どうぞ!


作戦会議からの作戦開始

Side 一夏

 

「では、現状を説明する。」

旅館にある宴会用の大座敷では、専用機持ち全員と教師陣が集められている。

照明を落とした薄暗い室内に、大型の空中投影ディスプレイが浮かんでいる。

「二時間前、ハワイ沖で試験稼働にあったアメリカ、イスラエル共同開発の第三世代型の軍用IS『銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)』が制御下を離れて暴走。監視空域より離脱したとの連絡があった。」

(軍用ISが暴走。はて?何故俺達に連絡が?)

混乱してる俺は周囲に視線をやると、全員が厳しい顔つきになっていた。俺や箒と違う

正式な国家代表と候補生なのだからこういった事態に対しての訓練も受けていたのかもしれない。特に国家代表の楯無さん、軍人のラウラの眼差しは真剣そのものだった。

「その後、衛生による追跡の結果、福音はここから二キロ先の空域を通過することが分かった。時間にして五十分後。学園上層部からの通達により、我々がこの事態の対処することとなった。教員は学園の訓練機を使用して空域及び海域の封鎖を行う。よって、本作戦の要は専用機持ちに担当してもらう。」

(はい?俺たちで止めろってか!?)

「それでは作戦会議を始める。意見があるものは挙手するように。」

「はい。」

早速手を挙げたのはセシリア。

「目標のISの詳細なスペックデータを要求します。」

「わかった。ただし、これらは二か国の最重要軍事機密だ。けっして口外するな。情報が漏洩した場合、諸君には査問委員会による裁判と最低でも二年の監視がつけられる。」

「了解しました。」

未だに状況が飲み込めない俺をよそにディスプレイに福音のスペックデータが開示され、データを元に相談を始める。

「広域殲滅を目的とした特種射撃型・・・わたくしや神矢さんのISと同じく、オールレンジ攻撃を行えるようですわね。」

「ああ、ブルーティアーズよりも俺のファングに近いが、こっちのはエネルギー体をぶつけるようだな。しかも攻撃範囲と数は福音の方が上だな。」

(何故お前は冷静なんだ神矢。)

「攻撃と機動の両方を特化した機体ね。厄介だわ。スペック上でも甲龍が負けてる。」

「この特種武装が曲者って感じはするね。調度本国からリヴァイヴ用の防御パッケージが来てるけど、連続しての防御は難しい気がするよ。・・・・あれ?これって疾風の衝撃(ラファール・インパルス)のデータ取りにつかえるんじゃあ(ボソッ)」

(おい、今シャルロットのやつなんか言わなかったか?気のせいか?)

「しかも、このデータでは格闘性能が未知数だ。持っているスキルも分からん。偵察は行えないのですか?」

セシリア、神矢、鈴、シャルロット、ラウラが意見を交わしている。俺ははっきり言ってついていけなかった。情けないですハイ。

「無理だな。この機体は現在も超音速飛行を続けている。」

「更識でも調べているけど、今開示されてるデータと対して変わらなかったわ。」

「福音の最高速度は時速2450キロを越えるとある。アプローチは一回が限度だろう。」

「一回きりのチャンス・・ということはやはり、一撃必殺の攻撃力を持った機体で当たるしかありませんね。」

山田先生の言葉に全員が俺を見る。

「・・・え?」

「一夏、あんたの零落白夜で落とすのよ。」

「それしかありませんわね。ただ、問題は。」

「どうやって一夏をそこまで運ぶか、だね。エネルギーは全部攻撃に使わないと難しいだろうから。」

「しかも、目標に追い付ける速度が出せるISでなければいけないな。超感度ハイパーセンサーも必要だろう。」

「それ以前に攻撃を当てられるの?織斑君。赤い彗星の再来に『当たらなければどうということはない!』って言われてたけど。」

「それ別のアニメだから!?」

「やめろよ簪、皆があえて触れないでいた一番の不安要素なんだから。」

「えっ!そうなの!?」

神矢の言葉に皆が目をそらした。

(ホントナンダナ・・・・。泣いていいかな?いいよね?だから人は泣けるんだから。)

「んん!織斑、これは訓練ではない。実戦だ。もし覚悟がないなら、無理強いはしない。」

・・・・

「やります。俺が、やって見せます。」

(ぜってー当ててやる。そしてこいつらの鼻を明かしてやる!)

「よし。それでは作戦の具体的な内容に入る。現在、この専用機持ちの中で最高速度が出せる機体はどれだ?」

「それなら、わたくしのブルー・ティアーズが。ちょうど本国から強襲用高機動パッケージ『ストライク・ガンナー』が送られて来てますし、超高感度ハイパーセンサーもついてます。」

ISには『パッケージ』と呼ばれる換装装備を持っている。中には専用機だけの機能特化専用パッケージ『オートクチュール』というのが存在する。

これを装備することで機能の性能と性質を大幅に変更し、様々な作戦に遂行できる。と教科書に書いてあった。

「オルコット、超音速下での戦闘訓練時間は?」

「二十時間です。」

「ふむ、それならば適任d」

だな。と言おうとした千冬姉を場違いに明るい声が遮る。

「待った待った待ーった。その作戦はちょっと待ったなんだよ~~!」

声の発生源は天井からだ。全員が見上げると、部屋のど真ん中の天井から束さんの首が逆さに生えていた。

「・・・・山田先生。この部屋に強制脱出装置はないのか?」

千冬姉が頭を抱えて山田先生に聞く。

(てか千冬姉、それ(トラップ)カード・・・)

「あるわけないじゃないですか・・・。あの、篠ノ之博士、とりあえず降りてください。」

「とうっ」

空中で一回転して着地しそのまま千冬姉に詰め寄る。

「ちーちゃん、ちーちゃん!もっといい作戦が私の頭の中にナウ・プリンティング!」

「・・・出ていけ。」

「聞いて、聞いて!ここは断・然!赤椿の出番なんだよっ!」

「なに?」

「赤椿はパッケージなんか無くても超高速機動ができるんだよ!」

ディスプレイに出てた福音のデータが切り替わり赤椿のデータが出てくる。

「赤椿の展開装甲を調整して、ほいほいほいっと。ほらっ。これでスピードはバッチリ!」

(展開装甲?なにそれNTD?)

「説明しよう。そうしましょー。展開装甲とはこの天才の束さんが作った第四世代型ISの装備なんだよ~」

(だ、第()世代!?)

「具体的には白式の『雪片弐型』に使用されてまーす。試しに私が突っ込んだ~」

「「「「「「は?」」」」」」

この言葉に俺以外の専用機持ちも驚いていた。訂正、神矢は驚かなかった。なんで?

「それで、うまくいったのでなんとなんと赤椿の全身のアーマーを展開装甲にしてまーす。システム最大稼働時にはスペックデータはさらに倍プッシュ♪」

「・・・束、言ったはずだぞ。やり過ぎるな、と。」

「あれ、そうだっけ?いやーついつい熱中しちゃったんだよ~」

「話を戻すぞ。束、赤椿の調整にはどれくらいの時間がかかる?」

「お、織斑先生!?」

驚いた声をあげるセシリア。専用機持ちの中で唯一高機動パッケージを持っている自分が作戦に参加するものだと思ってたらしい。

「わたくしのブルー・ティアーズなら必ず成功してみせますわ!」

「そのパッケージは量子変換(インストール)してあるのか?」

「そ、それは・・・まだですが・・。」

「ちなみに赤椿は七分あれば余裕だね♪」

「よし、では本作戦では織斑、篠ノ之の両名による「待ってください。」なんだ竜崎。」

「この作戦、俺も参加します。」

「なっ、私と一夏だけで充分だ!」

神矢の提案にずっと黙っていた箒が食って掛かる。

「いや、あくまで俺はサポート、メインはお前たちだ。はっきり言うがこの作戦、IS初心者みたいな一夏とついさっき手にいれたド素人のお前の二人だけではいささか不安だ。何かのアクシデントが起こらないとも言えない。だから俺が近くで待機して何かあったらすぐに駆けつけてサポートをする。箒、最悪の結果を考えるんだ。もし作戦は失敗、例えば白式のSEが無くなった、としよう。お前は一夏を守りながら一人で福音を相手に出来るのか?」

「そ、それは、だが失敗などしない!」

「しないならしないでいいさ。あくまで俺は予備戦力だからな。成功するならしてもらっても構わないよ。織斑先生、勿論許可してくれますよね?」

「一理あるな。だがお前も超音速下での戦闘訓練はどうした。」

「その点は大丈夫ですよ。俺にはいい指導官がいましたから。」

すると束さんが指でVサインをする。ようはそういうことでいいのかな。

「わかった許可しよう。では本作戦は織斑、篠ノ之、サポート竜崎の三名で行う。目標の追跡及び撃墜を目的とする。作戦開始は三十分後。各員、ただちに準備にかかれ。」

ぱん、千冬姉が手を叩き、教師陣はバックアップに必要な機材の設営を始めた。

俺は作戦に参加しない専用機持ちのみんなから高速戦闘のレクチャーを受けた。

 

 

Side out

 

 

 

Side 神矢

 

作戦開始時刻

 

一夏と箒は先に飛び立った。

もうすぐで俺も出撃する。

「神矢くん!」

機体の最終チェックを行ってると楯無に呼ばれた。楯無を見てると息が切れていたので走って来たと想定できる。

「どうしました?そんなに息を切らして。」

「はぁ、はぁ、仕方ないでしょ走ってきたんだから。・・ふぅ、・・神矢くん分かってるんでしょ?この作戦は失敗する(・・・・)って。」

「そりゃあそうでしょうね。素人二人が軍用ISに勝てるなんて普通は思わない。しかも一人は新しく手にいれたIS()に浮かれて性能を引き出しきれないと見た。だからこうして名乗り出たんですよ。」

「ええ、箒ちゃんをみれば誰もそう思うわ。つまり神矢くんは失敗して引き上げる時の殿になるということ。一番危ないのは貴方なのよ?」

(あーあ、殿を務めることまでバレてるわ。)

するといきなり楯無が俺に抱きついてきた。

「え、ちょっと、楯無さん!?」

「お願い、無事に帰って来て!元気な姿でまた私のところに帰って来て!嫌なのよ!もう、大切な人が居なくなるのは!・・・お願い。」

楯無は泣いていた。

それは恐怖だ、かつて味わった大切な人が居なくなる、そんなのはもう嫌だと俺に泣いてお願いしてきた。

ここに居るのは更識の当主の楯無ではない。

恐怖に震えながら耐え、泣くきつく少女刀奈だった。

 

俺は刀奈(・・)の頭に手を乗せ、撫でながら言う。

「安心してください。俺は貴女の前から居なくならない。絶対です。だから信じてください、俺を!」

「!?・・・本当に?」

「本当です。・・・・貴女を置いていきはしない(・・・・・・・・・・・・)。そうだ終わったら貴女に伝えたいことがあります。」

「え!?そ、それってまさか!?」

刀奈の顔が瞬時に真っ赤に染まる。

(刀奈の心がすぐに読み取れそうだな。)

「では、行ってきます。」

俺は刀奈から離れ、天照を展開して飛び立った。

 

いってらっしゃい

 

後ろでそう言われた気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、とっとと茶番を終わらせるか。」

俺の呟きを聞いたものはいない。

 

Side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




さて今回、楯無さんをヒロインしました。
今作の楯無は原作とは違いこういう面ではかなり情緒不安定なのでこんな感じにしました。
書いててテンション上がりました!
で、神矢くん?
神矢「なんだよ?」
お前楯無さんに言ったよな?「お前の前から居なくならない。」「お前を置いていきはしない。」って、お前告ってない?
「終わったら伝えたいことがある」ってアレなの?死亡フラグなの?
神矢「何度も言うが、書いてるのお前だからな?つーか、伝えたいことって別に告白じゃねぇよ。教えないけど。」
俺は知ってるからいいや。

そして最後の福音戦を茶番扱い。
神矢「分かるだろ?俺は篠ノ之 束側だということさ。」
さて今回はここまで次回は一夏、箒VS福音です。
カットしたいですけど出来ないのです。
福音よりもとーっても大事な事が起きますので、お楽しみに!

感想などよろしくお願いします!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。