デンドロ版深夜の真剣創作60分一本勝負用 作:ニノマエ
ポイピクとかよくわかんないのでハーメルンで失礼します。
□■アルター王国西部某所
「貴様、普段はどのように就寝をしているのだ?」
ふと気になって、作業中の手を止めてメイズはそう相棒に言葉を飛ばした。
その先にいるのは、牛頭鬼のゴゥズ。
彼らが組み始め、アルター王国の国境に根を張り、準備期間を終えて少し。
疲れを知らぬアンデッド故に気にもならなかったが、久しぶりにまとまった時間で益体もない事に思考を飛ばしていると、そんな小さな疑問が浮かんだ。
即ち、ゴゥズはどのような姿勢で寝ているのだろう、と。
ちなみに、こんな事を考えてしまったのには今の二人の状況が起因している。
ゴゥズとメイズは海に来ていた。
カルディナ国境から遠く離れ、わざわざ危険渦巻く海まで足を運んだのは、アンデッドモンスターの素材調達のためだ。
アンデッドの可能性は無限大だ。
魂を弄るのは勿論、肉同士を組み合わせて複雑かつ汎用性の高い機能を持たせることもできる。
特にこの世界の水棲モンスターなど、特異性の塊だ。
そのため海に潜り、良さげなモンスターを探している、といわけだ。
ちなみに日中であるが、特注の《日照耐性》を持ったダイビングスーツを着ているので問題はない。
デザインが地球のそれなので、少々どころではないミスマッチさを醸し出しているが。
風体が不審死を遂げたダイバーのそれだ。
この世界に大量のマスターが流入してくるのはしばし後の出来事だが、文化流布担当のおかげでこうしたアイテムは枚挙にいとまがない。
そして、メイズの問いにゴゥズが応える。
「アァ? 見りャわかんだろ。今と大して変わんねェよ」
今、というと。
その四本の足を器用に折りたたみ、上半身をくねらせた、うつ伏せのような姿勢を言うのだろうか。
頭の後ろに手を組み、グラサンでもかけて豪快に寝そべっているのが似合っていそうなものだが。
混じっている牛の習性がそうさせているのだろうか。
「た、たすけ……」
そんな中、ゴゥズの耳がか細い声を拾う。
横目に視線を投げれば、一人のティアンの怯えた目とかち合う。
老人の名はファン・クライン。
海辺で飼っている愛玩動物と共に静かに暮らす、ごく普通のアルター王国民である。
彼は海面に反射する太陽の光を好み、そして運が悪かった。
いつも通り、明け方に海岸に出ようとして。
ただ、そんな日に限って、彼らに出会ってしまった。
本当にただそれだけだった。
「うるせェよ」
そして、四肢がもがれて達磨状態となった老人を片手に持ち、適当に口に放り投げるゴゥズ。
ほぼ皮と骨だけの肉を喰み、強烈な後味の鈍さに舌鼓を打つ。
口内で微かに聞こえた断末魔も、悪くないスパイスだ。
日差しが照りつける、アルター王国の夏。
この世界ではありふれた悲劇をよそに、二人は引き続き久方ぶりの海を満喫するのだった。
全てが初めてなのでお目汚しとかあればごめんなさい〜!
絵→まだ