【主人公】人類最初の希望 救世鬼神アウトサイダー【喋らない】 作:アルファるふぁ/保利滝良
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セレナとミレーナの乗る四輪自動車
そこには今、さらにもう一人が乗っている
それは、男性
霊長類ヒト科の♂
セレナとミレーナは、別に男性を知らないと言うことはない
しかし、人類がこの姉妹含めた4人しか生き残っていないので、実際に会ったことはない
セレナとミレーナの二人は、まるで緊張の渦中にいるようだった
宇宙人が目の前にいた方が気が楽だったろうに、目の前にいるのは同じ人間、しかも一番対応に困る異性ときた
今の荒廃した世界が頭から無くなるほど気まずい
とりあえず、仲間の元に届ける前に色々質問しておくことにした
セレナが口を開く
「まずお前、名前を聞いておこうか」
ミレーナが大慌てで小声で注意する
「お、お姉ちゃん!相手は男の人だよ!?そ、そんな高圧的な態度じゃ・・・」
セレナも小声で言い返す
「だ、ダメだ!私は四人のリーダーだぞ!?こ、こんな、こんな・・・男が出たくらいでオドオドしてたら、アリサとシェリーの笑い者じゃないか!」
「今オドオドしてるじゃん!」
二人が言い争いをしていると、ミレーナはあることに気がついた
「・・・ど、どうしたの?」
ミレーナも敬語を知らないせいでタメ口になっているが、彼女はそんなことより重要な疑問を持った
目の前の男は一切喋らないのだ
無視のレベルではない
心配してくれたミレーナの方をじっと向き、話を聞いている視線を送ってくる
セレナも、ハンドルを持ちながら後ろを向き言う
「な、なにかしら言ったらどうだ?」
しかし、その男は一言も言わない
ここでミレーナは男の首に違和感を覚えた
なんの脈絡もなくその男の首を触る
セレナが目を見開いて妹を凝視するが、白い指は男の首に触れ続ける
そしてミレーナは結論付けた
「せ、声帯が、無い・・・?」
セレナとミレーナ、そして他の四人の住処はとても不思議な場所にある
それは白い巨人の、内部である
その巨人の全長は、四人が調べたところ1000メートル
丁度一キロメートルである
まるで死んだように横たわり、この数年ずっと動かない巨人
所々に左右対称の有機的な装飾があり、それは時折緑色に光る
その胸には半径50メートルの大きな穴があり、四人はそこに屋根を張り住んでいた
幸い敵はこの辺りにはやってこない
やって来たら最後、敵から流れ出る有毒のガスで死ぬが、しかし敵はこない
四人はこの巨人が敵と同じと考えたが、特徴が敵と真反対なのを理由に、違うと判断する
敵と似ているようで全く違う
彼女達はこの巨人を、敵から外れた『アウトサイダー』と呼んでいた
ここが人類の生き残りの住みかだ
たとえいきなり男が来ても、四人は落ち着き対応する
最後の人類なのだから
次回、ご挨拶