転生したら聖園ミカだったけど、どう考えてもここはキヴォトスではない。 作:ガイバーって難しいね☆
と言ってもプロットとかストーリーの方向性を整理してもらってるだけなんですけども。
それと、短時間で5つも評価がついて少しビビっております。ので、平服しながら2話目を投稿します。ユルシテ…ユルシテ…。
※今回、原作キャラについて多少の解釈違いが発生する可能性が一応あります(個人的には登場シーン極少・セリフ一切なしなのに解釈違いもクソもあるかって感じではあるのですが)。
……嘘ぺこじゃんね☆ 俺は膝をつき
今の時点で既に絶望的にすぎる状況。だが、絶望してばかりいられない。とりあえず立ち上がり、『眠りの神殿』から出ることにする。
「……少なくとも、バルカスやアルカンフェルにバレる前にこの島は脱出しなきゃならない。バレれば間違いなく研究素材ルートだし、それは何としても避けたい」
ブツブツと、思考を口に出して整理する。今、俺は何をするべきなのか。それをまとめて明確な目標に設定しなければ、話が始まらないだろう。
「……いや、俺のスペックがカタログ通りなら
……けど、まあ。多分無理だよなぁ。俺は内心で呟き、ため息を吐いた。どう考えたって、俺のスペックと『
「っていうか、そういえばだな。この肉体の基本性能って確認してないよな……。するか」
そう思い立ち、うんうんと唸りながら屈伸運動なんかをしていた時のことだ。ふと、背後に微かな気配を感じた。
「……ん?」
振り向きざま、完全に無意識の反射で、俺は軽く裏拳を放ってしまった。本当に、ただ「肩に止まった蚊を払う」くらいの軽いノリだったんだ。
――バゴォォォォアッ!!
「――――ッ!?」
俺の拳から放たれた理不尽な暴風が、背後に立っていた影を吹き飛ばし、神殿の石壁に深々とめり込ませた。
「えっ」
土煙が晴れた後に壁に埋まっていたのは、見覚えのあるフォルム。豊かな
「はっ? ちょっ、えっ……?」
やばい、いきなり原住民をやっちまった! と言うか基礎スペック高すぎんだろ……と内心で焦る俺をよそに、レガリアスは壁からズルズルと這い出すと、ブルブルと首を振って立ち上がる。そして、俺に向かって全面降伏の姿勢を取り、両手をバタバタと振って「敵意ナシ! 絶対服従!」と全身で激しくアピールしてきた。
どうやら、俺の放つプレッシャーと今の一撃の理不尽さで、完全に上位の存在だと理解したらしい。
「あ、ごめん。マジでわざとじゃないんだ……怒ってない?」
レガリアスはブンブンと首を縦に振る。なんだこいつ、原作での寡黙そうな雰囲気と違ってちょっと可愛いな。俺たちは種族の壁※1を超えて、固い握手※2で謎の和解を果たした。
ともあれ、レガリアスという観客兼アシスタントも得たことだし、気を取り直して性能テストをしてみ……ようとして。ふと、ここでやったら物音でアルカンフェルが起きてくる可能性に思い至り、慌てて外に出る。それから周囲を見回して何者も近づいてこないことを確認し、ホッと胸を撫で下ろす。危ない危ない。今がいつかは知らないが、今この瞬間にでも休眠期が終わる可能性は存在するのだ。
まずは『対衝撃用瞬間硬化外皮』。手近な岩壁に思い切り正拳突きをしてみたが、インパクトの瞬間に身体の表皮に真っ黒な装甲が展開され、岩のほうが豆腐みたいに砕け散った。俺は無傷。硬すぎてわろたにえん。
次に『武装生成能力』。イメージに従って強殖細胞を練り上げると、背中からズルリと超振動を纏った特大剣が出現した。試しに振ると付近の石畳がバターのように両断される。ついでに『Quis ut Deus』に似せた短機関銃を作り岩に向けて撃ってみると、圧縮骨針の徹甲弾が耳を
『ヘイロー』の出力も試す。思念波をグッと強めてみると、レガリアスが白目を剥いて泡を吹き倒れた。思念波強度は
背中の『帯電高周波ウィング』は、励起すればバチバチと超高電圧が走り、羽の向きを最適化すれば、体がふわりと浮き上がった。おお。何がおおだよ。これはおおだろ。まあでも、重力制御があるならわざわざこれで浮くのは非効率的かもしれないな。こう言う冗長性も廃棄された原因か? そんなことを考えつつ羽根を一枚毟って硬化させ、手裏剣みたいに投げる。すると着弾した岩がスパリと斬れ、断面がわずかに熔解した。投げた羽根は焼けてた。コワ~……。
最後は『重力制御球』だ。降臨者の仕様書にあった使い方をいくつか試す。
性能テストで生まれたその辺の残骸を重力でかき集め、大きめの
拳に超重力と高電圧を纏わせて殴れば、放電と共に空間が圧壊するような現象が起きた。これ完全に某呪術漫画の黒閃じゃん。俺、クロノス最強の術師になれるのでは? なる気ないけど。
重力を球形にして纏えば、
「……うん。控えめに言って、歩く戦術兵器って感じだな」
自分のあまりのデタラメな火力の数々に、俺は乾いた笑いを漏らすしかなかった。降臨者、いくらなんでもやりすぎである。そりゃこんなん一般獣化兵数万体分のコストがかかって当然だろ。
――ともあれ、己のスペックが異様なほどに高すぎることが確認できたのは大きな収穫だ。
「……さて、そろそろ行くか」
これ以上ここでグズグズしていれば、アルカンフェルがいつ眠りから起きてくるか分からないし、時期によってはバルカスあたりが島を訪れるかもしれない。強力な思念波も放っちゃったしな。
俺は腰の純白の翼を広げ、飛び立つ準備をする。
「達者でな、レガリアス。壁、弁償できなくてすまん」
見送るように……あるいは嵐が去ってホッとしたようにこちらを見上げるレガリアスに、軽く手を振ると、俺は一気に大地を蹴った。
――ドゴァッ! という轟音と共に、音を容易く置き去りにするスピードで上空へと舞い上がる。
シラー島の周囲を覆う激しい海流も、遺跡宇宙船の残骸が放つサイコ・フィールドも、俺の圧倒的な出力の前では紙切れ同然だった。
眼下のシラー島――
――目指すはアメリカ大陸、クロノス本部のあるアリゾナ州だ。