​✨ 『純白の仮面(ペルソナ)は剥がれない』 ✨​―― Sodashi(JPN) 全記録 ――   作:Riho

10 / 14
いつもご愛読ありがとうございます!
第10話は、2021年の札幌記念(G2)です❄️✨
オークスでの初敗北から夏を越し、ソダシが選んだ復帰戦。
そこに立ちはだかるのは、香港ヴァーズを制した「世界の女王」ラヴズオンリーユーをはじめとする強力なシニア(古馬)勢!
「格付け完了ですわ!」
北の大地で繰り広げられる、白きヒロインの完全復活劇をお楽しみください!


✨ 『純白の仮面(ペルソナ)は剥がれない』 ✨―― Sodashi(JPN) 全記録 ―― 第10話

 【第10話】北の玉座、世界の女王への「宣戦布告」  

❄️―― 2021.8.22 札幌 11R 札幌記念 ――❄️

 

               

 

2021年8月22日。札幌レース場を包む空気は、避暑地のそれではなく、刺すような緊張感に満ちていました。✨

 

パドックに足を踏み入れた瞬間、私を射抜いたのは、オークスの時とは違う「疑念と期待が入り混じった視線」の群れ。

 

「ソダシ、シニア級の先輩たち相手にどこまでやれるんだ……」

 

「斤量52キロなら、あるいは……」

 

(……ふふ。下界の皆様、相変わらず私の価値を数字でしか測れないようですわね。ラヴズオンリーユーさん、貴女が『世界の女王』なら、私は『歴史そのもの』。どちらの輝きが本物か、この北の大地でハッキリさせて差し上げますわ。皆様、瞬きを禁じますわよ?)   

 

  【覚醒:暗室での静かなる愉悦】

 

ゲートの中。いつもなら「映えない」と憤慨するこの場所で、今日の私は驚くほど冷静でした。

 

隣から聞こえる強豪たちの荒い息遣い、シニア級特有の、大地を揺らすような威圧感。

 

それが、私の闘争心を心地よく刺激します。

 

(……今浪さん、手出しは無用ですわ。隼人さん、余計な合図は不要。扉が開いた瞬間、私がこのレースの『支配者』になりますから。……さあ、世界を跪かせなさいな!)  ⚡️

 

  洋芝を切り裂く、純白の衝撃

 

ガシャン!と弾けるように飛び出した私。

 

ハロンタイムは12.5 – 10.9 – 11.5……。私は逃げるトーラスジェミニさんを視野に入れつつ、絶好の2番手をキープします。

 

札幌の重い洋芝が私の足元に負荷をかけますが、避暑地という名の「地獄」で鍛え上げた筋肉は、それを「心地よい抵抗」として跳ね返します。

 

4コーナー。後方から、ラヴズオンリーユーさんが川田騎手の激しいアクションと共に、地響きを立てて襲いかかってくるのが見えました。

 

その瞬間、スタンドから**「おおおぉぉ……!」**という、地鳴りのような地声が漏れ出します。

 

(……来ましたわね。世界を制したそのキレ味、存分に見せてごらんなさい! 私という『白き壁』を越えられるものなら!)    

 

残り200メートル。

 

私は先頭に立ち、粘る先輩たちを無慈悲に突き放します。

 

外から、ラヴズオンリーユーさんの猛追。内からはペルシアンナイトさんの執念。

 

観客席からは、もはや悲鳴に近い歓声が。

 

「ソダシ! 行け!!」「そのまま!!」

 

(……負けません。私は、今浪さんの指をボロボロにしてまで、この日のために実力を研いできたのですから! 届かせませんわ、1ミリたりとも!!) ⚡️ 

 

ゴール。

 

世界のラヴズオンリーユーさんを気高く置き去りにして、私はトップで駆け抜けました。

 

  「格付け完了」の微笑み

 

1分59秒5。

 

「世界のラヴズ」を真っ向勝負でねじ伏せたという事実に、札幌レース場は震えるような衝撃と、割れんばかりの拍手に包まれました。

 

それは、オークスの時の「沈黙」を完璧に上書きする、祝福の嵐。

 

「ソダシ復活! 世界の女王を撃破! 白きヒロインは、真の怪物へ!!」

 

引き上げてくる検量室前。私は、悔しさを滲ませるラヴズオンリーユーさんと視線を合わせ、最高に不敵な、そして優雅な微笑みを浮かべました。

 

(ラヴズオンリーユーさん。世界を歩き回ってお疲れのようですわね。……でも、ここは日本、そして私の庭。格付けは、これで完了ですわ。貴女が『世界』なら、私は『宇宙一』。どうぞ、私の後ろ姿を一生記憶に焼き付けておきなさいな。おーほほほ!)  ✨

 

その夜、札幌の控室で。

 

今浪さんが「ソダシ……お前、ほんまに……最高や……」と涙で声を詰まらせながら、特大のスイーツを差し出してきました。  

 

(……あら今浪さん。泣くのは早すぎますわよ。私はまだ、失ったものすべてを取り返したわけではありませんもの。……さあ、次は秋。阪神の空を、再び私の色で塗り替えて差し上げますわ。ヘアケアの時間、1分でも遅れたら承知しませんからね?) ❄️  




ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
オークス敗戦の悔しさを糧に、世界のラヴズオンリーユーを真っ向勝負でねじ伏せた札幌記念!
レース後の「貴女が世界なら、私は宇宙一」という高飛車フルスロットルなソダシですが、裏では今浪さんとの特訓でしっかり肉体を仕上げていた努力家な一面も垣間見えましたね ✨
これにて【第2期:桜の冠と、2400mの孤独】は完結となります!
次回からは【第3期:泥まみれのプライド、混迷の季節】へ突入!
秋華賞のアクシデント、そしてソダシの運命を大きく変えるまさかの「ダート転向」――!?
完璧お嬢様の仮面が試される怒涛の展開が始まります!
「熱い復活劇だった!」「第3期も楽しみ!」と思っていただけたら、ぜひページ下の評価(ポイント)や感想、ブックマークをいただけますと大変励みになります! ✨
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。