​✨ 『純白の仮面(ペルソナ)は剥がれない』 ✨​―― Sodashi(JPN) 全記録 ――   作:Riho

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いつもご愛読ありがとうございます!
第13話は、2021年のチャンピオンズカップ(G1)です ️✨
白毛のヒロインが挑む、まさかの初ダート戦!
「この泥臭い戦場に、一点の汚れもない『白』が降り立つ――」
自信満々で挑んだソダシを待ち受けていたのは、芝とは全く異なる過酷な「砂塵の洗礼」でした。
飛んでくる重い砂の弾丸、泥にまみれて剥がれ落ちていく誇り。
白き女王が初めて味わう絶望と惨敗の記録を、ぜひ見届けてください……!


✨ 『純白の仮面(ペルソナ)は剥がれない』 ✨―― Sodashi(JPN) 全記録 ―― 第13話

 【第13話】砂塵の洗礼、剥がれ落ちる「白銀のメッキ」  

 ️―― 2021.12.5 中京 11R チャンピオンズカップ ―― ️

 

  ️  ️  ️  ️  ️  ️  ️ 

 

2021年12月5日。中京レース場の空は、私の心を見透かしたように低く、重苦しい灰色に沈んでいました。✨

 

視線の先には、芝のそれとは明らかに違う、湿って、粘りつくような茶色の砂。

 

そこを闊歩するのは、岩のように逞しい、汗と泥の臭いが染み付いた「砂の怪物」たち。

 

(……ふふ。やはり野蛮な場所ですわね。でも、ご覧なさいな。この泥臭い戦場に、一点の汚れもない『白』が降り立つ。その圧倒的な違和感こそが、私を最も美しく引き立てる『額縁』になるのですわ。……皆様、瞬きを禁じますわよ?)   

 

2番人気。皆様、まだ夢を見ていらっしゃる。

 

「白い奇跡」が砂の上でも起きると信じている……。その期待が、今の私には酷く残酷で、滑稽なプレッシャーに思えました。

 

  【絶望:パウダーではない、重き『鉛の弾丸』】

 

ゲートが開いた瞬間、私の傲慢な想定は一瞬で瓦解しました。

 

(……っ!? 何ですの、これ……!? 痛い、痛いですわ!! 止めて、誰か止めて!!)    ️

 

前を走るインティさんが蹴り上げる砂。

 

それは私が想像していた「フィニッシングパウダー」などではなく、私の白い肌を無慈悲に打ち据える、硬く、重い、礫(つぶて)の弾丸でした。

 

  泥濘の迷宮、剥がれ落ちる美学

 

1コーナー、2コーナー。

 

私は懸命に好位につけようと足掻きますが、飛んでくる泥が私の瞳を、鼻を、そして自慢の純白の姿を、見る影もなく汚していきます。

 

ハロンタイムは12.5 – 11.1 – 12.9……。

 

(……今浪さん、嘘つき。真っ白なままなんて、無理ですわ……! 身体が重い。呼吸をするたびに、口の中にジャリジャリとした砂が入り込んで……! 誰か、誰かこの茶色い怪物たちを、私から遠ざけて!!)    

 

4コーナー。

 

芝では感じたことのない、底なし沼に足を取られるような絶望的な疲労感。

 

外からテーオーケインズさんが、次元の違う加速で私を嘲笑うように置き去りにしていきます。

 

続いてチュウワウィザードさん、アナザートゥルースさん……。

 

砂のスペシャリストたちが、泥にまみれた私を「場違いな闖入者」として踏み越えていく。

 

「ソダシ、苦しい! 完全に加速が鈍った! ソダシ、後退!!」

 

実況の声が、耳を塞ぎたいほどに残酷に響きます。

 

スタンドのどよめきは、もはや歓声ではなく、見てはいけない悲劇を目撃してしまったという「困惑」と、冷ややかな「落胆」。

 

結果、12着。

 

先頭のウマ娘から2秒以上も離された、美学もプライドも粉々に砕け散った、無惨な惨敗でした。

 

  絶望の独白:鏡を見たくない女王

 

引き上げてくる私を、今浪さんが言葉を失くして迎えてくれました。

 

私の体は、かつてないほどに茶色く汚れ、自慢の純白の髪は泥と汗が混ざり合い、見る影もないほどにベタついて、固まっていました。  

 

(……見ないで。今浪さん、私を……そんな哀れみの目で見ないでくださいまし! 私は……私はソダシ。世界で一番美しくて、気高い女王のはずなのに……! なぜ、こんな……こんな惨めな、薄汚れた姿に……!)    

 

今浪さんが必死に、震える手でシャワーをかけて泥を落としてくれます。

 

けれど、水に流される泥と一緒に、私の「無敵のプライド」までもが排水溝へと消えていくような気がして、私は控室の隅で震えていました。

 

SNSでは『ソダシ、ダートの壁に沈む』『人気ウマ娘の限界』『純白の神話、終焉か』という冷酷な文字が、私の心を抉ります。

 

「……メッキが剥がれた? 終わったウマ娘ですって……? ……お黙りなさいな。今日の私は、ただ……少しだけ、お化粧のノリが悪かっただけ。……そう、汚れは、洗えば落ちるもの。……でも、この心の『渇き』だけは、勝利の美酒でしか癒せませんわ……」    

 

女王は、泥が落ちて再び白くなった自分の指先を、暗闇の中で呪わしく見つめていました。

 

それは、彼女が初めて「自分はただの、無力な一人のウマ娘に過ぎないのかもしれない」という恐怖に直面した、最も孤独で、最も長い夜でした。




ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました!つ♡
想像をはるかに超えるダートの厳しさに晒され、12着という惨敗を喫してしまったソダシ……!  
自慢の白毛が泥で固まり、シャワーで洗い流されながら「自分のプライドまで消えていく」と感じる姿は、見ていて本当に胸が締め付けられますね……。今浪さんの言葉にならない切なさも寂しいシーンでした……  
ですが、暗闇の中で「勝利の美酒でしか癒せませんわ」と静かに執念を燃やすソダシ!
ここからの泥臭い這い上がり劇が始まります! ✨
次回は【第14話】!
迷走の季節は続き、次なる戦場「フェブラリーステークス(G1)」へ――!
砂の恐怖を乗り越え、白き女王は再び輝きを取り戻せるのか……!?  
少しでも「面白かった!」「ソダシの復活を信じて応援したい!」と思っていただけたら、ぜひページ下の評価(ポイント)や感想、ブックマークで応援していただけると執筆の励みになります!ポチッとよろしくお願いします!  ✨
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