​✨ 『純白の仮面(ペルソナ)は剥がれない』 ✨​―― Sodashi(JPN) 全記録 ――   作:Riho

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いつもご愛読ありがとうございます!
第22話は、2023年安田記念(G1)。ソダシの現役ラストランとなった激闘のお話です ️✨
中2週で迎える最高峰の舞台。
12万人の歓声が東京競馬場を揺らすなか、ソダシが背負い続けてきた「純白のアイドル」という重い仮面。
今浪さんの温かい手、そして最後の一瞬まで美しく走るという誇り。
重圧から解き放たれ、一人のウマ娘として最高の輝きを放った最後のランウェイを、ぜひ温かく見届けてください!


✨ 『純白の仮面(ペルソナ)は剥がれない』 ✨―― Sodashi(JPN) 全記録 ―― 第22話

 【第22話】仮面を脱いだ女王、純白の風に溶けて  

 ―― 2023.6.4 東京 11R 安田記念 ―― 

 

 ✨ ✨ ✨ ✨ ✨ ✨ ✨ 

 

中2週。疲労がないと言えば嘘になりますわ。

 

けれど、レース当日の朝、鏡に映る自分を見つめたとき、そこにはかつてないほど「澄んだ」瞳をした私がいました。✨

 

パドックで今浪さんの手が、私の肩を力強く、けれど羽毛のように優しく叩きます。その手の震えが、言葉以上の重みを持って私に伝わってきました。

 

(……おじさま。今日が本当の、最後なんですわね。……ええ、分かっていますわ。……『ソダシ』として、皆様の夢を背負って走るこの時間は、あとたったの1分30秒ちょっと……。私、寂しくなんてありませんわ。だって、今が一番、私らしいんですもの)   

 

単勝2番人気。錚々たる最高峰のウマ娘たちが揃うなか、スタンドを埋め尽くした12万人もの視線が、一斉に私の「白」を追いかけます。

 

かつて浴びた「珍しい白いウマ娘」への歓声とは違う、一人の伝説的なウマ娘への、魂を揺さぶるような深い敬意を湛えた大合唱。

 

  【解放:最後にして最高の「自分」への滑走】

 

ゲートが開いた瞬間、私は迷いなく前へ出ました。

 

隣にはジャックドールさん。私の少し後ろには、宿敵ソングラインさん。

 

12.0 – 10.8 – 11.4……。

 

澱みのない、けれど息が止まるほどに激しい流れ。私はただ、全身で風を感じていました。

 

(……駿人さんでもなく、レーンさんでもなく、今日は川田さん。……貴方のその剛腕で、私を最後まで支えてくださる? ……今浪さん。最後の一歩まで、私は美しく、強くありますわ。……それが、私を選んでくれた貴方への、最大の返礼ですもの!)  ⚡️

 

  直線:12万人の記憶に「白」を焼き付ける

 

4コーナー。地響きのような歓声が、東京レース場を物理的に揺らしました。

 

「ソダシ! ソダシが来た! 内からソダシが先頭を伺う!!」

 

直線、坂下。

 

足腰は、もう鉛のように重かった。

 

呼吸は、火を吹くように熱かった。

 

後ろから、ソングラインさんが、セリフォスさんが、シュネルマイスターさんが、怒涛の勢いで襲いかかってきます。

 

(……ああ、皆様。そんなに急いで私を追い越さなくてもよろしいのに……。……でも、いいわ。……私はもう、十分すぎるほど、光の中にいましたもの。……もう、いいんですの)    

 

結果は7着。

 

勝ったのは、またしてもソングラインさん。彼女、本当にしつこいですわね……でも、最後を争ったのが彼女で、どこか誇らしい気もしましたわ。

 

ゴール板を駆け抜けた瞬間、私の心から、何かがスッと、重い鎖が外れるような音がしました。

 

  「もう、仮面を被らなくてもいいのかしら」

 

引き上げてくる私を、今浪さんが待っていました。

 

彼はもう泣いていませんでした。ただ、最高の宝物を見つめるような、慈愛に満ちた目で、私を迎え入れてくれました。  

 

(……終わりましたわ、今浪さん。……7着ですわよ? 女王失格かしら。……おーほほほ! ……なんて。……もう、無理に高笑いしなくてもいいんですわね。……『純白のアイドル』という、美しくも重い仮面……。それを被って、私は貴方と一緒に、ここまで必死に歩んできました。……お疲れ様、おじさま。……それと、お疲れ様、私)   

 

私は、今浪さんの肩に顔を寄せ、ふーっと長く、深い息を吐き出しました。

 

それは、重圧から解き放たれた、一人の「ウマ娘」としての、最高に清々しい溜息。

 

スタンドからは、着順なんて関係ない、万雷の拍手がいつまでも、いつまでも降り注いでいました。

 

その光景を瞳に焼き付けながら、私は今浪さんと共に、静かに、けれど誰よりも誇り高く、検量室へと歩み出しました。

 

「……お聞きなさい、愛すべき下界の皆様。私の物語は、ここで一旦幕を閉じますわ。……でも、寂しがることはありません。次に誰かが『白いウマ娘』を見上げたとき、そこに私の影を感じるはずですもの。……皆様、愛していますわ。……お元気で!」    

 

女王は、夕暮れの光をその純白のドレスに美しく反射させながら、伝説の向こう側へと帰っていきました。




ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました!つ♡
ソダシの現役最後の舞台、安田記念……!
7着という結果を超えて、重圧の鎖から解き放たれたソダシが今浪さんの肩で深く息を吐くシーン、何度読んでも胸がギュッと締めつけられますね…… ✨
「純白のアイドル」としてターフを駆け抜け、たくさんの夢と感動を届けてくれたソダシ。今浪さんとの絆、そして誇り高きお嬢様としての姿は、これからもずっと私たちの心の中で輝き続けます!
次回は【第23話】!
競走生活を終え、ターフを去ったソダシが歩む新たな未来とは――!?  
少しでも「ラストランに目頭が熱くなった!」「ソダシと今浪さんの物語に感動した!」と思っていただけたら、ぜひページ下の評価(ポイント)や感想、ブックマークで応援していただけると執筆の励みになります!ポチッとよろしくお願いします!  ✨
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